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君枝【2】

ごうごうと音を立てて電車は鉄橋を通過していく。昨夜来の雨のせいか、その水面の眺めはかなり寒々と感じられた。揺れる車内のつり革に懸命にぶら下がり、一人の女性がそんな朝の風景を美しい瞳で追っている。

ウール素材のショートトレンチ、そしてシックなジャケットの下には、薄いベージュ色のボウタイブラウス。タイトスカートは形のいいヒップを隠し、そこから伸びる美脚は黒いパンストに包まれている。こげ茶色のボアブーツは、身長167センチという彼女の抜群のスタイルを一層際立たせているようだ。

整った顔だちが知性を感じさせるのは、ペールオーキッドのフレームが印象的なメガネのせいだけではない。29歳の人妻、樫又君枝は、確かに聡明で、そして性の魅力をも兼ね備えていた。

荒川を渡るこの鉄橋付近では、晴れた朝、富士山が見えることもあると、大学時代に友人から聞いた覚えがある。しかしその日の雨空では、到底無理な話であった。少しばかり失望している自分が、まるで子供のように思え、君枝は心の中で自嘲気味に笑ってみる。

11月も終盤。先週末から一気に冷え込んだためか、この朝の通勤電車にも厚手のコートを着込む客が多いようだ。次は北千住、というアナウンスが、満員ながら朝独特の静けさを維持した車内に響く。東京メトロ、地下鉄千代田線は、間もなく地上から地下へと進んでいく。

和夫との結婚に伴い、勤務先の大手都銀を退職して5年にもなる。通勤電車に乗るなど、随分と久しぶりのことであったが、それも4日目ともなれば、すっかり当時の感覚を思い出してしまう。

変わらないわ・・・・・・
満員の車内。椅子に座り熟睡する女性。昨夜からの疲労を明らかに引き摺っている若い男性。いやな会議でもあるのか、途方もない困難に直面したような表情を浮かべる壮年の男性。どれも昔と同じだ。ただ、以前と比較すれば携帯電話を覗き込む客の数が圧倒的に増えたような気もする。

ようやく北千住か・・・・・
駅に着いた車内は、乗り換え客で激しい人の流れが生じている。君枝の目指す駅、新御茶ノ水は、まだしばらく先である・・・。

その話が君枝のもとに届いたのは、1ヶ月ほど前、東大時代の友人、由加里と何年ぶりかに再会したときであった。君枝同様、由加里も勤務先を数年で退職、現在は小さな会計事務所で働きながら勉強をしていた。

「で、どうなの君枝、専業主婦ってやつは・・・・・」
「どうなのって、何がどうなのよ・・・・・」
「いいなあ、子供も産んで、毎日のんびりやってるんでしょう・・・」
「あのね、主婦をなめてもらっちゃ困るんですけど。これでも幼稚園のPTAとか大変なんだから・・・・」

「えっ、君枝がPTA!? 」
「ま、まあね・・・・。見えない流れでそうなっちゃってさ・・・・・」
「それ、おかしすぎるよ~。早速ゼミのメーリングリストに流さないと」
「やめてよ、由加里・・・・・・」

君枝と由加里は経済学部、同じゼミの専攻であった。なかなか会う機会はないが、それでも二人を含め、ゼミ仲間10名程度は、今でもメールでちょくちょく情報交換をしている。

由加里は仕事の休みを利用し、君枝の自宅からそれほど遠くない駅にまで足を運んでくれた。その駅ビルにあるレストラン街の一つで、二人は独特のコシがある食感が人気のパスタレストランを選ぶ。

未だ結婚をしていない由加里にとって、君枝の話はどれも興味深いものだった。幼稚園に通う娘がいて、しかもPTAにまで入っているなんて。同い年のその友人が、何か随分と先輩のように思えてしまう。

「駄目よ、私だけおばさん扱いするのは・・・・・」
由加里の気持ちを先回りするかのように、君枝がそう釘を刺す。30歳になろうとしている彼女たちの同期でも、子供を産んだ友人はまだほとんどいない。結婚、或いは離婚経験者こそ、何人かいるのだが。

「大丈夫、同い年じゃないの、私達・・・・・」
「ふふ、わかっていればよろしい・・・・・・」
「でも君枝、更に美貌に磨きかかってない? ねえ、恋でもしてる?」
「もう、由加里ったら・・・・」

冗談っぽくそう答えた君枝の脳裏に、一人の男の記憶が蘇る。夫ではない。2週間ほど前に自宅に来た夫の幼馴染、川上のことだ・・・。

=

パスタレストランのテーブルで向かい合う二人、君枝と由加里。たらこバターであえてレモン風味で仕上げたパスタ、そして牛肉ときのこをピリ辛トマトソースであえたパスタをそれぞれ楽しみながら、互いの近況を語り合っている。

「離婚したのもいるってのに、君枝はご主人に愛されてるからそんなに綺麗なんだろうね~」
そう冷やかす由加里の言葉に君枝は少し顔を赤らめながらも、しかし、一度思い出してしまった川上のことをその頭から消し去ることができない。あの濃厚な体験は、未だその人妻の裸体に、しっかりと記憶されている・・・。

夫のいじめ行為を材料に接近してきた卑劣な男、川上。ワンピースを強引に脱がそうとしたその男に、君枝は挑発的な言葉を投げかけた。

「あなたに私を満足させることなんてできやしないわ・・・」

しかし、男の攻めは巧みで、終わりのないものだった。夫との行為からは決して得られない快感を、男の逞しい肉体は惜しむことなく、君枝の裸体に何度も与えてきた。

「奥さん・・・・・、ほら、君枝をイカせてって言うんだよ・・・・・」
背後から君枝の両腕を引っ張り、川上は荒々しくその腰を何度も突き出す。たくましい肉棒の往復をどうしようもなく濡れた美肉でしっかりと感じ、バックから男に貫かれた君枝は次第に追い込まれていく。

「あんっ・・・・・・・、ああっ・・・・・・・」
「感じてるんだろう、奥さん・・・・・・、ほら、言うんだよ、早く・・・・・・・」
未知の快感の波が押し寄せ、君枝は堪らずそれを口にしてしまう。

「あんっ・・・・・・・、早く・・・・・・・、早くイカせて・・・・・・・・」
挿入後、すぐに果てる夫の行為とは、それは対極に位置するものであった。川上は己の分身を人妻の中に入れたまま、何十分もそれを維持させた。そしてあらゆる体位で君枝を追い込み、その東大卒の人妻に恥ずかしい声で何度も啼かせた。

「どうなんだ、奥さん・・・・・・・」
「ああっ、早く・・・・・・・・、もうイッちゃう・・・・・・・」
「ほら、どうだっ、奥さん!・・・・・・」

ベッド上でうつ伏せのままいやらしく膝を立て、君枝は夫以外の男に激しく陵辱された。ぱんっ、ぱんっ、と音を立ててバックから攻め立てる川上の行為に、君枝は子供の頃から信じ続けてきた理性を遂にかなぐり捨ててしまう。

「あんっ、駄目っ・・・・・、もう・・・・・・、もうイキそう・・・・・」
「奥さん、いくぞっ!・・・・・」
「ああっ、イクっ・・・・・・・・、君枝もイクっ!・・・・・・・・」

夫との行為の中で、君枝は達したことなど一度もなかった。まして、イクなどという淫らな言葉を口にしたことも。あの夜、君枝は自分の隠された一面を、川上によって暴かれたのかもしれない。

寝室で、浴室で、そして玄関先で・・・。夫のいない自宅で、君枝は様々な体位で川上に朝まで抱かれ続け、何度も絶頂に達した。

二度と姿は見せない、という置手紙とともに、姿を消し去った川上。宣言どおり、あの日以降、全くコンタクトはない。君枝もまた、あの男のことを忘れ去ろうとしているが、しかしそれは当分難しいようであった。

「どうしたの、君枝・・・・・・・・」
押し黙ったまま、パスタの皿を意志もなくかきまわす友人に対し、由加里は心配そうに声をかける。
「ご主人に愛されてるって言葉、まずかった?・・・」
何の打算もなくストレートにそう聞いてくる由加里の態度が、君枝にはむしろ有難かった。

「ううん、そんなことないわよ・・・。うまくやってるわよ、私達・・・・・・・・」
「そうだよね・・・・・・」
何年か交際していた相手とは数ヶ月前に別れたという由加里が、相当にうらやましそうな表情で、アイスティーに口を運ぶ。そして、話題を変えるような口調で、君枝に突然こう言った。

「ねえ、君枝、1ヶ月くらいなんだけどさ、社会復帰しない?・・・・・」
「社会復帰?・・・・・・」

=

「あの、主婦だって、十分社会に参加してるんですけど・・・・」
社会復帰、という由加里の言葉に、君枝はふざけたようにそう抵抗してみる。
「ごめん、そりゃそうなんだけどさ・・・・・」
由加里は軽く謝りながら、アイスティーの入ったグラスをストローでかき回し、話を続けた。

「実はね、今お世話になってる会計事務所の所長の知り合いの人がさ、法律事務所やってるんだって」
「法律事務所?」
「うん。御茶ノ水か小川町かその辺にあるらしいんだけど。でね、そこが年末にかけてちょっと忙しくなるらしく、短期でいいからって人探してるらしいのよ」
「ふーん・・・」

「私が東大っていうのを知っててさ、うちのボス、で、優秀な女の子を探してくれって、お願いされちゃったのよね~」
魅力的な笑みを浮かべながらそう話す由加里の口調に、嫌味なトーンは全く感じられない。自分が東大卒ということに、彼女は何のコンプレックスも感じてないようだ。

「で、君枝のことを思い出したわけ・・・。杏子ちゃんがいるから難しいか、やっぱり」
「うーん、まあね・・・・・・・」
君枝はその由加里の提案について、少しばかり思案してみた。

確かに一人娘の杏子の世話はあるが、これは近くに住む和夫の母親に任せられないことはない。君枝はその義母とは、非常にうまくやっていた。義母は最近では毎日のように家にやってきては、幼稚園から帰ってくる孫娘の顔を見るのを楽しみにしているようであった。

そんな義母の態度が、君枝には少しも苦にならなかった。好きに振舞っているようなその母親が、実はそれなりに気を使ってくれていることが、君枝には常に感じられたからだ。

1ヶ月程度であれば、幼稚園の送迎、そして自分が帰宅するまでの娘の相手ぐらい、義母は喜んで引き受けるであろう。そして「おやつ係」として忙しくしてきたPTAのほうも、年内は自分がメインになるような業務はなさそうである。

「うーん、娘やPTAはまあ、何とかなるかもしれないけどね・・・・」
好奇心はそれほど強いほうではない。君枝は、例えば趣味にしても限られたことを突っ込んでする性向を持っていて、新しい物事に対しては、昔から非常に腰が重いタイプであった。そんな自分が、その由加里の提案に対し前向きに考えていることに気づき、君枝は少しばかり驚いてしまう。

「11月の終わりごろから年内一杯でいいらしいんだけど。どう、君枝、やってみない? 君枝が引き受けてくれたら、私の株もかなり上がるんだけどな~」
「でも、その法律事務所ってどんな感じのところなの?」
「うーん、ちっちゃな事務所としか聞いてないけど。弁護士さん一人で切り盛りしてるみたいよ。私は会ったことないけどね・・・。うちのボスの大学時代の友人だから、年は40ちょっとなのかしら・・・」

「なるほどね・・・・・」
いつもの君枝なら、そんな提案は即座に拒否していたはずだ。しかし、そのときの彼女は、何か違う生活を覗いてみたいような気分でいた。それは川上との出会いと決して無関係ではない。君枝はしかし、はっきりとそう理解しているわけではなかった・・・。

「奥さんの体、もったいないな、和夫には・・・・・・」
ベッドの上、川上は幼馴染の妻の乳房を愛撫し、その先端を口に含みながら、耳元でそう囁きかけた。

大学時代、ゼミ仲間に勝手に応募されたミスコンテストで最終審査にまで勝ち残ったこともある君枝は、昔はそれなりに自分が綺麗であることを自覚していたようなところもあった。

しかし、結婚後、そんな気持ちを抱くような局面はほとんどなかった。異性と接する機会が格段に減った、ということがやはり大きかったのかもしれない。そんな人妻のプロポーションが依然として抜群なものであり、その色香が男を強くそそることを、川上ははっきりと君枝に教えてやった。

「こんなエッチな体して・・・・・、いやらしい奥さんだ・・・・・・」
そう言いながら、川上は君枝の濡れた秘所に手を伸ばし、そこを優しく刺激しながら、その美しい裸体が耐え切れずにくねるのを、じっくりと眺めた。そんな川上の態度が、君枝のどこかに記憶されている。

夫に独占させていた自分を、再び外の世界に復帰させたい、君枝は無意識のうちに、そんなことを思っていた。

=

「いいじゃないか、そろそろ君枝も外に出たいだろう・・・・・」
自分でさえ気づいていない妻の願望を見透かすかのように、夫である和夫はそう言って快く君枝に賛成した。

「結構稼げそうだな、法律事務所だったら・・・・・」
その話を堅苦しいものにしたくないのか、和夫はそんな風に面白おかしく口にした。
「どうなのかしら・・・。詳しくは由加里にも聞いてないけど・・・」

和夫の勤務する大手通信系企業は、激しい競争にさらされていたが、深刻な業績不安にまでは直面しておらず、まずまず順調といってよかった。給与も全く問題ないレベルで、妻である君枝が働く必要などない。和夫は敢えてお金の話を持ち出すことで、自分の本音をごまかそうとしていた・・・。

川上に訪問され、自分が見ている前でキスを強要された妻、君枝。あれ以来、妻の様子が、かすかに変わったような気がする。それは、直後のアジア出張から帰国した後、特に感じられた。単に自分の思い過ごしであるのかもしれないが、妻との間の距離感が微妙に変化したように思えてならない。

そんな妻が、1ヶ月とはいえ、外に働きに出たいと希望したことは、和夫のぼんやりとした不安を、音もなく掻き立てるものであった。

和夫は未だ、自分の出張中、川上が自宅を再訪し、妻と体を何度も交えたことを、勿論知らない・・・。

******

君枝が法律事務所で働き始め、既に4日目の朝だ。北千住駅の雑踏を背後で感じながら、君枝は車内のつり革に掴まったまま、背筋をまっすぐに伸ばして立っていた。凛とした雰囲気を感じさせるその女性は、とても娘が一人いる人妻とは思えない反面、人妻しか持ち合わせない性的な魅力を確かに漂わせてもいる。

「車内、大変混雑しております。中ほどまでお詰めください・・・」
ドアが閉まらないのか、なかなか発車しない車内に、車掌のアナウンスが流される。ぼんやりとそれを聞きながら、君枝はその日予定されている仕事を心に描いていた。

法律に関しては、大学1、2年の頃に少しばかり一般教養として民法をかじった程度の君枝であったが、その法律事務所での仕事は何とかこなせるものであった。

由加里から聞いていた通り、その事務所は小規模なものであった。代表者である弁護士、名前は大本と言い、年齢は43歳。そこは彼のワンマン事務所といってもよかった。

君枝はあくまで1ヶ月だけという、テンポラリーな立場で採用され、他に常時勤務するスタッフは2名だけだ。共に男性で、どうやらそこで働き、実地での経験を積みながら、将来的に司法試験の合格を目指しているらしい。

新御茶ノ水駅から徒歩5分程度の雑居ビルに構えられたその事務所で、君枝が任された仕事は簡単とはいえ、多岐に渡っていた。契約書、調査書のファイリング・作成サポート、内容証明郵便の準備、初日の午後からは早速簡単な法令調査まで指示された。

そして、大切なのは大本のスケジュール管理、及び接客業務だ。年末だからなのかよくわからないが、その事務所への来客、そして電話は頻繁であり、君枝はそれに忙殺されるといってもよかった。

「君枝さん、3時にこの会社の人が来るから、資料よろしく・・・」
大本は、初日から何の遠慮をすることもなく、君枝に次々に指示を下していく。それを的確にこなす君枝を見て、大本は、東大卒というその短期スタッフの有能さを再認識しているかのようであった。

もう、結構大変じゃないのよ、由加里・・・・・・
心の中でそんな文句を言いながらも、何年ぶりかのオフィスでの仕事は、君枝に懐かしさ以上の特別な感情を抱かせるものであった。何か弾むような気持ちを感じつつ、君枝は業務をこなしていった。

今日は外出するのよね、確か・・・・・・
大本からの指示を受け、今日の午後は新宿方面のとある企業を一人で訪問する予定であった。書類を届け、その内容を確認してもらうだけという簡単な役割であったが、それだけに訪問する必要が果たしてあるのかどうか、君枝は素朴な疑問を抱いている。

とやかく考えずにやればいいか・・・・
所詮、自分は1ヶ月だけの勤務を要請された身分である。余計な波風は立てず、ただ指示に従おう。動き出した車内で、君枝はそんな風に自分に言い聞かせる。

そのときであった。
・・・・・・・・・
タイトスカートの上、その人妻のヒップに確かな意志を持って触れてくる手があった。

君枝が朝、それを体験するのは、これでもう3日連続であった・・・。

=====

それは、毎朝、北千住駅の少し前から開始される儀式だった。今日で3日目、君枝の予想通り、この朝もまた、その手は黒のタイトスカートの上を這うように接触を試みてきた。

乗客が密着するように混雑した車内では、簡単には露見するはずもない。君枝が乗っているのは後方から2両目の車両。新御茶ノ水駅でエスカレーターを利用するのに都合がいいからである。

出勤2日目の朝から、その卑劣な行為は始まったのだが、君枝は敢えて乗車する車両を変更することはなかった。まさか連続して自分が狙われるとは思わなかったし、それに、その行為から逃げてしまうのが何故か嫌だったのである。

しかし、昨日も同じようにそれはあり、そして今朝もまた・・・。背後から伸びるその手は、手のひら全体で覆うように、人妻のヒップを優しく愛撫してくる。

最初は何かの間違いだろうと思ってみたが、その手には明らかに「意志」が感じられた。電車の揺れにあわせるように、少しずつ力が加えられ、タイトスカートの上から下着のラインを確認するかのような手つきで、表面を這い回り、そして揉みあげてくる。

ふざけないで・・・・・・・
君枝はそう思いながら、何とかそれに反撃を試みようと考えてみた。

北千住の人の流れで一旦は離れたが、再び混雑した車内で、その手の主は、君枝の背後の位置を確実にキープしたようだ。動き出した車内で、手の動きはゆっくりと再開されていく。

右手でつり革に掴まり、左手で傘を握り締めている君枝。地下に入った車内、外の景色を眺めるわけにもいかず、君枝は何かに集中するかのようにメガネの奥の瞳をそっと閉じる。

明らかに男の手だ。君枝が抵抗を示さないことをいいことに、それは昨日までとは異なり、より大胆な動きを見せ始めていた。柔らかな人妻のヒップを強く揉み、少しずつその手は下方へと降りていく。

何するつもりなの・・・・・・・
声をあげようと何度か思ったが、この混雑ぶりでは、犯人を特定することは容易ではないかもしれない。事実、つり革を掴む君枝の背後には、何人もの乗客が存在し、意図的ではないにせよ、その体を密着させてきている。自分の肢体に伸びてきている手が、果たして誰のものなのか、簡単には指摘できない状況であった。

瞳を閉じたまま、君枝はわずかに立ち位置をその手から遠ざけてみたが、無駄であった。男の手は美尻をしっかりととらえたまま、今度はその人妻の腿の内側辺りを撫で始めている。やがて、タイトスカートの裾にまでその指先を絡めてくるような気配が伝わってきた。

やめてってば・・・・・・・・・
君枝のそんな叫びをあざ笑うかのように、男の手は器用に、そして素早くタイトスカートの中に侵入を果たした。一気に伸ばされた手は、パンストの上から直に、人妻のヒップをいやらしく掴む。

駄目っ・・・・・・・・
その感触は、先ほどまでのものとは明らかに異なるものであった。直接、裸のヒップに触れられているような気分にさせられてしまう。男の冷たい手が、人妻の熟れた美尻の感度を確かめるように、下方から繰り返し揉みあげてくる。

満員で気づかれぬとはいえ、多くの客の前でスカートの中に全く見も知らぬ男の手の侵入を許している自分。ひょっとして、周囲の客にはこれを黙って見つめている男もいるのではないのか。衆人環視の中、自分が苛められているような気分になり、それが君枝の心を、妙な方向へと揺さぶっていく。

駄目よ、こんなことを許しちゃ・・・・・・
大学時代、君枝は何度か同じような被害にあったことがある。車内で男に精液をかけられた、という友人もいた。その都度、君枝は、男たちの持ち合わせたその不純さに、憤りを感じていた。

こんな男は徹底的に懲らしめればいいのよ・・・・・・・
君枝は今、その正義感を脳裏に思い起こしていた。今日ばかりはこの男を必ず拘束する。そう誓いながらも、手を伸ばしたり、振り向いたりした瞬間、男の手は素早く逃げ去ってしまうような気もする。

絶対に逃げられないところまでこの男をおびき寄せないと・・・・・
君枝は危険な賭けに出ることを決意した。しかし、男はそれに挑むかのように、人妻の美尻を更に強く刺激し、パンストの下、ショーツを引っ張り上げるような動きまで見せ始める。

あんっ・・・・・・・・
目を閉じたまま、思わず君枝は唇を噛み締める。

=

間もなく西日暮里というアナウンスが車内に流れる。この男は、君枝が新御茶ノ水で降りるということを知っているはずだ。昨日は湯島駅を過ぎたあたりで、その手は混雑の中に消え去っていた。

あと4駅という地点で、男は更にその行為を過激なものにさせていく。駅に停車している間は何もしないが、動き出した途端、それは素早く先刻の行動を再開させる。

パンストの上から人妻の美尻を揉み続けた手は、次第にその中心部へと進んでいく。下方にそれを伸ばしつつ、目指すべく場所を探すように、柔らかな二つの丘に割って入っていく。

いやっ・・・・・・・・
男の手が次第に秘所に伸びてくるのを感じながら、君枝はつり革を掴んだまま、耐え続けることを選択している。

あと少しだけ・・・
男の手をもっと先にまで侵入させ、完全に油断させたところで、それを拘束したい。君枝はそう考えながら、自分が打って出たその危険な賭けに何とか勝とうとしていた。しかし、君枝の感度のいい肢体は、そんな人妻の固い決意とは別に、確実に反応を示し始めている。

男の指先がゆっくりとその歩を進め、完全に自分の美脚の間に侵入したことを君枝は感じた。男を拘束するためには、そこから先にそれを誘導し、その卑劣な行為を決定的なものとさせたい。

しかし、君枝はそれが妖しげな危険をはらんだものであることもわかっていた。感度のいいヒップを男の手でたっぷりと揉まれ、君枝の美肉は既に潤い始めていたからである。

男の指先は遂にそこに到達した。パンストの上から、官能的な泉の存在をとらえると、その中にゆっくりと指先をねじこんでいく。

ああんっ・・・・・・・・・・
自分が罠にはめようとしている男の行為に、君枝は逆に翻弄されていくかのようだった・・・・。

******

保険業界でも一、二を争う某大手企業に勤務する大矢は、今年春、課長に昇格した。都心からはかなり距離があるが、念願であったマイホームも昨年完成、ローンを抱えながらも、幼い娘二人、そして妻と暮らす生活は、何一つ不満がないものといえた。

しかし、課長になってからの大矢の仕事は、なかなかにハードなものだった。これまでのように、現場の仕事だけに携わっていればいいというわけではない。口うるさい常務、部長などの役席者、そして部下たちとの間に立ち、両者の意向を尊重しながら舵取りをしていくことは、想像以上にストレスを感じるものであった。

大矢が特に頭を悩ませたのは、部下の個別評価だ。各自が設定した目標達成シート、他己評価、普段の勤務態度その他、様々な要素を踏まえ、昇給率、賞与額、そして昇格を決定していく。その過程では、複雑なシートのとりまとめ、入力作業、そして個別面談を数多くこなしていく必要があった。

人事部にでも配属されたかのようなこの作業に、大矢は多大な時間を割かれた。そしてその努力の結果は、部下たちの数多くの不満という形で戻ってきた。不公平、納得できない、というそれらの声を、聞く耳持たずの態度で強引に無視してしまうほど、大矢は図太い神経の持ち主ではない。

自分にはどうも部下をとりまとめるという資質はないのかもしれない。43歳の大矢は、そんなことを感じる時間が、最近とみに増えた・・・。

そんな憂鬱な日々が続くある朝、大矢は一人の女性に遭遇する。満員の車内、その長身の女性は大矢のすぐ目の前に立っていた。

メガネの奥の知的な瞳が印象的な整った顔立ち、身長170センチの自分とほとんど変わらないのではと思えるほどの身長に、スリムでありながら熟した肉付きをも示す抜群のプロポーション、そそるような長い美脚、大矢はその姿に体奥の何かが震えるような気になった。

ストレスのせいか、ここ最近、妻との交渉もほとんどない。女性への欲望を感じる余裕さえなかったと言っていい。

しかし、その朝の大矢は、かつてないほどの欲情を、その目の前の女に感じてしまった。それは、多忙な生活で影を潜めていた男としての本能が、一気に目覚めた瞬間でもあった。

気がついたときには、大矢は右手で、その女性の美尻の感触を確かめるように、ゆっくりと揉みあげていた・・・。

=

駄目だ、こんなことをしては・・・・・、犯罪行為だぞ・・・・・
自分の中の良心がそう叫び続けるのが確かに耳に届く。しかし大矢は、それをやめることができなかった。

昨今の報道で、電車内での痴漢行為に関するニュースに毎日のように接していた大矢だが、そんなものは自分とは一切無縁なものであると考えていた。それがどうしたことか、自分自身が今、そんな行為に及んでしまっている。

信じられない。いったい、俺はどうしたというんだ。仕事での悩みが日々深くなる自分が、その反動でこんなことをしているのか。しかしこの女性にはそんな俺の事情など関係ないだろう・・・・。

良心の叫び。だが、その女の魅力的な外見は、大矢にそんな能書きをだらだらと考えさせる余裕を与えるものではなかった。

次の日も、大矢はその女性を同じ車両に見つけ、行為に及んだ。そして今朝もまた・・・。自暴自棄になる自分をどこかに感じながら、大矢はその女に接近し、そして何かに取りつかれたように、その犯罪行為をエスカレートさせることだけを考えていた。

まさか、濡れてるのか・・・・・・・
北千住を過ぎた辺り、その女の秘所にまで指を到達させ、そこを指の腹で軽く押さえたとき、大矢は明らかにそれを感じ取った。パンストの上からでもはっきりわかるほど、その女の淫唇は潤い、もっとしてと言うように、男の指を誘っている。

感じてる・・・・・・・
そう考えながら、大矢は焦るように指の動きを加速させた。女が下車する駅が遠くないことを考えれば、時間をかける余裕などない。

しかし、そんな性急な男の態度にも、その女は確実に反応を示してくる。つり革につかまったその肢体が耐えかねるように動く頻度が、少しずつ増しているようだ。

大矢は指の本数を増やし、人妻のそこにそれを食い込ませていった。湿った感触を味わいながら何度もその先を往復させると、一気にパンストにまで女の愛液が伝わってくるのがわかる。

傘を持つ女の左手をふと見た大矢は、その細い薬指に指輪が光っているのに気づく。
人妻か・・・・・・
それは、妻帯者でありながら、こんな行為を犯している自分のことを想起させるものだった。

一瞬、大矢は我に返るような気になったが、しかし、動き続ける指先は、もうそれをやめようとはしなかった。それは、女の確かな快感を男に伝え、大矢を再び、犯罪者の姿へと変貌させてしまう。

濡れた美肉を刺激しつつ、大矢は更に自分の体を女に接近させた。密着するような格好になるが、この満員の車内ではそれを訝る人間など、いやしない。めくり上げたタイトスカートを自分の体で隠すように立ち、大矢は少しかがむような格好を維持したまま、その人妻への攻撃を続けた。

メガネの奥の瞳を閉じ続けるその人妻の表情が、淫らにゆがむのがわかる。唇を噛むような仕草を見せたかと思えば、逆に色っぽくその口を開け、息を吐くような動きを見せる。

絶対に感じてる・・・・・・・・
そう確信した大矢は、人妻のスカートの中、自分の右手を大胆にも前方に運んだ。そして一気に女の秘所にまで到達させ、今度は前からその刺激を開始する。

ぐじゅぐじゅという音が聞こえてしまうほど、その人妻の泉は潤っている。いつしか股間を硬くした大矢は、それを伝える義務があるかのように、腰をきつく人妻の美尻に押し付けた。

どうだ、奥さん・・・・・
スーツ越しに硬くなったものを、ぐりぐりと人妻のヒップにこすりつける。タイトスカートの下の右手は、更にその往復を加速させた。

もはや、何も構うことはない。大矢はそんな気分に覆われていた。後方から完全に体を密着させ、大矢はまるでその人妻をその場で犯しているような妄想を抱き始めている。気のせいか、その人妻は、そのヒップを後方に突き出すようなポーズさえ示しているようだ。

いいんだろう、奥さん・・・・・・
43歳の一流企業の課長は、もはや、完全にその人妻の肢体に溺れていた・・・・。

卑劣な痴漢行為がいったいどんなことを意味することなのか。勤務先、社会的信用、そして家族。その全てを失うことになる。文字通りの身の破滅に、自ら一歩ずつ近づいているという事実に、そのときの大矢が気づくはずもなかった。

=

調子に乗らないで・・・・・・・
揺れる地下鉄車内の中、男の執拗な指の攻撃が続いている。

背後からタイトスカートを捲り上げ、その下に堂々と侵入した男の手。人妻の美尻の隙間を強引にこじ開け、愛液で潤った恥ずかしい場所にまで、その指先は確かに届いていた。指の腹を繰り返し押し付けるような動きから、やがて、遠慮もなく、その立てた先端をぐいぐいとその泉に食い込ませてくる。

あんっ、駄目っ・・・・・・・
君枝は思わず息が乱れるのを感じてしまう。今、拘束しようと思えば、できないことはないだろう。男は完全にその警戒心を解き放ったかのように、ただ君枝の体を弄んでいるのだから。

男はもう、すぐ後ろに立っているはずだ。その腕をしっかりと掴みさえすれば、まず逃げることはできない。そう思う君枝であったが、何故か体が動くことはなかった。

早く・・・・、早く捕まえるのよ、こんな男・・・・・・・
周囲には目撃者だっているはずだ。それにしては、誰もこの男の動きを制止しようとしない。皆、黙ってこの行為を眺めているだけなのか。

しかし、こんな場面に遭遇した際、誰もが思うような行動をとれないのも事実である。君枝はそんな風に考え、他人の正義感を責めることはしなかった。幼少時代から超がつく優等生として成長してきたその人妻は、他人に頼るという感情をあまり持ち合わせてはいない。

自分で・・・・・、自分で何とかするのよ・・・・・・
そう決意を固くする君枝は、しかし、なかなか動き出せない。君枝が逡巡しているうちに、男の指の本数が増えたようだ。人差し指と中指を重ね合わせ、パンストを引き裂くような勢いで、乱暴に挿入を繰り返してくる。

恥ずかしいほどのそこの潤いが、君枝に感じられる。それは間違いなく男にも伝わっているはずだ。男の指の攻撃は更にエスカレートし、重ねた指を挿入し、中でぐるぐると動かすような行動をとり始めた。

やめてっ、そんなの・・・・・・・、あんっ・・・・・・・
つり革をきつく握り締め、漏れそうな吐息を懸命に堪えながら、君枝はいつしかあの夜のことを思い出していた。

川上と過ごした一夜の記憶、それは今も濃厚に自分の体奥に刻み込まれている。川上に体を奪われた後、君枝は夫である和夫に一度だけ抱かれた。それは夫がアジア出張から戻った日のことだった。

その夜、和夫は人が変わったように、激しく妻の体を求めてきた。
「あなた・・・・・・・、やめてっ、こんなところで・・・・・・・・」
娘が寝入った直後、和夫はキッチンにいる君枝に近づき、背後からその胸に手を伸ばした。激しくそれを揉みながら、体を密着させてくる。それは、その数日前、川上にされたのと、全く同じ行為であった。

「君枝、出張中、これをずっと思ってたよ・・・・・・・」
何かが変わった。君枝は、夫のその姿にそう感じた。もともと性に対して淡白であった夫、和夫。

寝室以外では決して自分を抱こうとしなかった夫は、川上が初めて訪問した夜、彼が去ったリビングで妻を押し倒し、荒々しくその体を求めてきた。幼馴染と妻が濃厚なキスを交わすのを目の前で見せつけられた直後のことだった。

そして今日もまた、キッチンで妻を強引に抱こうとする夫。川上の出現が夫の何かを変えたのだろうか。そんな風に戸惑う君枝のデニム、そしてショーツを強引に剥ぎ取った和夫は、妻をキッチンで立たせたまま、バックから焦るようにそれを貫いてくる。

「ああんっ!・・・・・・・」
「どうだ、君枝・・・・・・」
「あんっ・・・・・・、ああんっ・・・・・・・」

最初から激しく腰を突き出してくる和夫。自らの喘ぎ声を聞きながら、君枝は、川上との出会いで変わったのは夫だけではないことに気づく。自分もまた、明らかに以前と同じではない。いつも以上に激しく興奮する夫に対し、君枝は限界まで濡れることはなかった。

「ああ、出すぞ、君枝・・・・・・・」
「あんっ、駄目っ・・・・・・、まだ、駄目っ・・・・・・・・」
いつもと変わらず、挿入後間もなく、和夫はあっけなく果てた。絶頂の予感を味わうこともなく、君枝はただ夫の放出を許すしかなかった。

川上との一夜のことを知らぬまま、自分を抱いた夫。夫のその行為は、しかし、川上の記憶を君枝から消し去ることはなかった。それどころか、より濃密にそれを思い出させてしまうのだった。

=====

夫に抱かれたことで、更に鮮明に想い起こした川上との行為。

君枝はその記憶を、これまで意図的に封印してきたつもりだったが、まさか朝の通勤電車の中、卑劣な男の犯罪行為によってそれが一気に決壊してしまうとは思ってもいなかった。そんな自分に激しく戸惑いながら、君枝はその妄想を停止させることができない。

いやっ、こんなの・・・・・・・
男の指先は、いつしか川上のペニスへと変貌している。重ねた指が濡れた美肉を突き上げるように刺激する度に、君枝は全裸の自分が川上に犯されている姿を想像した。

深夜、夫のいない自宅で、君枝は川上と何度も体を重ね合わせた。最初は抵抗を示していたその人妻は、やがて男の技巧に屈服し、悦びの声を少しずつ漏らし始めていく。夫が教えてはくれなかった世界へ、君枝は初めて導かれたのである。

寝室、浴室、リビングで・・・。川上の欲情は尽きることがなかった。

そのとき、君枝は、玄関脇の靴箱に全裸のまま両手を突くように命じられていた。素直に従う人妻の腰のくびれを引き寄せ、川上はバックから、その夜何度目かの挿入を果たす。

「ああんっ!・・・・・・・」
静まり返る深夜の玄関口に、人妻の官能的な叫びが響く。小さな姿見に、全裸の自分の姿が映っているのがわかる。背後から襲いかかっているのは、夫とは別の男だ。

背徳の光景に君枝は激しく濡れる。真面目な少女時代を過ごしてきた自分への償いをするかのように、その人妻は立ったまま夫以外の男を受け入れ、何度も淫らな声をあげた。

「あんっ・・・・・・、ああんっ・・・・・・・・」
「どうだ、奥さん・・・・・・・、またイカせてもらいたいか・・・・・・・」

その夜、挑発的な言葉を放っていたのは君枝のはずだった。立場が完全に逆転し、主導権を握った川上は、見下すような口調で、幼馴染の妻にそう声をかける。焦らすように腰の動きをやめたかと思えば、思い出したように強くぐいっと突き出す。

「あんっ!・・・・・・・、ああっ、駄目っ・・・・・・」
「どうなんだ、奥さん・・・・・・」
「好きに・・・・・・、好きにすればいいわ・・・・・・・」

屈服したことを認めないかのようなその君枝に、川上は余裕を感じさせるようにわずかに笑みを浮かべる。

「じゃ、遠慮なくそうさせてもらおうか・・・・・・」
腰を沈めた川上が、本格的に腰の往復を開始した。後方に美尻を突き出した君枝は、すがるように靴箱の壁面に両手を伸ばす。ガタガタと靴箱を揺らすほどにバックから激しく突かれ、それを確認するように、君枝は無意識のうちに姿見の中を覗いてしまう。

「どうだ、奥さん・・・、いい顔してるのが自分でもわかるだろう・・・」
「あんっ・・・・・・、ああんっ・・・・・・・・」
「旦那以外の男としてるところを鏡で見るのはどんな気分だ?・・・・」
「いやんっ・・・・・・・、駄目っ、言わないで・・・・・・・・」

君枝の両肩を掴み、川上は更に腰を強く突き出していく。夫以外の男に奥深くまで挿入を許し、君枝は顎をあげ、一気に絶頂にまで昇りつめようとする。

「早くイキたいんだろう、奥さん・・・・・・・・・・」
「ああっ、早く・・・・・・、早くしてっ・・・・・・・・・」
「どうだ、こんな風にか?・・・・・」
「あんっ、・・・・・・、もっと・・・・・・、もっと激しく・・・・・・・」

男を非難するような口調で、素直な快感を口にし始めた君枝は、その後も何度も絶頂に導かれた。

そして今・・・・。朝の通勤電車の中、君枝はあの夜の自分に完全に成り代わっていた。
あんっ、もっと・・・・・・、もっとして・・・・・・・
目を閉じたままつり革を掴む君枝は、川上に、いや、背後に立つその犯罪者に、更なる行為を要求している。

=

タイトスカートの下、男の手がいつしか前方にまわされていることに君枝は気づいた。つり革に掴まって立つ女性が、背後の男にそんな風に手を侵入させられていることに、目の前の椅子に座る乗客たちは全く気づいていないようだ。

もっとも、どの客も目を閉じたまま、眠っている風に見える。一瞬、周囲を観察する余裕を感じた君枝に襲い掛かるように、男の手は前方からの攻撃に激しさを増していった。ぐっしょりと濡れた秘所に、重ねた人差し指と中指を、パンストの上からぐいぐいと突き入れてくる。

ああんっ・・・・・・・
男の指なのか、川上のペニスなのか、もはや判断ができないほどに、君枝の肢体は熱くなっている。男は更に親指を器用に駆使し、人妻の敏感な突起を刺激し始めた。陰唇の中を掻き回されながら、恥ずかしく勃ったものを、男は弾くようにいじめていく。

いやっ・・・・・・、そこは駄目っ・・・・・・・・・
男の指がぐいぐいと突き出されるのに合わせるように、自分の肢体がかすかに反応をしてしまうのに君枝は気づく。メガネの奥の瞳は閉じたまま、懸命につり革に掴まりながら、君枝はわずかに顎をあげるような仕草を見せてしまう。それを確認したのか、男は更に指を激しく動かし始めた。

ああっ、そんな激しくしないでっ・・・・・・・・
それは、挿入した川上が、最後のスパートをかける姿を、君枝に想起させるものだった。まるで男の肉棒のように、タイトスカートの下で、男の指はずんっ、ずんっ、と、濡れた部分を突き上げてくる。漏れそうな声を懸命に抑え、君枝は快感の波に翻弄され始めた自分を、何とかその場に留まらせようとする。

早く・・・・・・、早く捕まえるのよ・・・・・・
しかし男の行為は更に人妻を追い詰めるだけであった。前に回したその手の刺激があまりに巧みで、君枝はいつしか、少しずつ美尻を後方に突き出すような格好になっていく。

男は完全に背後から密着するように、その人妻へアプローチを仕掛けてきた。タイトスカート越しに、君枝は押し付けられた男の体の感触を確かに感じる。

いやっ・・・・・・・
それはまるで君枝の裸体に挿入してくるかのような勢いで、その存在を誇示してきた。密着する男の下腹部に、君枝は硬直した男のものの存在をはっきりと認める。

あんっ、硬い・・・・・・・・
男は硬直したそれを、スーツ越しにぐりぐりと君枝のヒップにこすりつけるように、密着させてくる。そして、スカートの下では何本もの指で、愛液で濡れた秘所を突き上げ続ける。

あんっ、駄目っ・・・・・・、そんなことされたら・・・・・・・・
川上が耐え切れないような表情をして、汗を滴り落としながら、激しく腰を振る姿が君枝の瞼の裏に蘇る。

「イっていいんだぜ、奥さん・・・・・・・」
「あんっ・・・・・・・、ああっ、もう・・・・・・・・・・・」
「どうだ・・・・・・・、イキたいんだろう、本当は・・・・・・・」
「あんっ、駄目っ・・・・・・・、ああっ、イキそう・・・・・・」

そんな風に声を漏らしたあの夜の記憶。君枝は今、車内の男によって、確実に絶頂にまで押し上げられようとしている。

ふざけないで・・・・・・・、駄目よ、そんなの・・・・・・・
君枝は自らの欲望に必死に抵抗した。熱を帯びた肢体を懸命に支えながら、何とかそこに立ったまま、それが行き過ぎるのをただ待とうとしている。

もはや、電車がどこを走っているのかもはっきりとはわからない。この男を拘束せねばという強固な意志も、どこかに消え失せてしまったかのようだ。

それは男にも伝わったのだろうか。男はその行動を更に大胆なものに転化させていった。君枝と同様、その男もまた、もはや周囲の状況を把握できるような心理状況ではなかったのかもしれない。

右手をタイトスカートの中に入れたまま、男は左手をその攻めに参加させてきた。それは背後からゆっくりと伸び、君枝の脇腹のあたりに触れた。そして、人妻を抱き寄せるような仕草を見せながら、黒いジャケットの下、胸の膨らみのふもとにまで達する。

=

やめてっ・・・・・・・
ふわふわと快感の中を漂っていた君枝は、その男の大胆すぎる行動をどうすることもできなかった。はっきりとその腕を伸ばし、シャツの上から君枝の乳房を撫で始めた男。その感触が、胸の丘陵の先端に伝えられ、君枝の快感は更に濃厚なものになってしまう。

ああんっ・・・・・・
瞳を開けば、男の腕がはっきりと確認できる。ベージュのスーツを着た、会社員風の男の腕だ。それが今、車内で自分の乳房を堂々と愛撫し、そしてタイトスカートの下の指の攻撃もやめようとしない。周囲の視線を感じ、君枝はどうしようもない興奮に陥っていく。

駄目っ・・・・・・、駄目よ、こんなこと・・・・・・・・
君枝は完全に背後の男にその肢体を預けていた。つり革を握ったまま、君枝は男に抱きかかえられるような格好で、体を弄ばれている。胸を揉みしだくその力は、次第に強いものになっていく。感じやすいその美乳を攻められ、君枝は明らかに息を乱し始めた。

やめてっ・・・・・・・、あんっ、いやっ・・・・・・
柔らかな人妻の美乳を揉みしだき、男は更にぐりぐりとその下腹部を押し付けてくる。その硬直したものを、君枝は体奥のどこかで自分が欲していることに気づく。男は君枝の陰部の突起を、再び激しく刺激した。指の先端で何度も弾き、そして転がしてくる。それは、君枝の興奮を一気に限界にまで押しやるものであった。

あんっ、イッちゃう・・・・・・・・・・
接近する男は、もうその息が感じられるほどの距離にいた。すぐ後ろに男の顔があるのを感じ、君枝は喘ぎ声を察知されることを恐れる。唇を噛みながら、君枝がぎりぎりのところで耐えているとき、男が突然君枝の耳元で囁いてきた。

「イッてください、奥さん・・・・・・・・」
妙に優しげな口調だった。それまでの卑劣な行為をする人間とは思えないほど、控えめなトーンで、男は言葉を重ねてくる。

「さあ、奥さん・・・・・・、我慢しないで・・・・・・」
男のその言葉に操られるように、君枝はかすかな声を通勤電車内で初めて漏らしてしまう。

「あんっ・・・・・・・・・・」
「奥さん、気持ちいいんでしょう・・・・・・・・」
男はそう言いながら、腰を振るかのように、その下腹部を何度も君枝の美尻に押し付けてきた。

「ああっ・・・・・・・・」
「一緒にイキましょう、奥さん・・・・・・・」
ああっ、イキそう・・・・・・・・・
追い詰められた君枝は、川上に激しく腰を打ちつけられている姿を想像していた。

「奥さん、さあ、目を開けるんだ・・・・・・・」
あの夜、川上はベッドの上で絶頂寸前の人妻にそう囁いた。その声が、君枝の耳に再び届く。それに従うかのように、無意識のうちに、君枝はメガネの奥で閉じていた瞳を開いた。

不思議なことに、その瞬間、妄想で抱いていた川上とのあの一夜の記憶が消え去った。地下鉄千代田線、いつもの通勤風景だ。君枝の脳裏に、車内で痴漢に精液をかけられた、という学生時代の友人の声が蘇った。

「やめて・・・・・・・」
君枝は前を見据えたまま、背後の男に小さくそう声をかけた。
「たまってるんだろう、奥さん・・・・・・・・」
少しばかり焦るような声色でそう言葉を返した男の腕を、君枝は信じられないほどの強い力で掴んだ。

「やめさないって言ってるでしょう!・・・・・」
その声は、満員の車内に面白いように響き渡った。一斉に乗客の視線がこちらに注がれるのがわかる。強い口調でそう言い放ち、自分を睨みつけるその人妻の前で、大矢はその時初めて自らが犯した罪の重さを悟った。

=

新御茶ノ水駅、改札そばの駅員待機場所で、君枝はその被害状況を具体的に話していた。

北千住駅の前あたりから接近した男に、ヒップを撫でられ、スカートの中に手を挿入され、陰部を指で執拗に弄られたこと。そして最後にはシャツの上から乳房を何度も揉まれたこと。

「あなた、どういうつもりだったんだ、いったい・・・・」
パイプ椅子に力なく座る加害者、大矢に対し、JR御茶ノ水駅前の交番から駆けつけた警官が、半ば呆れたようにそう問いただす。年配のその警官は、こうした事例には毎日のように接しているらしい。

「申し訳ないです、本当に・・・・・・・」
男が、有数の保険会社の課長であることに、君枝は少しばかり驚いていた。43歳のその男には、家族もあるらしい。だからこそ、君枝には許すことができなかった。

「いい会社勤めてるのに・・・。新聞載っちゃうかもよ、おたく・・・・」
警官はそう言いながら、その打ちひしがれた男に対し、決定的な宣告をする。
「東京都迷惑防止条例違反、午前8時48分、現行犯逮捕だ・・・」

その後、1時間以上にもわたり、君枝は警官に詳しく事情を説明した。大矢と名乗るその男は、全くそれに反論することはなかった。

「恐らく勤務先は解雇されるでしょうな・・・・・・」
聴取がおわり、大矢を残して去ろうとする君枝に、その年配の警官は世間話でもするような口調で言った。

「馬鹿なことをしたもんだ・・・・。これまで積み重ねてきたものが、一瞬で消え去るんですからな・・・・」
「え、ええ・・・・・」

君枝は、何かやりきれないような気持ちを抱いたまま、その場を後にした。あれほどの卑劣な行為を決して許すわけにはいかない。

何故あの男は全てを捨て去るリスクを冒してまで、痴漢という犯罪に手を染めてしまったのか。仕事のストレスが相当なもので、というような説明が、男の口からなされたことを、君枝は思い出す。

しかし、あの男は3日連続で自分を狙ってきた。誰でもよかった、という訳でもないらしい。君枝は、何か自分があの男の転落を助長してしまったような気分に襲われた。

しかし、やりきれない気持ちというのは、それだけではない。拘束できるところまでおびき寄せるという名目で、君枝はぎりぎりの段階にまであの男の行為を許した。そして、絶頂寸前にまで快感を得てしまった。君枝はそんな自分に、どうしようもなく戸惑っていたのだ。

「じゃあ、どうすればよかったって言うのよ・・・・・」
君枝は声に出して、自分にそう言い聞かせた。とにかくあの男を警察に突き出すことができた。それだけで、ただ満足するしかないだろう。君枝はそう思いながら、地上への階段を歩いていく。

既に事務所には痴漢被害にあったこと、そして事情説明のためにかなり遅くなってしまう旨、電話連絡をしてある。出社が早い大本と直接話ができ、素早く状況を理解してもらった。

その事務所へ向かおうとする君枝だが、不安定な気分をまだ拭い去ることができなかった。駅に接するように、いくつかのレストランが入ったモールがある。朝ということもあり、大半の店は閉まっており、通勤に急ぐ人たちがただ足早に歩き去っていくだけだ。

少しばかり心を落ち着かせようと、君枝はそのモールの化粧室に向かうことにした。個室に入り、タイトスカートを下ろした君枝は、パンストそしてショーツがぐっしょりと濡れていることに改めて気づく。

やだっ、こんなの・・・・・・・
用を足し、服装を整えた後も、君枝は何故かそこから立ち上がる気分になれなかった。便座の蓋を下ろし、そこに座った君枝は、そっと瞳を閉じる。

「イってください、奥さん・・・・・・」
車内でそう囁いてきた大矢という男の声が、君枝の耳に再び届く。

「さあ、我慢しないで・・・・・、一緒にイキましょう・・・・・」
トイレの個室の中、君枝は自分の気分が不安定であることの本当の理由がやっとわかった。車内で絶頂直前にまで昇り詰めながら、君枝は達することなく、男を拘束することを選択した。

満たされぬ性の欲求が、体奥に未だ存在しているのだ。自分の肉体が快感を激しく求めていることを感じ、瞳を閉じたまま、君枝は背後の水洗タンクにもたれかかる。そしてタイトスカートをめくりあげ、しなやかな右手をその中に侵入させていく・・・・。

=====

「あんっ・・・・・・・・」
メガネをかけたその人妻の清楚な表情が、淫らに歪む。瞳は閉じられたままだ。公衆トイレの個室という場所で、君枝は今、満たされない欲情に押し切られるかのように、タイトスカートの下に右手を侵入させている。

「どうです、奥さん・・・・・・、気持ちいいでしょう・・・・」
車内で遭遇した痴漢が、耳元でそう囁くのが聞こえる。男にされたように、君枝はパンストの上から、重ねた指を激しくその奥に突きいれた。瞬く間にその潤いを回復した人妻の美肉が、吸い付くようにそれを迎え入れ、たまらない快感を君枝に与えていく。

「ああんっ・・・・・、ああっ、駄目っ・・・・・・・・」
「奥さん、濡れてますよ、こんなに・・・・・・」
そう告げながら、男の行為は更にエスカレートしていく。君枝は急速に乱れる吐息を感じながら、更に激しく指を往復させた。親指では、硬く勃った箇所を、何度も弾いてやる。

「あんっ・・・・・・・、ああんっ・・・・・・・」
「痴漢されてるのに、感じてるんですか、奥さん・・・・・・・」
「違う・・・・・・・、違うわ・・・・・・・・」

君枝は男にそう抵抗する自分を妄想しながらも、現実には、あんっ、あんっ、と小さな喘ぎ声をその個室内で漏らし始めている。

「これが邪魔ですね、奥さん・・・・・」
男はそう言いながら、君枝のパンストを乱暴に引き裂いた。タイトスカートの下、音を立ててそれが剥ぎ取られるのを君枝は感じる。

「いやっ、そんなの・・・・・・・・」
トイレで座ったまま、自らのパンストを引き裂いた君枝は、ショーツの脇から、重ねた指を直接その泉に挿入した。

「あんっ!・・・・・・・・」
「すごく濡れてますよ・・・・・、いやらしい奥さんだ・・・・・」
男のそんな声がまた君枝を包みこむ。どうしようもなく肢体が熱く、そして湧き出る愛液も同じように熱を帯びているようだ。

トイレで座ったまま、淫らに美脚を広げる人妻、君枝。いつしかシャツのボタンを外し、左手でブラの上から美乳を愛撫している。

「奥さん、柔らかい胸ですね・・・・・・」
「あんっ・・・・・・・」
「いいでしょう、こんな風にご主人以外の男に揉まれるのも・・・・・」
「ああっ・・・・・、あんっ、気持ちいい・・・・・・・」

大矢に車内で襲われることを妄想し、トイレ内で自慰行為に耽る君枝。しかし、彼女は、それまでそのように自らを慰める行為に淫したことなど、ほとんどなかった。

真面目に育て上げられた彼女は、そうした行いとは無意識のうちに距離を置いていた。川上に激しく犯されたあの夜以降も、君枝はその記憶を何度も想い起こしたが、それでも自慰行為にまで発展させることはなかった。

そんな自分が、今、公衆トイレでこんなことをしている。自分はもう、明らかに以前の自分ではない。君枝は改めてその思いを強くし、そして早く絶頂に達することを求めた。

「奥さん、入れちゃいますよ、これを・・・・・・・」
つり革に掴まった君枝のタイトスカートをめくりあげ、大矢はバックから、己のものを人妻の濡れた淫唇に強引に挿入する。

「ああんっ!・・・・・・」
「どうですか、奥さん・・・・、入ってますよ・・・・」
「ああっ、凄い・・・・・・・」
「ご主人とどっちがいいですか、奥さん・・・・」
「あんっ・・・・・・・、ああんっ、言わないでっ・・・・・・・・」

激しく腰を突きながら、大矢は立ったまま君枝を犯し続ける。その妄想を抱いたまま、君枝は美肉への指の挿入を更に加速させた。ずり落ちたブラから、形のいい乳房が顔を覗かせている。その硬い先端を刺激しながら、君枝は車内で陵辱されている自分が、一気にオーガズムに達してしまうのを感じる。

「あんっ、イキそう・・・・・・・、もう、イッちゃう・・・・・・・・」
「奥さん、ご主人よりも気持ちいいみたいですね・・・・・」

そう言いながら、大矢は猛烈なスパートをかけた。あんっ、あんっと声を出しながら、君枝は両手でつり革に必死に掴まっている。いやらしく美尻を後方に突き出し、黒いタイトスカートの下、引き裂かれたパンストがその眺めの淫らさを増している。

「ご主人はこんなことしてくれないでしょう、奥さん・・・・・」
「ああっ、駄目っ・・・・、あんっ、イッちゃう・・・・・」

「さあ、奥さん、一緒に・・・・・、一緒にイキましょう・・・・・・」
最後まで冷静なその大矢の声に、君枝は逆に興奮を煽られた。妄想に翻弄されたまま、その人妻はトイレの個室内で一人、肢体を震わせ、そして最後の叫びをあげる。

「ああっ、イクっ・・・・・・・・、あんっ、イクっ!・・・・・・・」

=

君枝が法律事務所に到着したのは、結局午前11時を少し回った頃であった。

「大変だったようだね・・・・・」
それほど広くはないその事務所の一番奥に大本の机はあった。

すぐそばの窓からは、秋葉原の電気街という、仕事の疲れを癒すにはあまり適さない眺めが確認できる。その机に座り、ノートパソコンを見つめていた大本は、出勤してきた君枝に対し、そう声をかけた。

「すいません、ご迷惑をおかけして・・・・・」
大本の机の横に立ったまま、君枝は詫びるように軽く頭を下げた。

「で、大丈夫なの、君枝さんは・・・」
「は、はい・・・・、何とか・・・・」

そうか、とつぶやきながら、大本は肘掛のついた回転椅子にもたれ、その痴漢被害にあったという人妻の肢体を改めてじっと見つめた。

事務所入口には受付用の小型机と呼び鈴が置かれ、巨大なパーテーションで内部は確認できないようになっている。中には応接スペース、その奥に男性スタッフ2名、そして君枝が使用する机が島となって配置され、更に仕切りを挟んで大本の机がある。

座ったままの大本は、躊躇する様子もなく、君枝に話を続ける。
「うちの事務所もね、痴漢の案件が最近増えてるんだ・・・・」
「そうなんですか・・・・」

「ああ。まあ、これは個人的な考えだけど、加害者は大抵勘違いしているケースが多い・・・・」
「勘違い?・・・・・」
立ったままの君枝が、少し訝しげに大本の顔を見つめる。

「そう、勘違い。つまりね、女性にも痴漢願望がある、って勝手な思い込みをしている」
「随分と身勝手な考えですね、それは・・・・・」
「妄想と現実は違うってことを、男は理解していないんだな」
「妄想と現実・・・・・・・・」

「そう、妄想と現実。妄想では痴漢をされたり襲われたりすることを、時には欲してしまう。こんな女性も確かにいないことはない・・・。違うかな、君枝さん?・・・・」
「え、ええ・・・・・・」
際どい話を堂々と展開していく大本に圧倒され、君枝は自分がそんな女であることを認めるような言葉を思わず口にしてしまう。

ついさっき、痴漢行為を犯した大矢に体を奪われることを妄想し、自分を慰めたことを、目の前の上司に見透かされているような気分になり、君枝は体が再び熱くなるのを感じる。

「でもね、現実にそうされたいかって言うと、そんな女性はまずいない。あくまで妄想の中でされたいだけなんだよ。だから、男だって、同様に自分の妄想で完結させればいいだけの話なんだ・・・」
「そうですね・・・・」

「そんな当然の原則を理解していない馬鹿な男が、痴漢行為に走ってしまう。それで人生棒に振るんだからな」
「警察も、今日の男は会社解雇されるだろうって言ってました・・・・」

「後悔し切れないと思うよ。こういう話は一気に広まるからな。家族も後ろ指さされるし、再就職だって難しい。最近は初犯のケースでも相当に重い罰則が課されている。とにかくその男は血迷ったとしか言いようがないね・・・・・」

これほど饒舌な大本を、君枝は勤務4日目にして初めて目にした。正義感溢れたその口調ではあったが、しかし、君枝は何かそこにひっかかるものを感じる。隠された本音というか、裏の意図というか、何かそんなものを・・・。

「ところで今日の午後のアポは大丈夫だね。資料渡すから、ちょっとそちらで待っててもらえるかな・・・」
「わかりました・・・・・」

君枝はそう答え、自分の机に向かう。立ち去るその美しい人妻の後ろ姿を、机に座る弁護士は、何かを読み取ろうとするかのような視線でじっと見つめている。

=

「初めてお目にかかりますな・・・・・」
50代半ばと思われるその男は、君枝の姿を見るなり椅子から立ち上がると、歓迎するような口調でそう言った。

「お茶を二つ頼む・・・。その後は誰も部屋に入れんように・・・」
部屋の外にいる秘書役の若い女性社員にそう告げ、その男、鮎川は君枝を個室内の応接用ソファへと案内する。

その午後、君枝が向かった先は、新宿御苑近くにある中堅ゼネコン企業の本社ビルであった。大本の、書類を一式運んでくれ、という至極単純な指示に従うためである。

「営業企画部に鮎川さんという常務がいる。アポがとってあるから、これを渡してもらえませんか」
大本の要請はそれ以上でも、それ以下でもなかった。子供のお使いともいえるその内容のためだけに、接客、電話応対業務に忙しい自分を外出させるというのは、少しばかり妙な気もしたが、君枝は難しく考えず、それを受け入れた。

「それで、いつ入ったのかな、大本君のところには・・・・」
鮎川は弁護士である大本のことを気安く「君付け」で呼び、自分がかなり長い付き合いであることを匂わせる。大本は、この企業の顧問弁護士のような位置づけであるのかもしれない。

弁護士が乱立する昨今、事務所を構えるだけで顧客がやってくるような甘い世界ではないことは、君枝も知っていた。これほどの企業を顧客にすれば、大本は当然大切に扱っているはずだ。

「まだ今日で4日目なんです・・・・・」
秘書が用意した熱い焙じ茶には手をつけないまま、ソファに座る君枝は正面の鮎川にそう答える。名の聞こえたゼネコンの本社ビルだけに、そこは超がつかないまでも立派な高層ビルであった。

その27階にある営業企画部の一角に、常務である鮎川の個室は設けられていた。それほど広くはないが、机、応接セットが備えられた部屋で、常務という肩書きのこの男にここまでの部屋が用意されていることに、君枝は少し違和感を感じる。

「ほう、4日目ですか・・・・・」
「ただ、私、短期の採用なんです・・・・・」
「と言いますと・・・・・・・」
「人が足りないため、年内限定で勤務することになりまして・・・・」

「そうですか・・・・・、そりゃ勿体無いですな・・・・・・」
グレーのスーツをそつなく着こなしたその常務は、やや小柄な人物であった。身長は160センチ台半ばであろうか。しかし銀縁のメガネの奥で時折光るその細い目は、やはりゼネコンの企画部常務らしく鋭さを備えたもので、なかなか本音が掴み取れないようにも見える。

「大本君とはもう随分な付き合いになりますが、どの女性スタッフもお綺麗ですなあ・・・・・」
ゆっくりとお茶をすすりながら、鮎川は君枝を見つめている。

「今は、他に女性の方はいらっしゃいましたかな?」
「いえ、私だけかと思いますが・・・・・」
「そうですか・・・・・・・」

二人の間にちょっとした沈黙が訪れる。この鮎川という男に、自分が何か面接でもされているような気分になり、君枝はなかなか落ち着くことができない。

「えっと、お名前は・・・・、樫又君枝さんか・・・・・・・」
テーブルに置かれた君枝の名刺に手を伸ばし、鮎川はそれを記憶するかのようにゆっくりと口にする。

「君枝さんは、以前はどちらかにお勤めだったんですかな?」
嘘をつくわけにもいかず、君枝は勤務先であった金融機関の名前を素直に口にした。そして結婚のために5年前に退職し、それ以降はずっと家庭にいたことを説明する。

「ご結婚されているんですか・・・、とてもそうは見えませんな・・・・」
「い、いえ、そんなこと・・・・・」
「失礼ですが、おいくつですか、君枝さんは・・・・・」

初対面、それもまだ10分程度しか話していない女性の肢体を舐めるように見つめながら、悪びれることもなく堂々と年齢を訊いてくるこの男に、君枝は、かすかに心が乱される。そして少しばかり自分が緊張していることに気づく。

=

「もうすぐ30になりますが・・・・・・」
その質問に大いに戸惑っていることを故意に示すような口ぶりで、君枝は鮎川にそう言った。

「30歳の奥様ですか・・・・。お綺麗ですな・・・・・・・・」
鮎川はそう答え、またお茶を勿体ぶった仕草ですすった。そして目の前の人妻の肢体を視姦するかのように、黙ったまま眺め始める。居心地の悪さを感じた君枝は、早く用件を済ませてしまおうと、大本に依頼された書類を差し出した。

「本日はこれを持参いたしましたが・・・・・・」
厳重に糊付けされ、割り印がおされたその茶封筒を、鮎川は頷きながらも表情を変えることなく、君枝から受け取る。そしてその場で無造作にそれを開けると、中に入っていたA4の書類、約20枚ほどをパラパラと眺め始めた。

それが何を意味するものか特に大本からは聞いていないので、補足説明することもできず、君枝はただソファに座ったまま、目の前の鮎川の様子を観察している。

「ふむ・・・・・・」
思った以上に時間をかけて、鮎川はその書類の中身を検証している。思い出したように、君枝はテーブルの茶碗に手を伸ばした。予想通り、その焙じ茶はとうに冷えている。

「君枝さんはこれについて何か聞いていますか?」
冷たいお茶を喉に流し込む君枝に、唐突に鮎川が質問を投げた。
「い、いえ・・・・、全く聞いておりませんが・・・・・・」
「そうですか・・・・、ならば結構ですよ・・・・・・・」

その常務がかすかに安心したような色を顔に浮かべたのを、君枝は見逃すことはなかった。その態度に何か引っかかった君枝は、好奇心が赴くまま、鮎川に言葉をかける。

「何か裁判沙汰にでもなっているんでしょうか・・・・・」
この中堅ゼネコン企業の名前を、以前新聞で目にしたことがあるのを、君枝は鮎川と話をしている最中に思い出していた。

確か、高層マンションの建設に際し、地元住民から景観を乱すとの理由で訴えられ、全面的に争うというような記事であったはずだ。結果がどうなったのか、君枝は把握していないが、やはり同様の揉め事が発生しているのだろうか、という疑念がふと心をよぎったのである。

「いや、特に問題にはなっていません。まだ準備段階の話ですよ・・・」
封筒の中に書類を戻しながら、鮎川は言葉を濁すように、君枝に早口でそう答える。そして、それ以上君枝の追及を許さないかのように、強引に話題を変えた。

「ところで君枝さんはお子さんはいらっしゃるんですか?・・・・・」
「え、ええ・・・・、幼稚園に通う娘が一人おりますが・・・・・」
「ほう、幼稚園ですか・・・。やはりあれですか、幼稚園にお子さんを通わせている親御さんたちっていうのは、頻繁にお付き合いがあるものなんでしょうなあ・・・」

突然、妙なことを訊いてくるものだと感じながら、君枝はありのままにそれに答える。
「一緒のクラスであったり、送迎バスが同じであったりすれば、多少の交際はありますね。どれくらいそれが深いお付き合いかっていうのは、人それぞれだと思いますが・・・・・・」

「なるほど・・・・・」
「ただ、私はPTA役員もやっておりまして・・・・」
「PTA役員?・・・・・」
「ええ。頻繁に会合や行事がありますから、役員同士、皆さんと親密にやっています・・・・・」

「ちなみに何名くらいいるもんですかな、そのPTAというのは・・・・・」
「25名くらいでしょうか、私のところの場合・・・・・」
「25名・・・・・、そうですか・・・・・・、25名ねえ・・・・・」

そう繰り返しながら、鮎川は視線を君枝から逸らし、少しばかり考え込むような仕草を見せる。某中堅ゼネコン本社ビル、その役員個室で向かい合う鮎川と君枝。二人はまだ、自分達の間に存在する、ある偶然に気づいてはいない。

二人がそこで出会うというその偶然はあまりに奇妙なものであり、そしてそれは君枝を激しい渦に巻き込んでいくものでもあった。

=====

幼稚園、という単語に、鮎川が敏感な反応を示したことが、君枝の好奇心を刺激した。しかしそれを指摘しようとする君枝に隙を見せないかのように、鮎川は再び話題を強引に変える。

それは、その朝、通勤電車で痴漢に襲われ、その余韻を消し去ることが出来ず、公衆トイレの個室で一人、自慰行為に淫した人妻の肢体を、また熱くさせるものであった。

「もうお子さんはお作りにはならないんですか、君枝さんは・・・・・」
「えっ?・・・・・・・」
唐突な鮎川の言葉に、君枝は返す言葉を用意することができない。

「そんな見事な体をしていらっしゃる。ご主人が毎晩放っておかないでしょうな・・・・・・」
「そ、そんなこと・・・・・・・」

いったい何を言ってるの、この人・・・・
会社内とは思えないような会話を平然と展開する鮎川の視線から逃れるように、君枝はその美しい表情をわずかに俯かせる。

「30歳・・・。これからですよ、女性が本当に楽しめるのは・・・・・」
戸惑う君枝の様子を楽しむように、次々に意味深長な言葉を重ねてくる鮎川。

初対面の女性にこのような言葉を浴びせかけてくる男であることは、長い付き合いの大本であれば、当然知っているはずだ。しかし、今日自分を送り出す際、彼は君枝に対し、それを匂わすようなことは特に何も触れなかった。

敢えて、何の事前情報を与えないまま、自分を意図的にこの男のもとに送り届けたのだろうか。ある意味での接待として、重要顧客であるこのゼネコン企業の窓口役員を喜ばせるために・・・。おぼろげながらそんな事を考える君枝は、しかしその想像があまりに飛躍したものであることに気づく。

ともかく、もう用件は済んだのだ。大本が自分に託した意図が何であれ、これ以上、この役員に関わる必要もないだろう。そう考えた君枝は、鮎川の言葉を無視し、席を辞する気配を漂わせた。

「すいません、次のアポがあるので、そろそろ失礼しないと・・・・」
先方に非礼な態度であることはわかっていたが、君枝は自らそう切り出し、そしてその場に立ち上がろうとする。鮎川はそれを留める様子も見せず、あっさりと了解したような気配をその顔にたたえた。

「後ほどメールで連絡すると、大本君にお伝えください・・・・・」
出口ドアのほうに歩く君枝を見つめながら、鮎川はそう言った。

「わかりました。では・・・・」
心の乱れは全く感じさせない美しい微笑を浮かべ、君枝がそう言ってドアノブに自ら手を伸ばそうとしたとき、突然その部屋の主は意外な行動に出た。それは君枝にとって全く予想外の出来事であった。

「何するんですか・・・・・・・」
その人妻のスリムな肢体を鮎川は突然背後から抱き寄せ、そして両腕でがっちりと拘束したのだ。

「いいから動かないで・・・・・・・」
鮎川はそう囁きながら、更に腕の力を強めていく。自分の身長とほとんど同じ君枝をきつく抱きしめたまま、鮎川はドアの手前で動こうとはしなかった。

「次のアポなんてないんでしょう、君枝さん・・・・・・」
背後からそう囁く鮎川の声色は、先程までとは異なり、少しばかり野太く、脅迫めいたものであった。

「何をおっしゃるんですか、鮎川さん・・・・・・・」
「嘘までついて、ここから逃げ出したいのかな・・・・」
「そ、そんなこと・・・・・・・」
「いい体してますなあ、奥さん・・・・・・・」

鮎川はそう言いながら、左手でゆっくりと君枝のタイトスカート越しに熟れた美尻を撫で始めた。男が、名前ではなく、「奥さん」、と口にしていることに君枝は気づく。

「どういうつもりですか、いったい・・・・・・・」
顔を前に向け、まるでドアと話をするかのような格好で、君枝は強い調子でそう言った。

「うちと大本君の関係を考えたら、これぐらいのことはしてもお釣りがきますよ・・・・・・・」
ヒップを撫でながら、鮎川は更に君枝の肢体を自分に密着させる。そして素早く右手を君枝の胸元へ移動するとジャケットの下に潜り込ませ、シャツの上から人妻の美乳を捉えた。

「やめてくださいっ・・・・・・・・・」
シャツの上からとはいえ、乳房に腕を伸ばされ、君枝は一気に肢体が熱くなるのを感じる。それは、その朝、通勤電車の中で、大矢という痴漢にされたのと全く同じ行為であった。

=

「これ以上何もしませんよ、奥さん・・・・、しばらく触らせてもらうだけです・・・・」
そう囁く鮎川の息吹が、君枝の耳元に感じられる。加齢臭とでも言うのか、老いた男独特の匂いにすぐそばで接し、君枝は自分がこの男に密着されているという事実を改めて知らされる。

どうするのよ、こんなところ誰かに見られたら・・・・・・
このミーティングの前、鮎川が秘書役の女性に、「誰も入れないように」と指示を出したことを、君枝は思い出す。その女性もそれを全く不自然に捉えてはいないようだった。

最初からこんなことをするつもりだったのか。そして、この男はこうした行為を他の来客或いは女性社員にもしているのだろうか。思いを巡らせながら鼓動を早めていく君枝は、どうすることもできない。

「感度が良さそうな体だ、奥さん・・・・・・」
卑猥な言葉を並べ、鮎川は君枝への愛撫を続ける。時間をかけて美尻を撫で続け、そして乳房をシャツの上から揉みしだく。

その行為は単調なもので、何の抑揚も持ち合わせてはいなかった。しかし、時間が経過するにつれ、その単調さが自分を追い詰め始めたことに、君枝は気づく。変化のない鮎川のその行為は、それだけにかえって君枝の肢体に一定の刺激を確実に与えていくようだった。

「もうやめてください、鮎川さん・・・・・・・・」
君枝はそう言いながら、メガネの奥の瞳を閉じる。唇をわずかに噛み、君枝は早くその部屋を出ることだけを考えた。しかし、鮎川はそんな人妻をまだ解放する気はないようだった。

「このメガネがまたお似合いですな、奥さん・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「美しいお顔だ・・・・・」
「・・・・・・・・・」

「どうです、唇を奪われたいんじゃないですか、奥さん・・・・・」
「ふざけないで・・・・・・」
吐き捨てるような君枝の口ぶりに、鮎川は怒るどころか、逆に刺激を得てしまう。

「ほほう、勝気な奥さんですなあ・・・・・・」
次第にヒップの撫で方に力が与えられていくようだ。タイトスカート越しに人妻の美尻を強く揉み始めた鮎川は、君枝の反応を楽しむかのように、くねり始めたその肢体をじっと見つめている。

「どうですか、奥さん・・・・・・・」
「もうやめてっ・・・・・・・」
「お体が反応し始めたようですよ・・・・」
「いい加減なこと言わないでください・・・・・・・」

こんな男の行為に感じてしまうわけにはいかない。君枝は心中で強くそう思っている。ただ、服の上からとはいえ、乳房とヒップを同時に揉みしだかれるという状況は、決して楽観できるものではなかった。

かすかに乱れる息を感じ、君枝はそれを男に悟られないよう、懸命に整える。そんな君枝に、鮎川は妙な質問を投げかけてきた。

「知的なお顔をしてますが、奥さんはどこの大学ですか。都銀に総合職で勤務されていたとあれば、さぞ優秀なんでしょうな・・・」
「・・・・・・・」
答えようとしない君枝に対し、鮎川はそれが人妻の弱みであることを敏感に嗅ぎ取ったのか、更に質問を重ねる。

「どちらです?・・・、まあ、大本君に聞けばわかることですが・・・」
そんなくだらないやり取りを、この男と大本の間で交わされて欲しくはない。努めて冷静さを装って、君枝は鮎川に告げる。

「東大です・・・・・」
「東大?」
「ええ。東京大学です・・・・・・」

君枝のその言葉に、鮎川の言葉が詰まる。それが君枝に一瞬の痛快さを与えたのだが、しかし、そんな人妻の肢体に、男はすぐに反撃を加えていく。

「では、これは東大卒の人妻のおっぱいですな・・・・」
卑猥な表現を口にし、鮎川は君枝の美乳の先端を強くつまんだ。

「あんっ・・・・・・・」
君枝の口から思わずかすかな声が漏れ、わずかに後方の鮎川に肢体を預けるような格好になる。

=

いやっ、やめてっ・・・・・・
午前中の一連の行為のことが、君枝の脳裏に一気に蘇ってくる。背後の男にその肢体をいいように触られ、君枝は次第に自分の立場が危ういものになりつつあることを感じる。確実に息は乱れ始めている。男にそれがわからぬはずはない。

「ご気分はどうですか、奥さん・・・・・・・・」
「・・・・・・」

早く・・・、早くこの男から逃げないと・・・・・・。
しかしその小柄な体躯からは想像できないほどの力で拘束する男は、人妻の乳房を更に攻め立てる。シャツの上から乳首の位置を敏感に嗅ぎ取り、それをつまむように何度も刺激する。

「ああっ・・・・・・・・・」
「いい声だ、奥さん・・・・・・・・」
「違いますっ・・・・・・、そんなんじゃありません・・・・・・・」

人妻のわきの下から右腕を侵入させ、魅惑的な胸の膨らみを愛撫し、そして下方に伸ばされた左手で、タイトスカート越しに美尻を強く刺激する。その度に、人妻の肢体が、耐え切れないように反応を示すのがわかる。

「敏感なお体をしてますねえ・・・・・・」
「あんっ・・・・・・・」
「毎晩ご主人に可愛がってもらってるんですか、この体を・・・・」
「やめてっ・・・・、もうやめてくださいっ・・・・・・」

鮎川の科白に、君枝は夫とは別の男のことを想起してしまう。存分にその肉体を可愛がってくれたのは、夫ではなくその男、川上であった。あの夜、夫の幼馴染に激しく腰を突き出され、何度も昇り詰めた自分を思い出し、君枝は一気に淫らな気分に陥ってしまう。

「やわらかい胸だ・・・・・・」
「あんっ・・・・・・・、駄目っ・・・・・・・・」
なおも抵抗を見せる君枝の様子をうかがいながら、鮎川は声量を更に落とし、耳元でこう囁いた。

「どうです、奥さん、私のところで働きませんか・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「お金はいくらでも出しますよ、奥さんなら・・・・。大本君のところの契約が終わったら、どうですか、すぐにでも・・・・」

「・・・・結構です・・・・・・」
鮎川の提案を拒絶するために君枝が何とか搾り出したその言葉は、明らかに妖しい吐息が含まれたものだった。
「悪いようにはしませんよ、奥さん・・・・・・、どうですか・・・・・・」

どういうつもりなのか、この男は。会社内の個室、社外の女性を昼間から堂々と抱き寄せ、その肢体を弄ぶ男の下で、いったいどんな女性が働くというのか。

しかも、自分の出身大学を知ったことで、男のその要求は加速したかのようにも思える。そこまで考え、君枝は、何とか最後の抵抗を見せようと決意する。

「結構です・・・・・、お断りします・・・・・・・・」
少しばかり強い調子でそう告げながら、君枝は鮎川の腕をとった。そしてそれを自らの肢体から引き離しながら、後方に男の体を押しやろうと試みる。

人妻の抵抗など押さえつけようと思えばできたはずだが、鮎川は何故か、そうしようとはしなかった。乱れる服装を整えようとする君枝から自ら離れ、男は自分の机へと向かう。そして椅子に深々と腰を下ろしながら、ドア付近に立つ君枝に声をかけた。

「まあ、お時間をかけてお考えください・・・・・」
「私の気持ちは変わりません・・・。娘もいますし、長期勤務は難しいんです・・・・」
自らの肢体が解放されたことで、わずかに安堵を感じながら、君枝は椅子に座る鮎川にきっぱりとした口調でそう言った。

「まあ、ともかく・・・・、今度ここに来るときには、もう少し親密になりましょう、奥さん・・・・」
濃厚な未練を漂わせるかのようなその常務に対し、君枝は去り際の科白を投げつける。

「もうここに来る事はないと思いますが・・・・・・」
そう言うや否や、君枝はドアノブをまわし、その個室を飛び出した。力強くドアを閉めるその来客の姿を、秘書役の女性社員が驚いたように見つめている。

=

「後ほど、メールで連絡するとのことです・・・・」
事務所に戻った君枝は、大本にそう伝えただけで、自分が面談者に何をされたか、詳細な説明は敢えてしなかった。

所詮、自分は1ヶ月勤務するだけだ。今後、あの鮎川という男と関わりあうことはないだろう。それに、鮎川のことを熟知している大本なら、君枝がどんな仕打ちにあったのか、既に予想しているのではないか。

「綺麗な方ばかりですなあ、大本君のところは・・・」
確か、鮎川はそんな風な形容をした。恐らく、過去の女性スタッフに対しても、同じようなことをしていたに違いない。そこまで考えが至ると、君枝は何か情けないような疲労感に包まれた。

大本への報告が終わり、株主総会の議事録チェックで君枝が忙しくしていると、奥の机にいる大本の携帯が鳴った。パーテーションがあるため、直接見えないが、大本の声は君枝の耳にも届いた。

「チェックいただきましたか・・・・、えっとメールですね・・・・」
何となく、君枝はその電話の主が鮎川であるような気がした。
「いよいよ始まりますからね・・・・・、これで準備はほぼ・・・・」
抑えた声で喋っているため、途中から大本の声は聞こえづらくなったが、君枝はそれを漏らすまいと、少し衝立に近づいてみる。

「ええ・・・・。ただ問題は幼稚園です・・・、特に親が騒ぐのが・・・・」
幼稚園? 大本が口にしたその単語を、君枝は聞き逃さなかった。そういえば今日、鮎川は幼稚園のこと、特に親のことについて質問を繰り返した。君枝の頭に、ふとそのことが蘇る。

「事前にできることは・・・・、では、メール、お待ちしています・・・」
電話が終わった後も、君枝は大本と鮎川の話が何となく気になった。あくまで興味本位のレベルで、ちょっとした野次馬根性が顔を覗かせただけではある。ただ、二人が何かよろしくない相談をしていることは、君枝にも感じられた。「幼稚園の親が騒ぐ」という大本の表現が、君枝の耳元でこだましている。

「何を計画してるのかしら、あのゼネコンは・・・・・・」
君枝がそんな風に考えていると、それを邪魔するかのように来客があった。起業の相談がしたいということで、アポが入っていた男性だ。君枝は我に返ったように考え事をやめると、男性スタッフと一緒にその顧客に応対するため、椅子から立ちあがる。

欧州から子供用玩具を輸入したい、というその男性の話をいろいろと聞きながら、君枝は起業に必要な手続き、費用等を簡単に説明した。詳細は男性スタッフが行うため、君枝の立場はあくまでもサポート的なものだ。

「ドイツにユニークな幼児用自転車がありましてね」
「自転車、ですか?」
「木製でペダルがないんです。バランス感覚を自然に身につけて、あっという間に普通の自転車に乗れるようになるんですよ」

傍らでそんな話を聞いているだけで、世の中には多様な考えを持った人たちがいることを、君枝は改めて知らされる思いがした。

「君枝さん、じゃ、これをコピーしてお客様にお渡ししてあげて・・・・」
「はい、わかりました」
面談の途中、男性スタッフの指示に従い、君枝は起業フローがまとめられた用紙をコピーするため、接客スペースを離れ、大型のコピー機に向かう。

「あらっ・・・・・・」
コピー機に用紙を流そうとすると、既に紙がセッティングされている旨の表示灯が点滅した。誰かが用紙を忘れたようだ。君枝はコピー機の蓋部分を持ち上げ、そこに置いてある1枚の紙を手に取る。

「これって・・・・・」
それは大本宛に届いたEメールが印刷された用紙であった。発信者は鮎川、そして受信時刻は僅か10分程度前となっている。罪悪感を感じることもなく、君枝は一瞬、その中身を見た。そのとき・・・。

「失礼、忘れてましたね・・・・・・・・」
いつの間にか背後にいた大本が、君枝の肩越しにそう言った。
「あっ、これですね・・・・・・・・」
君枝は慌ててその紙を上司に差し出す。

「どうも・・・・・・」
そう言って、大本は何の不審をも抱かない様子で、パーテーションの向こうの自分の机へと戻っていく。

コピー機の前、君枝はしばらくそこを動けなかった。禁じられたものを見てしまったときに感じる罪悪感、或いは後悔の念。そんなものとは別に、そのときの君枝はもっと強い衝動を感じていた。

そのメールを一瞬見た際、そこにとある幼稚園名、そして住所が記載されているのに君枝は気づいた。それはどういう訳か、君枝の娘が通っている幼稚園だった・・・・・。

=====

「君枝さん、また鮎川さんのところに行ってくれませんか・・・・」
大本にそう指示されたのは、あれから数日後のことである。

頻繁に自分を行かせようとする大本の意図が、君枝にはわかっていた。自分をちょっとした接待として利用しようとしている。決して自惚れではなく、君枝は冷静な思考回路で上司の狙いをそう判断していた。

どうせあの常務が要請してきたに違いないわ・・・・・
断りたいのならそれでも構わないといった雰囲気を、大本は君枝に対して与えていた。先日の訪問直後の君枝であれば、迷うことなくその上司の指示を拒絶したことだろう。事実、「二度とこの場所には来ない」とあの男にも宣言したのだ。

しかし、コピー機で思いがけず、鮎川から大本宛のメールを見てしまった後では、君枝の考えは異なっていた。上司が置き忘れたあの用紙を偶然目にし、そこに自分の娘が通う幼稚園の名前を見つけたとき、君枝は驚きのあまり、その場で思わず固まってしまった。

君枝はその内容について大本に具体的に訊きたかったが、後ろめたさを感じ、踏み切ることはできなかった。そのメールの内容を盗み見したことを白状することになり、短期で採用されただけの自分がそこまで踏み込んでしまうことで、何か逆に弱みを見せてしまうような、そんな気がしたのだ。

「確かに娘の幼稚園だったわ・・・・・・」
その幼稚園はそれほど珍しくない名前であるのだが、鮎川から大本に送られたそのメールには、しっかりと住所も記載されていた。

「いったい何を計画しているのかしら・・・・・」
幼稚園付近で何か建設計画でもあるのだろうか。その幼稚園は、周囲に自然が多く取り残されていて、森の中にある幼稚園といってもおかしくないほどの環境にあった。

しかし、その辺りの土地は、市保有の管理地が多く、マンションなど、いわば私的な建造物はまず建つ事はない。環境問題がうるさい昨今、市内でも貴重な自然が残された感のあるそのエリアは、市が率先して保全していこうとしているのだ。しっかりと考えをまとめることもなく、君枝はアポをとるため、自ら鮎川に電話をした。

「もう、二度とこちらにいらっしゃることはなかったんじゃないですか、奥さん・・・・」
「いえ、あくまで仕事ですから・・・・・」
妙に絡んでこようとする鮎川を君枝はきっぱりとはねつけると、その日の午後、再び新宿の某ゼネコン企業本社ビルへと向かった。

同じ個室に案内された君枝は、鮎川と簡単な挨拶を交わす。先日の行為を決して許した訳ではないことを示すように、冷たい表情のまま、余計な会話はしない。鮎川もまた、意識的に君枝との距離を置いているようだ。獲物である人妻が、自らの意志でここを訪れた以上、慌てて手を出す必要もない、とでも言うように・・・。

「今回はこの書類です・・・・・」
前回の面談を再現するかのように、黒い革張りのソファに座った君枝は、テーブルを挟んで座る鮎川に、その茶封筒を手渡した。

「そうですか・・・・」
そう言いながら、鮎川はその封筒を手にするが、先日とは異なり、今日はそれを開封しようとはしなかった。そのまま無造作にテーブルの上に置き、君枝の姿をじっと見つめるだけだ。秘書を思わせるようなスーツに身を包んだ君枝、ストライプの入った黒いシャツ、ベージュのタイトスカートがなまめかしい。

「今日もまた色っぽい服装をしていらっしゃる・・・・・」
「・・・・・・・」
「あの日の夜、ご主人に体を求めたんじゃないですか?・・・・」
「そ、そんなことないですわ・・・・・・・」

「中途半端に終わって、体が火照って仕方なかったでしょう・・・」
「やめていただけますか、そんなお話は・・・・・・」
硬い表情のまま、君枝は鮎川をしっかりと見据え、そう答える。鮎川の言葉に、牝の本能が刺激されたかのように、体奥が僅かに疼くのを、君枝は感じている。

「女性はセックスで快感を得ることで、お綺麗になるといいます・・・・」
「・・・・・・・」
「さぞ、奥様はいい体験をされてきたんでしょうなあ・・・・・」
「いい加減にしてください、鮎川さん・・・・・・」

男の一言一言が、君枝の体を刺激していくかのようだった。川上に抱かれ、初めて絶頂を知ったことが、やはり自分を変えてしまったのか。鮎川に誘導されるように、君枝はそんなことを考えている。

=

セックス、快感、といった言葉を、まだ陽が高い時間というのに、社外の女性に平気で仕向けてくる鮎川。君枝はその男の態度に戸惑いながらも、一方で、淫らな光景を想起してしまう自分を感じていた。

川上との出会いにより知ってしまった性の快感を、いつしか自分が欲していることに気づき、君枝は混乱するとともに、それが全て目の前の男、鮎川に見透かされているような気分になってくる。

「こちらにまたいらっしゃったということは、私ともう少し親密になっていただけるわけですね・・・」
メガネの奥から細い視線を差し向け、鮎川は君枝にそう言った。

「あの、そういうつもりはありませんから、私・・・・・・・」
鮎川の視線から逃げることなく、君枝ははっきりと宣告する。

「ただ、少しお聞きしたいことがありまして・・・・・・・」
攻撃権を奪い返すように、君枝はそう言った。男を突き放しておきながら、向こうから接近を試みる人妻の姿に、鮎川はかすかな興奮を感じ取る。先日の姿以上に、その人妻の肢体は、官能的だ。

54歳になる鮎川は、業務上、これまで数多くの危ない橋を渡り、営業企画部常務にまで昇り詰めてきた。社内、一部役員からは寝業師とも称されるほどのその巧妙な策略は、犯罪行為といえるものも多くあり、狙った獲物は決して逃がすことがなかった。

土地、企業、役人・・・・。ありとあらゆる相手と渡り合ってきた彼は、勿論女に手をかけてきたことも数知れない。そんな鮎川にとっても、その人妻は圧倒されるほどの美貌、そして色気を兼ね備えていた。はやる気持ちを抑えながら、鮎川は君枝の言葉に答える。

「ほう、何を聞きたいんでしょうな・・・・・」
自分が許されない一線を越えようとしていることを、君枝は自覚していた。そして、それが本当に必要なアクションなのかどうかも、まだ確信はなかった。

しかし、心に引っかかる何かが、微弱な信号を発しながら、ずっと波風を立てている。幼少時からの性格上、君枝はそれをはっきりとせずにはいられなかった。

「大本と現在話し合われている件です・・・・・」
「・・・・・・・・」
「何か、幼稚園が絡んでいると聞いたのですが、具体的にどんな件なのでしょうか・・・・」

その人妻が何を知っているのかを確かめるように、鮎川は君枝の顔をしばらく黙したまま、見つめ続けた。そして、言葉を選びながら、ゆっくりと口を開く。

「何か、大本君から聞いたんですかな・・・・・」
「い、いえ・・・、ただ、常務がお送りしたメールを一瞬目にする機会がありまして・・・・」
手の内を知らせてしまったような気がしたが、既に遅い。わずかに当惑する君枝、しかしそれは、目の前の男もまた同じであった。

大本のやつ、どういうつもりだ、いったい・・・・・
しかし、その動揺を表面に出してしまうほど、鮎川は未熟なネゴシエーターではない。

「なるほど、メールをね・・・・・・・」
そうつぶやく男の頭に、1つの興味深いアイデアが浮かんだ。陳腐で子供染みたような気もしたが、鮎川はそれを実行に移すことに決める。人妻がどんな反応を示すのか、見てみたかったのだ。

「つまり、そのメールの内容がもっと知りたいと・・・・・」
「え、ええ・・・・・・・」
娘の幼稚園の名前が記載されていたあのメール。何故か、君枝はそれが気になってならない。

「ではお見せしましょう・・・・・」
「えっ?・・・・・・」
「昔からまわりくどいのは嫌いな性質でしてな。さあ、こちらへ・・・・」
鮎川はソファから立ち上がると、自分の机のほうに歩き出す。

「ここにお座りになって・・・。今、そのメールを画面に出しますよ・・・・」
君枝は男の意外すぎる行動に対応できなかった。鮎川は自分の机に座ってノートパソコンを直接見るよう、君枝に提案しているのだ。

「ほら、奥さん・・・・、遠慮なさらずに・・・・・・」
「え、ええ・・・・・・」
鮎川の考えなど、その時の君枝にわかるはずもなかった。ソファから立ち上がり、人妻はゆっくりと男の机に向かう。何かを予感させるかのように、その人妻の後ろ姿はやけに官能的なものであった。

=

「遠慮なさらずに・・・・・、これを見たいんでしょう・・・・・」
鮎川は机の脇に立ったままキーボードに手を伸ばし、画面を展開させていく。そして送信トレイから該当のメールを選択すると、それを躊躇することなく表示させた。

「さあ、奥さん、これですよ・・・・・・・」
立ったまま、男の行為を見守っていた君枝だが、ゆっくりとその机に近づいていく。

君枝は鮎川のアレンジを拒否することができなかった。わざわざそこまでセッティングしてくれた常務に対し、恥をかかせるわけにはいかない。そんな優等生的な考えが、この場に及んで頭をもたげている。

「では・・・・・・、失礼します・・・・・・・」
君枝はそう言いながら、背筋を伸ばし、そっと鮎川の椅子に座った。
「もっと深く腰掛けになって・・・・・」
「は、はい・・・・・・・」

肘掛がついた、大型の回転椅子である。男の指示するまま、椅子の奥にまで美尻を移動した人妻。役員にふさわしいその椅子の座り心地を味わうこともなく、君枝は緊張気味にPC画面の中を覗く。

これだわ・・・・・
事務所のコピー機に置き忘れてあったあのメールが、目の前の画面に表示されている。しかし、全体が確認できないように、そのメールは縮小されて表示されていた。無意識のうちに、君枝は机の上のマウスに手を伸ばし、それをクリックして拡大表示しようとする。

「お待ちください、奥さん・・・・・」
君枝が座る椅子のすぐ後ろに立つ鮎川が、突然その腕を伸ばし、君枝の細い手首を掴んだ。
「全部見たいなら、もう少し親密になる必要がありますな・・・・」
「ど、どういうことですか・・・・・・・」

「おわかりでしょう、そんなことくらい・・・・・」
鮎川はそう囁きながら、君枝のジャケットを脱がすように、その胸元を乱暴に広げた。そして椅子に座る人妻の肩越しに両手を伸ばし、黒いシャツの上から魅惑的な胸の膨らみを掴む。

「やめてくださいっ・・・・・・・」
椅子に座ったまま、君枝は背後の男に小声でそう抵抗した。右手が解放されたが、とてもマウスを操作できるような状況ではない。

「いい胸をしていらっしゃる・・・・・・・」
上方から強く胸を揉みしだきながら、鮎川はその人妻を椅子に押さえつけるような動きを見せる。その椅子は後方にまで深く傾くロッキング機能が売り物であった。そして頭をつけたままでもたれかかれるほどの、ハイバックな背もたれを備えている。

「奥さん、どうぞ楽になさってください・・・・・・」
最後部にまでロッキングさせると、鮎川はその状態で椅子を固定させた。まるで美容院かエステのように、その豪華な椅子の上で君枝はほとんど水平な状態にまでさせられる。

「どういうつもりですか、鮎川さん・・・・・・」
「椅子に座りたいといったのは、奥さん、あなたですよ・・・・・・・・」
立ったまま、鮎川は逃げようとする人妻の肢体を椅子に強く押し付け、シャツの上から乳房を揉みしだく。こねるように指をいやらしく動かし、その柔らかさを楽しんでいるかのようだ。

「実は私も見たいものがありましてなあ・・・・」
そう言いながら、鮎川は君枝のシャツのボタンに手を伸ばした。そして、丁寧な仕草で、上からそれをゆっくりと外していく。

「いやっ・・・・・・・」
男の意図を察知し抵抗を示す君枝だが、すぐにはそこから逃げ出せないことも感じていた。ベルトで固定されているかのように、その椅子から立ち上がることは難しそうだ。後方に大きく傾いたその椅子に座る君枝の両脚は、既に床から浮いた格好で、抵抗の行動に踏み出そうにも力を入れることができない。

「ご自分だけ見たいものを見るってのも、不公平な話でしょう・・・・」
ボタンを2つ目まで外し、鮎川はシャツの上から胸を愛撫し続ける。ボタンを外された隙間から覗く人妻の素肌、そしてブラ、その眺めは男の冷静さを奪うかのように相当に刺激的なものであった。

「シャツと同じ、ブラも黒ですか、奥さん・・・・・・」
繊細な刺繍に包まれた黒いブラの膨らみを、鮎川はしっかりとその視線で捉えた。たまらずその隙間から両手を伸ばし、そのブラを覆うように指を這わせ、そして数回強く揉んでやる。

「あんっ・・・・・・・・・」
椅子に座る人妻の口から、たまらず声が漏れだす。

=

「こんないやらしい下着をいつもされてるんですか・・・・・」
ボタンを更にもう1つ外した鮎川は、シャツの前面を開き、人妻の黒いランジェリーを明るい室内に曝け出した。

やめてっ、そんなこと・・・・・・・
あまりの羞恥心と屈辱に、君枝は唇を噛んだまま、メガネの奥の瞳で、椅子の後方に立つ男を見つめる。

「そんな怖い顔しないで、奥さん・・・・・・」
君枝の視線から逃げることなく、鮎川は椅子に横になる人妻の表情を射るように見た。そして黒いブラに包まれた人妻の乳房をゆっくりと愛撫していく。自分を見つめながら男が開始したその行為に、君枝はかすかに表情をゆがめる。

「どうですか、奥さん・・・・・・・」
「何も・・・・・・、何も感じません・・・・・・・・」
視線を絡めたまま、鮎川と君枝はそんな言葉を交わす。

「奥さん、かなり負けん気が強いみたいですなあ・・・・・・・」
鮎川はゆっくりと、しかし老練な仕草で、人妻の乳房を揉みしだき続ける。かすかに乱れ始めた呼吸を悟られないように、君枝は男の視線から逃げ、メガネの奥の瞳を閉じた。

「こちらが見たいものを見れば、奥さんにもメールを見せますよ・・・・」
「・・・・・・」
「対外秘のメールを見たいのなら、それなりの代償は払ってもらわないと・・・・」

いつしか鮎川は君枝の黒いシャツのボタン全てを外していた。タイトスカートの裾からそれを引っ張り出し、大きく前を広げる。露になった人妻の上半身を見つめながら、男の指の力が更に増していく。

「まだ何も感じないですかな、奥さん・・・・・」
「やめてっ・・・・・・・・、もうやめてったら・・・・・・・」
その声色が、随分と官能の色を漂わせたものであることに、鮎川は新鮮な驚きを感じた。

勝気なくせに、随分感じやすいようだな、この奥さんは・・・・・
一気にこの人妻を追い込んでやろうと、鮎川は年甲斐もなく、そんな風にいきり立つ自分を感じていた。黒いブラの上から、乳房の先端を探り当て、それをつまむような行為をしてやる。

「あんっ・・・・・・・・」
噛み締めていたはずの人妻の唇が開き、再びかすかな吐息がそこから漏れ出す。
「もう硬くなっているんじゃないでしょうね、奥さん・・・・・・」
それは男にもはっきり伝わってきた。下着の下、既に硬く勃った乳首の感触は、鮎川の興奮を高めていく。

「どうです、こうするのは・・・・・」
手のひらでそれを撫で、指先で挟むようにしながら、男は人妻の乳房全体に刺激を加えていく。
「あんっ・・・・・・・・・」
「誰もいやしない・・・・・、声を出して、奥さん・・・・・」

「いやっ・・・・・・・、違いますっ・・・・・・・」
肢体の力がみるみるうちに抜けていくのを君枝は感じていた。この椅子に魔力が備わっているかのように、自分の肉体がそこから浮き上がらない。

ぐったりともたれたまま、君枝は男のなすがままに、その乳房を提供している。銀色の腕時計が覗くその腕で、肘掛をきつく握り締める様が、人妻を覆い始めた快感をはっきりと伝えている。

「時間がないですからな・・・・・」
壁にかかった時計に目をやり、鮎川は君枝が座る椅子の背後に立ったまま、その腕を胸の膨らみからゆっくり移動させていく。黒い下着の肩紐の下に手を侵入させ、それを左右同時に人妻の肩から外す。

「やめてくださいっ・・・・・・・・・」
目を閉じたまま、そう抵抗する君枝を無視し、鮎川はそれを一気にずり下ろした。29歳の人妻の見事な美乳が、遂に姿を見せる。

「ご主人に独占させるのは勿体ないな・・・・・・」
乳房の先端を直に指でつまんだ鮎川は、それを軽く弾くような行為を見せた。
「あんっ・・・・・・・・」
先刻よりは少し大きな喘ぎ声が、君枝の口から漏れだす。

ああっ、やめて、そんな風にするのは・・・

瞳を閉じる君枝が気づかぬうちに、男はその位置を椅子の横へと移動させた。そして、かがみこむような格好で、人妻に接近する。露になった乳房をじっくりと愛撫し、鮎川はその先端を口に含んだ。

「あんっ、駄目っ・・・・・・・・・・・」
感じやすい乳首を男の舌でいやらしく転がされ、君枝は意図せぬ声を漏らし始める。

=====

「お痩せなのに、いい胸をしてらっしゃる・・・・」
「あんっ・・・・・・・・・、やめてくださいっ・・・・・・・」
舌先で器用に乳首を刺激し、そして唇で音を立ててしゃぶる。人妻の美乳を存分に味わい始めた鮎川に対し、君枝は激しく戸惑い続けるだけだった。

予期せぬ行動に出たその常務の顔を、君枝は華奢な腕でどけようとするも、それは無駄なことであった。男は片腕で君枝の右手をしっかりと拘束したまま、乳房を揉みしだき、そして舐めまわしてくる。

駄目よ、こんなの・・・・・・・・
メールを見たいという自分の要求。重要な顧客にそれをぶつけたとはいえ、こんな行為を許す必要などない。それに、大本の法律事務所のことなど気にする必要もなかった。短期間、雇われただけの身なのだ。そうわかってはいても、しかし、体はどうにも抵抗しようとしない。

「ほら、乳首がもうこんなですよ、奥さん・・・・・・」
「違いますっ・・・・・・」
君枝は、自らの体が急速に男に追い詰められていくのを感じていた。

川上と共にした夜以降、人妻の体奥には性への渇きが存在していたのかもしれない。それが先日遭遇した痴漢に与えられた感触、そして直後の公衆トイレでの自慰行為によって、徐々に高められてきたのか。君枝は、その肢体が激しく男を欲していることを感じる。

「奥さん、さあ、両手をここに置いて・・・・・・」
鮎川に指示されるまま、君枝は両腕を椅子の肘掛に乗せる。快感に耐えるようにそこを何度もきつく握り締めながら、その人妻の肢体は、もはや理性のコントロールを逸脱した世界にいた。

「お綺麗な肌だ・・・・・」
鮎川はそう言いながら、ゆっくりと舌を移動させていく。乳房から鎖骨周辺、そしてうなじを舐めた後、君枝の形のいい顎先を手にとった。快感をやり過ごそうと閉じられていた人妻の瞳が、メガネの奥で開き、潤んだ表情で男を見つめる。鮎川は、君枝の唇に口を重ねた。

「あんっ・・・・・・・」
男のキスを受けながら、再び目を閉じた君枝は小さな声を漏らす。顎を固定され、逃げようにもどうすることもできない。男のキスは次第に激しいものに転化し、人妻の口内にその舌を侵入させた。

「あんっ・・・・・・、いやんっ・・・・・・・」
言葉を発したその隙を逃がさないかのように、鮎川は人妻の舌を捕らえた。激しくそれを吸い上げながら、美乳を強く揉みあげる。いつしか情熱的に唇を貪りあう二人。重ねた口の奥から、快感に耐える声を漏らす人妻の姿に、男はどうしようもなく興奮する。

「感じてきましたか、奥さん・・・・・・」
そう囁く鮎川に、君枝はそのプライドから、素直な言葉を決して吐こうとはしない。
「感じてなんかいません・・・・・・」

「どこまでも強気ですな、奥さん・・・・・」
鮎川はそう言いながら、乳房を攻めていた右腕で、人妻の太腿を突然触った。

「いやっ・・・・・・・・」
「本当に感じてないかどうか、見せてもらいましょうか・・・・」
男の手がベージュのタイトスカートを強引にめくりあげ、人妻の美脚の間に侵入する。

「嘘をついていたら許しませんよ、奥さん・・・・・・・」
念を押すかのような言葉を口にし、鮎川はゆっくりとその指先をスカートの奥へと侵入させていく。男の顔を見つめ、君枝はそれでも屈服の意志を示そうとはしない。

「嘘なんか・・・ついてませんから・・・・・・・・」
鮎川は再び君枝の乳房をしゃぶり始める。そして太腿の内側を優しく愛撫しながら、遂にその最奥にまで指先を到達させた。

「うっ・・・・・・・」
睨むように鮎川を見つめていた君枝が、瞳を閉じ、顎をあげるようなポーズをしながら、声を漏らす。

駄目っ・・・・、そこは、いや・・・・・
君枝には勿論、そこがどんな風になっているのかわかっていた。唇を噛み締めながら、指先をパンスト越しに何度も押し付けてくる男の行為に懸命に耐える。

「どうやら私の勝ちのようですね・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「こんなに濡れてますよ、奥さん・・・・・・・」
鮎川は挑発するように囁きながら、数回その指先を人妻のそれに強く突っ込んだ。

「ああんっ!・・・・」
肘掛を握り締め、横になった椅子の上で肢体を反らすようにしながら、君枝は官能的な喘ぎ声を鮎川の前で披露してしまう。

=

午後3時をまわった頃だった。新宿御苑を見下ろすことができる高層ビル、陽光眩しいとある一室で、その行為は繰り広げられていた・・・。

人妻のシャツのボタンは全て外され、黒いブラが姿を見せている。しかし、それとて肩紐が淫らにずれ落ち、柔らかな胸の膨らみを惜しげもなく露にしていた。後方に大きく寝かされた椅子の上で、君枝は鮎川に美乳を吸われ、タイトスカートの中に腕を侵入されている。

「下着の上からでも、はっきりわかりますよ、奥さん・・・・・・」
「あんっ・・・・・、もうよしてっ・・・・・」
「ほら、もうこんなに湿ってる・・・・」
「違いますっ・・・・・、あんっ・・・・・・・」

メガネの奥の瞳を閉じたまま、君枝は唇を噛み、男の行為に耐えている。しかし、漏れ出す喘ぎ声、そして呼吸の乱れはどうすることもできない。男は指の腹を、人妻の濡れた泉にぐいぐいと押し付けてくる。気のせいか、その度にぐじゅぐじゅという、いやらしい音が君枝の耳に届くかのようだ。

ああっ、駄目っ、そんな風にしちゃ・・・・・・・
感じてなんかいない、と宣言した自分が、今どうしようもなく濡れ、男の指先の攻めに合わせながら、肢体をくねらせている。君枝にできることはただ、椅子の肘掛をきつく握り締め、唇を噛んで耐えることだけだった。

「奥さん、さあ、もう少し脚を広げて・・・・・」
スカートを捲り上げ、鮎川は君枝の美脚の太腿の辺りを、緊張をほぐすかのように揉みしだく。そして膝を立てるような格好で、人妻の両脚を広げていき、その間に隠されていた君枝自身を露にしていく。

「直接刺激されたいでしょう、奥さん・・・・・」
「そんな訳ないわ・・・・・・・」
依然、言葉では抵抗し続ける君枝の表情を見つめながら、鮎川は自分の机の上にあるペン立てに手を伸ばした。そしてそこにあった黒いボールペンを手にする。

「どうするつもりなの・・・・・・」
君枝のその言葉を無視し、鮎川はそのペン先をタイトスカートの中に差し入れ、それを使って人妻のパンストを荒々しく引き裂いた。

「やめてっ!・・・・・・・・」
「これで奥さんが感じてるかどうか、ちゃんと確認できますな・・・・・」
男の指先が直接肌に触れ、そして秘所に近づいていくのを感じる。やがて、その指先はランジェリーの脇から侵入し、ぐっしょりと濡れた人妻の美肉に確かに触れた。

「ああんっ・・・・・・・・」
びくんと君枝の肢体が反応し、肘掛を握る両手に更に力が入る。
「これでも感じてないと言い張りますか、奥さん・・・・・・」
鮎川は重ねた指先をゆっくりと、しかし深々とそこに挿入し始めた。

先日、自慰行為の際に自らの右手で慰めたそれを、今は、男の手によって刺激されている。しかも夫以外の男だ。川上と過ごした一夜以来、自分がずっとこれを待ち望んでいたような気がして、君枝は激しく淫らな気分になり、漏れ出す声を抑えることができない。

「あんっ・・・・・、ああっ、駄目っ・・・・・・・」
「ほらっ・・・・、どうですか、こうすると・・・・・・・」
「あんっ・・・・・・、ああんっ・・・・・・・・」

男を欲しがってやがる。鮎川は君枝の反応を見て、そう感じていた。口では抵抗の言葉を並べているが、実はこの人妻は、男に、そして快感に飢えていたのかもしれない。

「奥さん、ご主人と最近してないんでしょう・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「ご主人のセックスじゃ満足されてませんね・・・・」
「違います・・・・・・・・、あんっ・・・・・・、ああっ、駄目っ・・・・・・」

勝気な人妻が、明らかに快感のループを駆け巡り始めている。鮎川はそれを察知し、更にいじめてやることを決意する。

「奥さん、早く男が欲しいみたいですなあ・・・・・」
そう耳元で囁きながら、鮎川は君枝のショーツに手をかけた。タイトスカートの下、それを掴んだ男は、引き裂かれたパンストとともに、強引に人妻の肢体から奪い去る。

「いやっ!・・・・・・・」
美脚で何とか抵抗を見せた君枝だが、男の巧みな行為にはかなうはずもなかった。下着を剥ぎ取られたスカートの中、愛液で妖しく光る人妻の淫肉、そして黒々とした茂みが確認できる。

「いい眺めだ、奥さん・・・・・・」
たっぷりとそれを見つめた後、鮎川は再び机に手を伸ばす。そして、そこに置いてあった栄養ドリンクのボトルを掴んだ・・・。

=

駄目っ・・・・・・、好きなようにされちゃう・・・・・・
倒された椅子に横になり、ボタンが全て外されたシャツの下では黒色のブラがずり下ろされ、美乳を曝け出している。タイトスカートは腰の辺りにまでまくられ、パンストもショーツも既にそこにはない。

こんなことまで許すつもりはなかった。しかし、君枝は無抵抗といってよかった。両手の自由はきくというのに、男の指示に素直に従い、このような淫らな格好にまでされてしまっている。

頭のどこかに、メールを見たいという勝手な要求をしてしまった自分に対し、自責の念のようなものが存在していた。そのために強気で抵抗しようとはしなかったのだろうか。

しかし、それとは別の理由があることも、君枝は確かに感じている。
あのときの快感をもう一度得たい・・・・
川上によって与えられたあのエクスタシーを自分が再び欲していることが、君枝にはわかっていた。

しかし、こんな男にそれを素直に吐露するわけにはいかない。

何してるの・・・・・、もっと抵抗するのよ・・・・・・
激しく葛藤する人妻をよそに、男は今、別の行動に出ようとしている。

「奥さん、いやらしい蜜がどんどん出てきますよ・・・・・」
鮎川は、まるで横になる患者を診断する医師のように、椅子の横に立ち、その人妻の肢体に手を伸ばす。肘掛をきつく握り締めているその人妻の乳房を愛撫し、そして開かれた美脚の間の泉に、重ねた指を何度も挿入する。

「あんっ・・・・・・・、ああっ、駄目っ・・・・・・」
「奥さん、素直になって・・・・、もっと欲しいんでしょう、本当は・・・・」
「欲しくなんか・・・・・、欲しくなんかないわ・・・・・、あんっ・・・・・・・・」
「ご主人じゃ満足できないから、こうして他の男に快感を与えてもらいたい。違いますか・・・・・」

君枝の欲情をまさに言い当てたその言葉を囁きながら、鮎川は再度君枝にキスを要求した。メガネの奥の瞳を閉じたまま、君枝はそれにいったん抵抗するも、やがて受け入れる。人妻とねっとりと舌を絡ませながら、男はスカートの下、指先で快感の突起を探り当てる。

「ああんっ、そこは駄目っ・・・・・・・・」
「ここはどんなご気分ですか、奥さん・・・・・」
「ああっ、もう・・・・・・・、もう、やめてっ・・・・・・・・」

人妻の喘ぎ声が更に高まったことを確認し、鮎川はその舌を存分に吸いあげた。男に口を犯され、君枝が何度も声を漏らす。確実にその人妻が快楽へのステップを昇っていることを、鮎川は確信した。

外界の騒音が遮断されたその役員用個室に、人妻の、あんっ、あんっ、という途切れがちな声が響く。上着を脱いだ鮎川は、シャツのボタンを1つ外し、派手な黄色柄のネクタイを緩めた。

「奥さん、もっとですか・・・・・、もっとして欲しいですか・・・・」
瞳を閉じた君枝の頭の中に、男の誘いの声がゆっくりとこだまする。それは催眠効果を持っているかのように、君枝を朦朧とさせ、人妻の理性を少しずつ奪い取っていく。

駄目っ・・・・・・・、こんな男の誘いに乗っちゃ駄目よ・・・・・・
懸命にそう考えながらも、肢体の反応はどうすることもできない。そんな人妻に対し、男はスーツのポケットに先ほどから突っ込んでいたものを取り出す。それは、空になった栄養ドリンクの瓶であった。

昼食後、秘書である女性社員に毎日それを届けさせることが、いつの頃からか、鮎川の日課となっていた。その効能を特に信じているわけでもないし、特段それに頼る必要性もない。ただ取引先から一度貰った事がきっかけで、毎日たしなむようになってしまっただけだ。

そして、この日の午後も、それは他意はなく、ただ机に置かれていた。しかし、鮎川は、空になったその硬そうな物を目にし、少しばかり遊んでみようとひらめいたのだ。

「奥さん・・・、男が欲しいんでしょう・・・・・・・」
「違いますっ・・・・・・・、欲しくなんかないっ・・・・・・・」
「体はこんなに欲しがってるくせに・・・・・・」
「あんっ・・・・・・・・・、違うわっ・・・・・・」

「ほらっ・・・・、欲しかったでしょう、これが・・・・・」
鮎川はそのドリンク剤のボトルをしっかりと右手に握り締めた。そして、悶え続ける人妻の濡れた秘所に、その先端をかすかに触れさせる。そして、ほんの数センチほど、それを奥に挿入させた。

「ああっ・・・・・・・、ああんっ、駄目っ・・・・・・・・」
ゆっくりとそれを中に押し進める鮎川。人妻の濡れた淫肉が、ボトルを包み込むように吸い付いてくるのが感じられる。

「さあ、もっと奥まで入れましょう・・・・・・・」
「ああっ、駄目っ・・・・・・、あんっ・・・・・・、ああんっ!・・・・・」
明らかに声質が異なる嬌声、牝としての快感を遂に得た声を、君枝はその日初めて口にした。

=

押し寄せる快感の世界を漂いながら、君枝は男が椅子のすぐ横に立っていることを感じていた。その男が挿入をほのめかすような言葉を何度も囁きかけてくる。

何を・・・・・・、何を入れるの?・・・・・・・
そんな風に思いながら、君枝はしかし、その男の言葉に更に濃厚に美肉を濡らし、もう我慢ができない。

早く・・・・、早く入れて欲しい・・・・・・
決して口にはできないその欲求。いつしか、そんな淫らな言葉を、人妻の本能が何度も囁いてくることを、君枝は感じていた。訪問先の相手オフィス内で陵辱されるというそのシチュエーションに、君枝は自分が気づかぬうちに、激しく興奮している。

男に椅子に押さえつけられた状態で、シャツのボタンを外され、そしてタイトスカートを捲られる。露になった秘所を指先で存分に刺激され、君枝は更にエスカレートした行為を欲していた。

入れて・・・・・、あんっ、早く入れて・・・・・・・
その言葉を誰に向けて発しているのか、そのときの君枝にはよくわからなかった。目の前の男、鮎川に要求しているのか。それとも川上か、或いは車内で痴漢された大矢という男に対してか・・・・。

それは夫ではない、誰かへの叫びであった。逞しい男、自分を荒々しく犯し、絶頂へ導いてくれる男が欲しい。優等生であったはずの人妻は、そんな背徳の願望を、いつの日からか体奥に隠し続けていた。

「ほら、入れますよ・・・・・・・」
鮎川の声が耳に届く。鼓動が急速に高まり、肢体が熱くなる。何か冷たい感触が、たっぷりと濡れた自らのあそこを襲う。

ああんっ、駄目っ・・・・・・・
「ご主人に叱られますね、奥さん・・・・・・」
硬直したものが、ゆっくりと自分を犯してくることを君枝は感じる。

ああっ、入っちゃう・・・・・・・・・
「これがずっと欲しかったんでしょう、奥さん・・・・・・」
ゆっくりとそのボトルを奥に進めながら、鮎川は人妻の表情の変化を伺う。瞳を閉じたまま、肘掛をぎゅっと握り締め、君枝は美しい唇を開き、声を漏らし始めている。

「ああっ・・・・・・・、ああんっ、駄目っ・・・・・・・・」
「ほら、もっと中まで入れましょう・・・・・・」

あんっ、硬い・・・・・・・・、ああっ、入ってくる・・・・・・・・・
「いやらしい奥さんだ・・・・、どんどん奥にまで入りますよ・・・・・・」
ボトルの半分程度まで人妻の淫唇に挿入した男は、それを握り締めたまま、ゆっくりと動かし始めた。まるで肉棒がそうするかのように、鮎川は卑猥な瓶を何度も往復させていく。

「あんっ・・・・・・・・・、ああんっ!・・・・・・・・」
ぐじゅぐじゅという淫らな音に混じり、君枝の嬌声が部屋に響き始める。肘掛を握り締めたまま、背もたれから背中を浮かすように、君枝はその肢体を何度も弓なりに反らした。

「いいでしょう、奥さん・・・・・・・」
ああっ、気持ちいいっ・・・・・・・
君枝は、男の硬く逞しい肉棒に犯されている自分を妄想していた。どこまでも硬直したそれが、リズミカルに自分の濡れた唇を襲ってくる。それが突き出される度、君枝の口から声が漏れる。

「あんっ!・・・・・・・、あんっ!・・・・・・・・」
「どうですか、気持ちいいですか、奥さん・・・・・・」
「あんっ・・・・・・・・、ああっ、駄目っ、そんなの・・・・・・・・」

鮎川の腕の動きが次第に激しいものになる。前後に往復させるだけでなく、ゆっくりとその挿入したボトルで円を描き、同時に親指で器用にクリトリスを弾いてやる。素直な気持ちをいつ口にしてもおかしくないほどに、君枝は追い詰められていた。

もっと・・・・・・・、もっと激しくして・・・・・・・・
このまま一気に昇り詰めてしまう予感に、君枝は包まれていく。

男に挿入されたまま、何度も絶頂に到達する。夫の幼馴染によって初めて教えられた、そんな女性の当然の権利を、君枝は今再び、行使しようとしている。肉棒ではなく、栄養ドリンクの瓶を、濡れた膣壁できつく締め付けながら・・・・。

=====

自宅で二人の男に犯され、それを夫に覗かれることを妄想する人妻。熱を帯びた激しい興奮に包まれ、君枝は途切れなく喘ぎ声を漏らしながら、一気に絶頂へと昇っていく。

「奥さん、そろそろイカせてやろうか・・・・・」
「あんっ・・・・・・、ああっ、早く・・・・・・・、ああんっ・・・・・」

そんなにいいのか、君枝・・・・・・・・
あなた・・・・・、私、もう我慢できない・・・・・・・

妄想の中、川上の腰を突き出すペースが速くなり、君枝の嬌声もそれにつれてピッチがあがっていく。

「どうだ、奥さん・・・・、気持ちいいだろう、こうされると・・・・」
「あんっ!・・・・・・、あんっ!・・・・・・、あんっ!・・・・・」
「旦那が見てるぜ、奥さん・・・・・・・」
「ああんっ・・・・・・、いいっ・・・・・、あんっ、駄目っ・・・・・・・」

鮎川の役員室、椅子に横たわったまま、君枝は遂に絶頂へと導かれようとしていた。あるときは陵辱者として、そしてあるときは人妻の夫としての巧みな言葉を並べながら、鮎川は君枝を狂おしいほどの官能の極地へと誘い込んでいた。

たまんねえな、この奥さんは・・・・・・・・
数多くの女を経験してきた鮎川も、そう認めざるを得なかった。それほどに、目の前の人妻は官能的で、見事なスタイルを持ち、そしてその肉体は感度がよかった。

鮎川は一気に右手の動きのスパートをかける。あんっ、あんっ、という人妻の嬌声に、その美肉から更なる蜜が溢れ出す音が混じっているのがわかる。タイトスカートを腰に巻きつけたまま、君枝はその美脚を曲げ、大きく広げている。

「あんっ・・・・、ああっ、イキそう・・・・・、イッちゃう・・・・・」
自宅リビングで犯される自分が、夫の目の前で絶頂にまで達することを妄想し、君枝はその快感を素直な言葉で表現する。

「奥さん・・・・・、ほら、イクんだ・・・・・・・・」
「あんっ、もう・・・・・・・、ああっ、凄いっ・・・・・」
挿入したまま絶頂に導くことなど、夫はしてくれたことはなかった。そんな夫に見せ付けるかのように、その人妻は遂にエクスタシーにまで到達する。君枝の首筋に淫らな汗が光る。

「ほら、どうだっ!・・・・・・」
「あんっ!・・・・・、ああっ、イきそう・・・・、ああっ、イクっ・・・・・」
「さあっ、奥さん・・・・・、ご主人に見せてやるんだ・・・・・」
「ああっ、駄目っ・・・・・、あんっ、イクっ・・・・・、イクっ!・・・・」

顎を天井に突き出しながらそう叫んだ瞬間、椅子の上で、君枝の汗ばんだ裸体が上方に弾かれるように曲線を描き、そしてぐったりと横たわった。どこかに行ってしまうことを恐れるかのように、テープで縛られた両手で椅子の肘掛をきつく握り締めたままだ。

鮎川が握り締めていたボトル、そして手首は、吹き出した人妻の愛液によって、ぐっしょりと濡れている。ハアハア、と荒い息をたてながら、君枝は目を閉じたまま、椅子にぐったりと横になった。

その姿を見て、鮎川はその人妻が秘かに抱えていた性への欲望の大きさを、改めて知る思いがした。スーツの中、限界にまでいきり立った己のものは、もうどうにも対処できないほどだ。

鮎川がそれをどうおさめようかと考えていたとき、机上の電話がなった。秘書からの内線電話のようだ。
「常務、社長が急な案件で至急話したいとのことです・・・・・・」
「急な案件?」
「ええ。例の幼稚園周辺の開発計画のことのようですが・・・・・・・」

入社して数年の女性秘書、その肉体を、鮎川は既に何度も味わっている。制服を着せたまま、この室内で体を交えたことも数え切れない。しかし、そんな親密さを今はおくびにも出さず、その女性秘書は淡々と用件を上司に告げた。

「幼稚園の件か・・・・」
断るわけにはいかなかった。ワンマンとも言えるほど、そのゼネコンでの社長の権力は強大であった。勿論、鮎川の策略にその社長が頼るところも大きい。

「奥さん、この続きは必ず次回しましょう、忘れませんからな・・・」
君枝の手首を拘束していたガムテープを剥がしながら、鮎川はそう言った。そして身なりを素早く整えながら、資料をいくつか手にし、慌しく室外へと向かう。

「誰もここには来ませんから、ごゆっくりなさってください・・・」
そう言い残し、鮎川は重厚なドアを開け、速足で部屋を出て行った。

人妻だけがそこに残された。濃厚な快感の中に未だ漂いつつ、君枝はようやく瞳を開き、何を想うこともなく、ただ天井を見つめている。

=

大本の法律事務所での勤務も、残り数日となっていた。真面目で堅実、そして迅速な君枝の仕事ぶりに、43歳のその弁護士は、正式に採用したい旨を何度か打診した。しかし、人妻の答えが変わることはなかった。
「せっかくですが、娘がまだ小さいですし・・・・」

新宿のゼネコン企業本社ビルにて、常務である鮎川にその肢体を弄ばれてからもう2週間以上経過している。あれ以来、男からは何のアプローチもなく、大本もまた、君枝を先方に出向かせることを要求はしなかった。

自分の痴態が果たして大本に伝わっているのか、君枝は確信できず、不安な気持ちを抱いたままでいたが、それ以上に、依然としてあの幼稚園周辺での計画のことが気になっていた。

いったい、何を計画しているのかしら・・・・・・
結局、大本と鮎川の間で交わされたメールを確認することはできなかった。鮎川のパソコンでそれを覗こうとしたとき、その男の罠にはまるかのように、椅子の上に押し倒され、その肉体を陵辱された君枝。

あの日の快感を濃厚に記憶したまま、君枝はしかし、当初抱いていた好奇心も忘れてはいない。別に躍起になって探らずとも、そのうち、恐らく年明けにでも明らかになるのであろう。そうわかってはいながらも、君枝は何故かそれを待つことができなかった。

「子供の親が騒ぐ」という、あの大本の言葉が、未だ、頭から離れない。幼稚園にとってよからぬプロジェクトであることは、そこからも容易に想像できる。

事前に全貌を把握すれば、こちらの準備もでき、うまくいけば計画自体を頓挫させることだって可能なのではないか。常に現実的に生きてきたつもりの君枝も、このときは不思議なことに、冷静な思考から少しばかり逸脱した、うぶな考えを抱いていた。

それはささやかな復讐のつもりだったのかもしれない。鮎川に受けたあの陵辱行為。あそこまでの快感を得てしまったことを認めながら、君枝はあの男を許すつもりはなかった。

たとえ些細なことでも、何かあの男に仕返しをしてやりたい・・・・・
しかし、最近では大本の電話の声は捉えにくいものになり、あの計画の輪郭を得ることも難しい状況だった。業務情報を、担当外スタッフに隠匿することは、企業としては当然のことである。

自分の権限を越えてそれに触れることは、短期間採用のスタッフは勿論のこと、たとえ正規の社員といえども、法的に許されることではない。君枝はそれを十分に認識していたが、しかしそれでもなお、あきらめることができなかった。

どこかに書類が一式揃っているはずだわ・・・・・
君枝がその一端にでも触れる機会は、しかし、なかなか訪れなかった。そんなある日のことだ。

「すまないが、今日はオフィスに戻れないかもしれない・・・・」
大本が君枝にそう告げたのは、午後5時過ぎのことだった。大本は鞄に書類を詰め込みながら、机の上を急いで片付けているようだ。

「そうですか・・・・・」
「わからんがね。もし7時までに戻らないようなら、また施錠して帰ってもらえますか?」

大本は長身である。180センチを少し超えているだろうか。スリムなその外見は、43歳にしては明らかに若く見える。

オーダーメイドと思われる高級そうな生地でできた黒いスーツがよく似合っている。洗練されたその雰囲気は、堅苦しいイメージがつきまとう弁護士には珍しいものだった。

「わかりました、またアラームをセットしていけばいいですね・・・・」
「ああ。よろしく頼む・・・・・・」
ステンカラーのコートをつかみ、大本が大股で事務所を出て行く。

君枝の有能さに気づいたのか、大本は早い段階から、その人妻に残業を頼むようになっていた。せいぜい夜7時から8時といったところであったが、当初予定されていた午後5時に退社というものからは、随分とかけ離れたものだった。

オフィス退出時のセキュリティアラームの設定方法を教えられ、鍵も渡されていた君枝は、以前経験したように、その日もまた、どうやら一人でオフィスを出ることになりそうだった。

「この定款のたたき台を仕上げなきゃ・・・・・」
明後日にはこの事務所での短い勤務を終えるというのに、君枝に任された仕事はまだ多く残っていた。大本が去った事務所内で、君枝は一人、自分の業務に集中する・・・・。

=

「やはり戻れそうもない。アラームセットをよろしく・・・・」
大本からの電話があったのは午後7時すぎだった。予想はしていたことなので、君枝は特に驚くこともなかった。

一人で仕事に集中できるその環境を好都合と捉えてしまうあたり、やはり平均的な人妻とは言えないのかもしれない。優等生であった当事の真面目さを失っていないかのように、君枝は自分に課せられた仕事を一気に片付けることにした。

「あ~、もういいかな・・・・・・」
君枝がその仕事に大体の目処をたてたのは、既に午後9時をまわった頃だった。自宅には電話をし、幸い、義母が今夜は泊まりで孫娘の面倒を見てくれることを確認している。かと言って、別にのんびりするつもりもない。

「そろそろ帰らなくちゃ・・・・・・」
君枝は机の周辺を手早く片付け、自分の荷物を整えた。窓の施錠を確認するため、パーテーションを越えて、大本の机の方へ向かう。窓の外は完璧な闇が支配している。事務所内に漂う静けさだけが、君枝をそっと包み込む。

「駄目よ、そんなこと・・・・・・・」
ふと頭をよぎったそのアイデアを、君枝はすぐに否定した。しかし、それはしつこく君枝のことを誘惑してきた。確かにこんなチャンスは二度とないだろう。しかし明らかに法に反する行為だ。それに今知ったところで、どうなるわけでもあるまい。

様々に葛藤しながら、しかし、君枝はあの鮎川のことを思い出した。されたことを思い出し肢体を熱くしながらも、その男への痛烈な軽蔑心が湧きあがってくる。それが、逡巡する人妻の決意を固くした。

「でも見つかるかしら・・・・・・」
ストライプ柄が印象的な黒色のスカートスーツに身を包んだ君枝は、心に残る僅かな躊躇を消し去りながら、上司である大本の机の引き出しに手をかけた・・・・。

しんと静まり返った法律事務所内、一番奥に位置する上司の机の引き出しを、その人妻は注意深く調べ始める。君枝にとっては幸いなことに、引き出しはどれも施錠されていなかった。

「ないわ・・・・・・」
きれいに整理されたその内部を乱さないように気をつけながら、君枝はファイルの1つ1つをチェックしていったが、探している書類はなかなか見つからなかった。

「やっぱりPCの中なのかしら・・・・・・」
パソコンを立ち上げることも考えたが、そこまでは君枝も踏み切る勇気がなかった。恐らくパスワードにて保護されているだろうし、何らかの痕跡が残ってしまい、それを覗こうとした事実が発覚してしまうような気がしたのだ。

「そうだ、こちらのキャビネットかも・・・・・・」
大本の机の後方、外に面した窓の下に、書類保管用のキャビネットが並んでいる。ここは大本しか触れることはない。やはりそれもロックされておらず、君枝はあっさりとその扉を開けることができた。

「・・・・・・・・・」
鼓動が高まるのが自分でもわかる。床にしゃがみこむような格好の人妻は、膝丈のタイトスカート越しに熟れたヒップのシルエットをくっきりと浮き出している。緊張でかすかに汗ばみながら、君枝は、探しているものがここにあることを、直感した。

ファイルの背表紙には案件名が丁寧に記載されている。息を潜め、君枝はそれをゆっくりと追っていく。そして、中央の棚、一番右にある細いファイルの背表紙に何も書かれていないことに気づく。

「何かしら・・・・」
書類の数は少なそうなそのファイルを手に取り、君枝は先頭のドキュメントを見た。

「・・・・・・!」
そこに記載されている文字を捉え、君枝は思わず息を呑んだ。

「日の出幼稚園周辺部開発プロジェクト(極秘)」

こう書かれたヘッダーに続き、10枚程度に渡って、概要、スケジュール、各企業の役割分担等が細かく記載されている。どうやらプレゼン用のパワーポイント資料のようだった。

キャビネットの前でしゃがみこんだまま、君枝はそれに目を通し始める。確かに娘が通っている幼稚園だ。資料の内容に没頭していく君枝が、オフィス内の些細な変化になど、気づくはずもない。

窓の下のキャビネットの前にいる君枝は、大本の机、そして事務所ドアに対し背を向けたような格好でいた。そのドアは施錠されていない。それを音も立てずに開き、午後10時になろうとする法律事務所にそっと侵入してくる男がいた。

男は既に君枝の姿を捉えているが、背を向けた人妻はそれを知ることもなく、ただ書類の文字を目で追っている・・・。

=

キャビネットの前でしゃがみこみ、対外秘である書類にじっと見入っている君枝。就業規定を犯していることは十分承知していたが、探していたものを見つけてしまった以上、その人妻の好奇心がそれを見逃すはずもない。

「来年春着工・・・・・・」
静まり返ったオフィスで、君枝はその資料に全神経を奪われている。そのときだ・・・・。

「君枝さん、何をされているんですか・・・・・・・・」
あまりに突然の声に、君枝は驚き、秘め事を見られたかのように、その場で固まってしまった。声の主は勿論わかる。大本だ・・・・。

「困りますね、そんなことをされてもらっては・・・・」
「ち、違うんです、これは・・・・・・・」
そう言いながら、君枝は慌てて立ち上がり、後方を振り向いた。外出時と同じく、黒のスーツに身を包んだ大本が、自分の机のすぐ側に立ち、こちらをじっと見つめている。

「あの・・・、定款を作るのに少し参考にするものを探してまして・・・」
「定款ねえ・・・・・」
君枝の言葉を遮るように、大本はその人妻が手にしていたファイルを強引に奪い取った。そしてパラパラと中身を確認した後、それを自分の机の上に無造作に放り投げる。

「何かおかしいと思っていたんですよ・・・。コピー機で私のメールをじっと見てましたよね・・・・・」
「あの、実は・・・・・・」

大本は自らの机の椅子に座り、それを君枝のほうに回転させた。立ったままの君枝を見上げながら、大本はその人妻の説明を待つ。

「これ、私の娘の幼稚園なんです・・・・・」
「ほう、そうでしたか・・・・・・・」
それは大本にとっても初耳のようであった。当然のことだ。君枝はプライベートに関しては詳細を上司に説明していない。一瞬、考え込むような間をおきながら、大本は再び口を開く。

「しかし、困りましたね・・・・・」
「・・・・・・・」
「これは極秘プロジェクトなんです。現時点ではいかなる情報も外部に漏らすわけにはいきません。勿論、あなたにも・・・・」
「は、はい・・・・・・」

椅子に座るスーツ姿の上司を、君枝は立ったまま、じっと見つめている。男の視線が、人妻のタイトなスーツの下に浮き上がる肢体のラインを検視しているような気がして、君枝は落ち着くことができない。

「お嬢さんのことを心配する姿勢も理解はできます。しかし、私の不在時に勝手に机やキャビネットを嗅ぎ回るというのは、あまり褒められた行為ではありませんな・・・・」
「すいません・・・・・・」

「明らかな就業規則違反であることぐらい、東大卒のあなたなら、よくおわかりでしょう・・・・」
大本がかすかに皮肉なトーンを込めていることを君枝は感じる。

「本当に、申し訳ありません・・・・・・」
「あなたを社内情報漏洩の疑いで訴えましょうか・・・・」
「・・・・・・」
「いわばこの事務所の恥部を覗かれたんですからね・・・・」
恥部という表現に、君枝はそのプロジェクトの不透明な性格を改めて感じ取る。

「まあ、訴えるのも面倒なだけですから・・・・、その代わり、君枝さん、あなたに二つお願いをさせてもらいましょう・・・・・」

検事に反証していくかのような厳しい大本の口調に、君枝は逃げ道を塞がれていく。圧倒的に非があるのは自分なだけに、抵抗しようもない。君枝は大本の要求を全て受け入れる覚悟をしていた。

「まず、どこまで資料を目にしたかわかりませんが、この内容は一切口外しないこと。たった今、全て忘れてください・・・・」
「わかりました・・・・・」
勿論、忘れるつもりなどない。しかし、当分は誰にも言わず、自分の中だけに留めておいたほうがよさそうだ。

「それからもう1つ・・・・、まあ、これはちょっとした罰ですな、あなたの犯した行為への・・・・」
「罰、ですか・・・・・」

「ええ。罪を犯した人間は、甘んじて罰を受け入れなければいけません、これがこの社会のルールです。会社の隠されたものを覗こうとしたからには、あなた自身をも曝け出してもらいます・・・」
「・・・・・・」

大本が何を言い出そうとしているのか、君枝には皆目検討がつかなかった。給与を減額するのか、或いは君枝が拒否した来月以降の勤務延長を強要してくるのか。しかし、男の提案は、それらとは全く異質なものであった。

「ここで服を脱いでもらいましょうか・・・・・・」

=====

「えっ?・・・・・・・・・・」
気のせいか、オフィス内の静寂が更に濃いものに転化したように感じられる。立ち尽くしたまま、大本の言葉を訊き返した君枝だが、しかし、男が何を自分に命じたのか瞬時に理解していた。

あの常務がやっぱり何か教えたんだわ・・・・・・・・
鮎川の老獪な顔を思い浮かべる君枝だが、それで何か抵抗できるわけでもなかった。

「目には目を、は罰の基本ですからね。隠されたものを覗く人間は、自分自身をも曝け出してもらいますよ・・・・」
「もし・・・・・、もし、それを私が拒否したら・・・・・・・」

完全に大本に握られているペースを少しでも手繰り寄せようと、君枝は、勝気な性格を思い出したかのように、男にそう聞いた。

「犯罪者が刑務所に行くことを拒否すれば、無理矢理連れて行かれるだけです」
「・・・・・・・・」
強引に服を脱がすだけ、と言外に匂わすその言葉に、君枝は大本の本気度を知らされる。

勝気であると同時に、君枝は幼少時代に培った生真面目な性格を体奥にまで染み込ませている。自らが罪を犯したという事実が、そんな人妻に重くのしかかっていく。

「どうですか、君枝さん・・・・・」
椅子にもたれながら、大本は君枝を問い詰めた。男は、その人妻の見事なプロポーションを、改めて確認するかのように、スカートスーツ姿の君枝をじっと見続けている。

本当に訴えられでもしたら・・・・・・・・
いつしか、君枝は飛躍しすぎともいえる男のその提案を、受け入れることを考え始めていた。自分が犯した行為の意味が頭から離れず、君枝は次第に冷静な判断ができなくなっていく。

「わかりました・・・・・、脱げば許してもらえるんですね・・・・・」
遂にそう漏らした人妻を見つめながら、大本は冷静な口調のまま、言葉を返す。

「罰を受け入れた方を再び問い質すようなことはしませんよ・・・・」
自らの眼前で美しい人妻に服を脱がせる、というその状況に、大本は久しぶりに夜を満喫できるような気がした。

彼が鮎川から君枝についての話を聞いたのは、あの午後からしばらく経ってからのことだった。
「ところで、おたくの新しい女性スタッフだけど・・・・」
鮎川が雑談でもするようにそう切り出すのを聞いて、大本はこの男が君枝に対し何らかのアプローチをしたことをその場で確信した。

はっきりとは言わなかったが、鮎川はその人妻の魅力、そして性癖についてそれとなく匂わせるような言葉を並べたものだ。それを聞いたとき、大本は自分でも意外なほど、鮎川に対して嫉妬心を抱いた。

顧問弁護士と企業側担当常務という関係で、二人は随分長い付き合いであった。鮎川が女好きであり、この法律事務所の過去の女性スタッフも、様々に弄ばれてきたことを大本は知っている。

しかし、彼はその常務に好きなようにやらせ、そして特段何の感情も抱くことはなかった。しかし、今月短期採用したその人妻に触手を伸ばされたと知ったとき、大本は珍しく心を揺さぶられた。

「常務、いかがでしたか、うちの君枝は・・・・・」
動揺を隠しつつ探りを入れるようにそんな言葉を投げかけると、悪びれることなく鮎川は答えたものだ。
「随分男を欲しがってるみたいだよ・・・・。旦那には満足してないんだろう、きっと・・・・」

仕事の忙しさ、そして自身の女性への奔放な行動もあり、大本は数年前、妻と離婚し、現在は独り身の生活を謳歌している。鮎川の発言を聞いているうちに彼は気づいた。その人妻を我が物にしたいという欲望を自分がいつしか抱いていることを・・・・。

今日の外出も大本が仕掛けた罠と言えた。夜の事務所で独りにし、机、キャビネットを全て施錠せずに放置しておいたこと。その人妻が例の計画についていろいろと嗅ぎ回っていることは、鮎川からも聞かされたし、大本自身も既に感じていた。

必ず資料を探し回るだろう・・・・・・
夜9時過ぎ、セキュリティ会社に電話をし、まだアラームが設置されていないことを確認した大本は、その人妻を拘束するため、急ぎ事務所に戻り、そっと室内に侵入したのだった。

=

「さあ、どうぞ、君枝さん・・・・・・」
大本は椅子に深々と腰を埋め、目の前の人妻にそう促した。

男の要求を承諾するような言葉を口にしたものの、しかし君枝は実際には行動に移ることができなかった。自らの下着姿をライトが照らし出す室内で露にすることに、君枝は躊躇を感じる。

「照明を・・・・・、照明を消してもらえますか・・・・・・・」
「それでは見たいものも見えなくなりますね・・・・・」

大本はそう言いながらも、その人妻の要求をあっさりと受け入れた。椅子から立ち上がり、事務所入口付近にある照明スイッチの場所まで歩くと、それを全てOFFにした。一瞬のうちに、事務所内は暗闇に包まれる。

「さあ、これでよろしいですか・・・・・」
大本は再び席に戻ると、君枝にそう言った。君枝は自分の要請を少しばかり後悔した。照明を全て落としたとはいえ、窓から入ってくる夜の光は、意外なほどに明るかったのだ。

目の前の眺めを十分に確認できるだけでなく、薄暗いだけに、逆に淫靡な雰囲気を演出し、それは君枝の背徳感を強く煽った。

いやだ、こんなの・・・・・・
戸惑いながら、君枝は川上に抱かれた夜のことを想い出す。あの夜、君枝は寝室に川上を誘導し、自らワンピースを脱ぎ去った。男に襲われるくらいならと、覚悟を決めて自らそうしたのだった。

しかし、今回は微妙に状況が異なる。自分に明らかに非があり、あの時のように強気な姿勢を打ち出すことはとてもできない。

「さあ、君枝さん、犯した罪に対する償いですよ・・・・・・」
大本のこの言葉に、君枝は何とか覚悟を固めようとする。ジャケットを脱ぎ去り、それをキャビネットの上に置く。そしてシャツのボタンに手をかけたが、しかし、なかなかそれを外すことができない。

「どうしましたか、君枝さん・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「罰を拒否されるのなら、私が執行するまでですよ・・・・・・・」

大本はそう言いながら、ゆっくりと椅子から立ちあがり、君枝のすぐ前に来る。緊張と激しい困惑、そしてかすかな興奮の予感に包まれ、君枝は動くことさえできない。

「こうやって脱ぐんですよ・・・・・・」
大本の手が君枝のシャツに伸びる。そして最上部のボタンに触れた。

「やめてくださいっ・・・・・・・・・」
囁くような声を発する君枝は、大本の手を払いのけようと、右手をそこに重ねる。しかし、大本はそれを無視し、強引に人妻のシャツを左右に引っ張った。

「いやっ!・・・・・・・」
ぶちっ、ぶちっ、という音とともに、ボタンが床に飛び散り、シャツの下に隠されたブラが一気に露にされる。男の荒々しいその行為に、君枝の体奥の何かが確実に反応している。

「奥さん、全部私にやらせるとこうなりますよ・・・・・・・」
上品なスーツ姿には似合わない言葉を、大本は平然と口にした。
「まさかそうして欲しいんじゃないでしょうね・・・・」

夫以外の男に乱暴に服を脱がされる自分の姿。君枝は大本に本心を衝かれたような気になり、一瞬言葉を失う。そして繕うように、何とか口にした。

「自分で・・・・・、自分でやりますから・・・・・・・・」
男に対抗するような視線をメガネの奥から何とか放ち、君枝は大本の体を押しやるような仕草を見せた。素直に後ろに下がり、大本は椅子ではなく、今度は机の上に腰をかける。

君枝はそんな大本を見つめたまま、シャツの裾をタイトスカートから引き出し、それを脱ぎ去り、床に置く。薄い暗闇の中、人妻の肢体の曲線が、よりはっきりとしたシルエットとなって浮かび上がる。

予想以上にいい体してる・・・・・・・
ベージュ色のブラのみを上半身につけ、膝丈のタイトスカートを履いた長身の人妻を前にし、何か個人会員制の高級人妻パブに来店したエリート官僚のような雰囲気を、スーツ姿の大本は漂わせていた。

恥ずかしげに胸の膨らみを隠しながら、その人妻は男の指示を待つかのように、そこに立っていた。大本はゆっくりとした口調で君枝に言葉をかける。

「スカートはそのままでいいですよ、君枝さん・・・・・・」
「は、はい・・・・・・・・」
「その代わり、その下のものを全部脱いでください・・・・・・・・」

=

「その下のものを全部脱いでください・・・・・・・・」
大本のその言葉に、君枝は一気に肢体が熱くなるのを感じた。

下着だけを脱げだなんて・・・・・
男の前でそんなことをする経験など、君枝には勿論なかった。早まる鼓動を自覚しながら、しかし、君枝は抵抗する余裕を全く持ち合わせていない。

いや、君枝の覚悟は男に対するささやかな抵抗といえたのかもしれない。人妻の下着を強引に脱がすという男の楽しみを奪い去るためにも、君枝は自らそれを脱ぎ去る決意をした。

外からぼんやりとした光が入る薄暗い室内で、まるでストリップ嬢のように、その人妻はスカートの下に手を伸ばす。パンスト、そしてブラと揃いのベージュのショーツを、君枝は大本の前で時間をかけて脱ぎ去った。そして再び腕を交差して胸を隠すような格好で、大本のことを見つめる。

「これでよろしいでしょうか・・・・・・」
男はこれ以上何か要求してくるのだろうか。そんな漠然とした不安を感じながら、君枝は肢体が何故か火照る様に熱いことに気づく。

いやっ、見ないで・・・・・・・
スーツを着た上司に、事務所内で至近距離からそんな姿を見られることで、君枝は妙な気分を感じ始めていた。大本は黙ったまま、人妻の肢体を値踏みでもするようにじっと鑑賞している。暗闇の中、君枝は何の言葉を続けることもできない。

思ったよりあっさりと服を脱いだな・・・・・・
大本は、その人妻の反応に少しばかり驚いている。恐らく優等生であったがために、自らの非を詫びようとする気持ちが大きいんだろう。開き直るほどの図太さは持ち合わせていないらしい。

そろそろいじめてみるか・・・・・・
大本が、鮎川との会話の中で最も関心を持ったのは、君枝がMの性向を持ち合わせているらしいということだった。

抜群のスタイル、そして知的な風貌を持つ人妻が、そんな欲望を隠し持っているという事実に、大本は酷く刺激された。それを実証するときが遂にきたことを、その弁護士は感じている。

「あれから痴漢には襲われないんですか・・・・」
大本はそう言いながら、座っていた机からゆっくりと立ちあがった。そして君枝のすぐ前に立ち、露になった人妻の両肩に手をかける。男に直接触れられ、君枝の肢体がびくっと小さく反応する。

「やめてください・・・・・・」
「まだあなたへの罰は始まったばかりですよ、奥さん・・・・・・」
大本は、君枝の背徳心を煽るため、敢えて奥さんと呼んだ。

「奥さんの被害状況を今一度、教えてもらえませんか・・・・」
大本はそう言いながら、君枝の肢体を反転させる。窓から外を眺めるように立たされ、そしてすぐ背後に大本が密着してくる。依然、彼はスーツを着たままだ。

「確か、背後から襲われたんですね・・・・・・・」
大本は君枝の耳元に息を吹きかけるようにそう囁きながら、その人妻のヒップをタイトスカート越しにそっと掴んだ。

いやっ・・・・・・・・
触れられた瞬間、肢体に震えるような感覚が走る。君枝はしかしそれを声に出すことができない。

「最初はこんな風にお尻を撫でられたんでしょう・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「違いますか?・・・・・・」

男の手でゆっくりとヒップを撫でられ、君枝に表現できない心地よさが押し寄せ始める。優しげなその手つきは、人妻の隠された欲求を知っていながら、敢えてそれを焦らすかのようだ。

あんっ、駄目っ・・・・・・・
瞳を閉じ、唇を噛んでみる。しかし、漏れ出す吐息がそれをこじ開け、君枝の口はかすかに開く。次第に大本の会話の中に自分が引きずり込まれていくことを、君枝はもう止めることができない。

「こんな風にされたんでしょう、電車の中で・・・・・」
「そ、そうです・・・・・・・・・」
催眠術で操られるかのように、君枝は大本の質問に素直に答え始めた。下着を既に剥ぎ取られ、スカートのすぐ下には裸のヒップがあった。それを確かに感じながら、大本は柔らかに熟れた人妻の肉体を存分に堪能する。

ああんっ、やめてっ・・・・・・・・
全く抵抗できない。君枝は自分の肢体が、男の術中にこれほどまでにたやすくはまってしまうことに、激しく戸惑っていた。

こちらに非がある以上、どうしてもいつもの勝気な自分が姿を見せない。その代わり、男を求める淫らな欲情が一気に頭をもたげつつあるのを、君枝は確かに感じていた。

=

いけない・・・・・、いけないわ・・・・・・・
大本にスカートを撫でられながら、男に貫かれることを妄想し始めた自分を、君枝は懸命に律する。しかし、飢えた人妻の欲求は簡単に消し去ることはできなかった。

川上に抱かれたのはもう2ヶ月以上も前だ。あれ以降、君枝は、通勤電車内で痴漢に遭遇し、その後、公衆トイレで自慰行為に耽り、更には顧客企業の常務に栄養ドリンクの瓶を使って弄ばれた。どれも濃厚な快感を君枝に与え、その人妻は何度も絶頂に昇り詰めた。

しかし、どの場面でも、君枝は男と体を交えてはいなかった。男が欲しい。逞しい肉棒で貫かれたい。無意識のうちに、君枝はそんな淫らな欲望を、痴漢行為や鮎川の陵辱に遭遇するなかで、更に濃厚に募らせていたようだ。

「こんな風に撫でられて、どんな気分でしたか、奥さん・・・・・・」
メガネの奥の瞳を閉じたまま、その人妻は耐えるようにそこに立っている。ヒップを撫で回す度に、かすかに吐息が乱れていくようだ。鮎川の言葉通り、やはり感度がいい人妻なのかもしれない。

「いい気持ちだったんでしょう、本当は・・・・」
「そんなこと・・・・・・・」
「それからどうしたんですか、男は・・・・・・・」

背後から少しずつその体を密着させ、大本は君枝にそう聞いた。上質なスーツの感触を直に肌で感じ、君枝は何故か異質な興奮を感じ取る。そして、その弁護士に、被害状況を正直に説明してしまう。

「スカートの中に・・・・・、指を入れられました・・・・・・・」
「ほう、そうですか・・・・・・・」
大本はそう答えながら、右手で素早くタイトスカートを捲り上げる。そして、人妻の美尻に直接触れた。

あんっ・・・・・・・・・
ショーツを履いていないというその状況に、大本は勿論、君枝もまた興奮を高めている。

「こんな風にですか・・・・・」
スカートの中で、大本は手のひらで君枝のヒップを覆い、それをいやらしく揉み始めた。
「あんっ・・・・・・、そうです・・・・・・・・」

ああんっ、そんなの駄目っ・・・・・・・・・
暗闇の中、上司に背後から刺激され、君枝は一気に追い込まれていく気がした。立っていられないような状態になるも、つり革がぶら下がっているわけでもなく、君枝は仕方なく、目の前のキャビネットに両手を突いた。

「いいお尻してますね、奥さん・・・・・・」
「あんっ・・・・・・、駄目ですっ・・・・・・・・・」
次第に本性を現すかのようなその大本の声色に、君枝はこれから自分を待ち受けていることへの不安、そして淫らな気分を同時に抱く。

「こんなことをしたんですか、その痴漢は・・・・・・・」
他人事のようにそうつぶやきながら、大本はスカートの中の行為を更に加速させていく。

キャビネットと自分の体の間に君枝を挟みこむようにしながら、男はその腕を少しずつ奥に移動し始めた。人妻の美尻の間に指先を侵入させ、ゆっくりとそれに向かっていく。

駄目っ・・・・・・、触らないでっ・・・・・・・
瞳を閉じたまま、キャビネットに手を突き、君枝はわずかに美尻を後方に突き出すような格好になっている。そのスカートの下を、大本の指先は進み、やがてそこに到達した。

「ああんっ・・・・・・・・・」
顎を少しあげ、君枝が思わず色っぽい声を漏らす。既に十分に濡れた秘所を、大本の指先は直接触れ、そして、その蜜と戯れ始める。

「奥さん、もうこんな気分なんですか・・・・・・・」
「違いますっ・・・・・・・・」
「襲われてるのに感じてたんですか、あのときも・・・・・・」
「違うっ・・・・・・・、違うわっ・・・・・・」

たっぷりと指を濡らしながら、大本は指の腹で人妻の泉を後方からかき回し始めた。君枝の肢体の反応が明らかに激しいものに転化していくのがわかる。

「すごく濡れてますよ、奥さん・・・・・・・」
「いやっ・・・・・・・・、あんっ、やめてっ・・・・・・・・・」

暗闇の中、上半身にブラだけをまとった人妻が、タイトスカートを捲くられ、男の行為に肢体をくねらせている。キャビネットにしがみつき、君枝は更に豊富な蜜を湧き出してしまう。

=====

「それから、どうされたんですか、男に・・・・・・」
罰と称したその遊戯は、君枝の隠された欲情を確実に刺激するものだった。

上半身にはベージュのブラ、そして下半身にはタイトスカートのみを身につけた人妻は、暗闇のオフィスで、背後にいる男に肢体をいじめられ、ぐっしょりと濡れている。

痴漢行為を再現しながら、大本は君枝への尋問を続けていった。弁護士の冷静な口調に、君枝はまるで、答えなければいけないような錯覚に陥ってしまう。乱れる呼吸を整えながら、人妻はあの朝のことを濃厚に思い出していく。

「スカートの下で・・・・、手を・・・、手を動かされたわ・・・・」
「どこにですか?・・・・・・」
「・・・・・前に・・・・・・・・、前にです・・・・・・」
「それでどこを触られたんです、奥さん・・・・・・・」

そう聞きながら、大本はその人妻が描写する通りに、スカートの中、右腕を前方へと移動させていく。パンストもショーツも既にそこからは剥ぎ取られていた。人妻の美尻、そして太腿を撫でながら、男の指先は君枝の美脚の間に黒々と繁る場所へと達する。

いやっ・・・・・・・・
自ら犯した罪への償いとして厳しく詰問され、君枝は抵抗の一端さえ示すことができない。こんなことまでされる必要はないと感じ、その人妻は何とか状況を変化させようとする。

「やめてっ・・・・・・、やめてください、大本さん・・・・・・・」
「どんな風に痴漢されたかお聞きしてるだけですよ、奥さん・・・・・」

男の指先がヘアをかきわけ、ゆっくりとその先に進む。よりはっきりとその濡れたものに触れられてしまうことを恐れ、君枝は腰をくねらせながら、懸命にその指から逃れる。

「こんな風に前方からされたんですね・・・・・・・」
大本は、快感のスポットを触れさせようとはしない人妻の行為を無視し、再びその指先を、湿った部分へと達し、そしてぐちゅぐちゅと指の腹で湧き出る蜜を刺激し始めた。

「ああんっ・・・・・・・・」
思わず君枝の口から、官能的な声が漏れてしまう。

駄目よ、こんなのっ・・・・・・・・・・
いったい大本は罰としての行為をどこまで続けるつもりなのか。車内での痴漢行為を全て再現するつもりか。それとも・・・・・。

「ここをいじられたんでしょう、男に・・・・・・・」
「ああんっ・・・・・・・」
「こんな風にですか、奥さん・・・・・・・・」
「あんっ、そうよっ・・・・・・・・・・」

大本の質問を肯定する君枝の言葉が、あたかも男の行為を歓迎するかのような匂いを漂わせてしまう。

人妻が素直に告白を続けるのを知り、背後から密着する男は、タイトスカートの下で、指を本格的に前後に動かし始めた。静まりかえる暗闇のオフィスで、その人妻の濡れた美肉の音が確実に響き渡る。

「あんっ・・・・・・・、やめてっ・・・・・・・・・」
「地下鉄でもそんな風に色っぽい声あげたんですか・・・・・・・」
「違うっ・・・・・・、違うわよっ・・・・・・・・・・」

次第に上司に対する敵意のようなものが、君枝の心底に芽生えてくる。オフィスで密かに極秘書類を探すという自分の行為は非難されるものだが、ここまでの要求を受けいれる必要もないはずだ。

男を激しく求める肉体の欲望に対抗するように、君枝は消え入りそうな理性を何とか奮い立たせてみる。

「やめてっ・・・・・・、もうやめてってば・・・・・・・・」
「奥さん、あなたに抵抗する権利はないですよ・・・・・・・」
「訴えるなり何なり、好きにすればいいわ・・・・・・・」

君枝の挑発的なその科白に、男の興奮は確実に刺激される。
これでこそ、いじめがいがある奥さんだ・・・・・・・
抵抗する人妻を追い込み、より濃厚にそのMの性癖を悦ばせてやろうと、大本は考える。

=

「では、痴漢の犯行を全て再現したら終わりにしましょう・・・・・」
大本はそう提案し、人妻の妥協を探ってみた。一定のゴールを示してやれば、そこまでこの人妻も耐えようとするだろう。大本はその我慢がどこで決壊するか試してやろうと思ったのだ。

「それで奥さんへの罰もおしまいです・・・・・」
「・・・・・わかったわ・・・・・・・・・」
君枝の口からその言葉を引き出すと、大本は再び指の動きを開始した。2本、3本と重ね、より深くまでそれを侵入させ、そして美肉をめくりあげると、その下の突起をくすぐるように弄り始める。

「こんなこともされましたか、奥さん・・・・・・」
「あんっ・・・・・、されたわっ・・・・・・、ああんっ、駄目っ・・・・・」
キャビネットに両手を突き、君枝は瞳を閉じたまま、通勤電車内でのことを鮮明に思い出していた。大本の質問の罠にひっかかるかのように、つい素直な告白をしてしまう。

「それでどうしたんですか、奥さんは・・・・・・」
「何も・・・・・・、何もしてません・・・・・、あんっ・・・・・・・」
君枝は唇を噛み、男の行為に何とか耐えようとしている。

男の言葉を信じるなら、あと少しそれをやり過ごせば、ここから解放されるはずだ。そのシナリオを懸命にイメージしながら、一方で、男の更なる行為を妄想する牝の欲情がそれを邪魔してくる。

駄目よっ・・・・、こんな男に隙を見せちゃ・・・・・・・
美尻をわずかに後方に突き出すような格好にさせられ、君枝は大本の指の攻めをただ堪えようとした。

「それからどうしたんですか、男は・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
あの朝の記憶が蘇り、君枝はまるで二人の男に犯されているような気分になってくる。男にフェアな戦いを挑むかのように、君枝は素直にあのときの様子を大本に告白し続ける。

「胸を・・・・・・・・」
「胸をどうされたんですか・・・・・・」
「胸を揉まれたのよ・・・・・・・」

タイトスカートの下では人妻の秘所から溢れ出る蜜が、更にその量を増したかのようである。そのまま指を挿入させながら、大本は左手を君枝の胸の膨らみに運んでいく。背後から完全に羽交い絞めにするような格好で、男は人妻の美乳に手のひらをかぶせた。

「ああんっ・・・・・・・・」
あの朝と違い、このとき君枝は既にシャツを奪われていた。人妻らしいベージュのブラを直接掴み、大本はその男をそそるような丘陵をじっくりと揉みしだいていく。

「あんっ・・・・・・・・・、ああんっ・・・・・・・・」
「どうだ、奥さん・・・・・・・・」
「あんっ、駄目っ・・・・・・・・・・、あんっ・・・・・・・・・」

君枝の喘ぎ声の間隔が、一気に短いものになっていく。苦しげに、背後の男にもたれかかるように身を任せ、人妻は抜群のプロポーションを誇るその肢体を大本に提供してしまう。

あんっ、そんな風にしないで・・・・・・・・・・
大本の乳房の愛撫は丁寧で、そして時に荒々しいものだった。緩急をつけながら、確実に快感を与える男の行為に、言葉では強気な科白を何とか口にする君枝も、完全に翻弄されてしまう。

「男は他にも何かしませんでしたか・・・・・・・」
「あんっ・・・・・・・・、知らないわっ・・・・・・・・」
「たとえばこんなことですよ、奥さん・・・・・・」

大本はそう言いながら、君枝の下半身を強く引き寄せ、タイトスカート越しに自らの股間を密着させた。スーツの下で、既に頭をもたげている硬いものが、確実に人妻の肢体を刺激する。

いやっ・・・・・・・・
それは確かにあの大矢という男が犯した行為と同じものだった。あのときも、君枝はその硬いものをスカート越しに確かに感じ、更に濃厚に濡らされた。そして今もまた・・・・。

「こんなことされたでしょう・・・・・・・」
立ったまま、人妻のタイトスカートを捲り上げ、右手を秘所に挿入し、左手でブラの上から乳房を揉みしだく大本。そして今、下半身をぐりぐりと君枝の美尻に押し付け、その人妻を更に狂わせる。

「あんっ・・・・・・、そうよっ・・・・・・、されたわよ・・・・・・・」
メガネの奥で瞳を閉じたまま、君枝は大本の硬直した肉棒を夢想しつつ、そう告白する。

=

乳房、そして秘所を背後から同時に刺激され、ヒップには男の下腹部を押し付けられる人妻。その硬いものを確かに感じ、君枝は肢体を更に熱くさせた。

「こんな風にされたんですね、奥さん・・・・」
ブラの上から人妻の美乳を存分に揉みしだきながら、大本は更に言葉を重ね、君枝をよからぬ方向へと導いていく。

「あんっ・・・・・・、そうよっ・・・・・・」
「ここですか、奥さん・・・・・・」
タイトスカートの下の指先を重ね、大本は濡れた淫肉の更に奥深くへとそれを挿入させた。

「ああんっ・・・・・・、そこっ・・・・・・・」
大本の言葉を肯定する君枝の姿は、もはや男の行為を追認し、そして更にそれを要求しているように響いてしまう。

「いいんですよ、奥さん、もっと気持ちよくなっても・・・・・」
スーツを着たままの大本に耳元でそう囁かれ、君枝は何も言葉を返すことができない。人妻のうなじの辺りに舌を這わせながら、大本はブラの肩紐をゆっくりとずらしていく。

「あんっ、やめてっ・・・・・・・・・」
人妻の抵抗の言葉には、官能の色が濃厚に含まれている。ブラの下、露にされた君枝の乳房が暗闇の中で誘惑気なシルエットを浮かばせた。大本は手のひらで柔らかなそれを直接包み込む。

「はあんっ・・・・・・・・」
「いやらしい体してますね、奥さん・・・・・・・」
「あんっ、いやっ・・・・・・・・・」
「これなら痴漢に狙われても不思議じゃない・・・・・・・・」

乳房の先端を直接つまみ、柔らかな全体を愛撫しながら、大本は右手をスカートから抜き出し、君枝の口元に持っていった。そして蜜で濡れた指を重ね、それを強引に人妻の舌に絡めていく。

「あんっ・・・・・・・」
理性とは裏腹に、勝手に肉体が反応してしまう。君枝は戸惑いながらも、いつしか男の指先をいやらしい仕草で舐め始める。

「欲しいんだろう、男が・・・・・・」
「違うっ・・・・・・・、違うわっ・・・・・・・・」
「もっといじめてやろうか・・・・・・・・」
「これで終わりにするって言ったじゃない・・・・・・・」

瞳を閉じたまま、そう抵抗する君枝の言葉に、どうされてもそれを受け入れるといった匂いが漂っていることを、大本は見逃さなかった。舌と戯れている指先でその人妻の顔を後方に振り向かせ、男は素早く唇を重ねる。

「あんっ・・・・・・・・」
突然、男の濃厚な舌先を感じたかと思うと、それは素早く人妻の口内に侵入してきた。逃げることもできず、君枝はただそれを受け止め、そしてそれに同意するかのように、ゆっくりと吸い上げる男の行為を全て許してしまう。

立ったまま上司に背後から抱きかかえられ、君枝は唇を情熱的に吸われた。相手がスーツを未だ着ていることで、より濃厚な背徳感を感じてしまう。

キャビネットに突いていた両手を、いつしか背後の男の体にまわし、君枝は大本とその肢体をしっかりと絡み合わせた。露になった乳房を隠そうともせず、それをじっくりと揉まれ、唇を吸われ続ける。

「どうされたいんだ、奥さん・・・・・・・・」
唇を離し、大本は君枝を試すように、そう囁きかけた。メガネの奥で瞳を開き、君枝は男をきつく見つめ返す。秘所を刺激していた指がいったん去ったことで、君枝はかすかに冷静な心を取り戻している。

「もうおしまいにするっていう約束でしょう・・・・・・」
「いいのかい、本当におしまいにして・・・・・」
大本が強く乳房を揉みあげ、君枝は再び目を閉じ、声をあげる。

「あんっ・・・・・・・・・」
「もっと罰が欲しいって思ってるんだろう・・・・・・・・」
「自惚れないで・・・・・・、あんっ、駄目っ・・・・・・・・・」

強気に抵抗しようとする人妻の乳房を荒々しく揉みながら、大本は君枝の吐息を再び乱れたものへと転化させていく。罰が欲しいだろう、というその言葉が、人妻のMの性向を確実に刺激するのを、男は巧妙に計算している。

=

「ここがどんな風か、もう一度見せてもらいますよ・・・・・・」
大本は自分の体に絡まっている君枝の両腕を、再び前方のキャビネットに突かせた。そして人妻の腰のくびれを掴み、それを後方に突き出すような格好にさせる。

「やめてってば・・・・・・・」
言葉とは裏腹に、君枝は激しく抵抗することができない。

これで終わりのはず、と何度も口にしながら、君枝はしかし、更なる男の行為を、どこかで待ち望んでいた。男にされるがままに、タイトスカートを腰の辺りにまで捲り上げられ、人妻は丸みをおびた美尻を完全に露にされる。

「いやっ・・・・・・・・」
肢体をくねらせる人妻の姿を堪能した後、男はその指先を、君枝の濡れた部分に挿入し、音を立てて激しく前後に往復させ始めた。

「あんっ・・・・・・・・、そこは駄目よっ・・・・・・・」
「もうとろとろじゃないですか、奥さん・・・・・・・」
淫らな表現を口にしつつ、大本は腕の動きを加速させ、少しずつ君枝の美脚を左右に広げていく。暗がりのオフィス内で、淫らに腰を突き出し、脚を広げる人妻の姿が妖しく浮かびあがる。

「あんっ・・・・・・・・・・、ああんっ・・・・・・・・・」
どうすることもできない。キャビネットにしがみつく君枝は、後方から男の指で激しく犯され、ただ嬌声をあげるだけであった。

「どうだっ・・・・・・、いいんだろう、奥さん・・・・・・」
「ああんっ・・・・・、あんっ、駄目っ!・・・・・・・・・」

あんっ、おかしくなっちゃう・・・・・・・
快感と冷静さの間を激しく往復しながら、君枝は確実に追い詰められていた。この遊戯を終えることを男に要求することなく、その人妻は顎をあげて声を漏らし続ける。

息をとめる風に懸命に耐えた後、我慢できず、体奥から喘ぎ声を吐き出す人妻。あんっ、あんっ、というその声には、男に屈しようとする自分への憤りと、それをはるかに上回る快感が含まれているようだ。

「あんっ・・・・・・・、ああんっ・・・・・・・」
「ほら、腰を動かしていいんですよ、奥さん・・・・・・・」
「ああっ、駄目っ・・・・・、やめて、そんなこと・・・・・・・・・」

手首まで濡らし、男は荒々しくその指先を往復させる。それにあわせ、人妻はその美尻を前後に振るような仕草を見せ始める。

「そうだ・・・・・、そうやってもっと動いて・・・・・・」
「あんっ・・・・・・・・・、ああっ、駄目っ・・・・・・・・」

激しく悶える人妻を確認し、大本はその行為を更にエスカレートさせることにした。

いったん、君枝の肢体から離れ、大本はそれまで着ていたスーツの上着をようやく脱ぎ去り、それを丁寧に自分の机に置いた。そして濃いワインレッド色のネクタイをゆっくりと外すと、それを手にしたまま、再び人妻の背後に近づく。

「たっぷり悦ばせてあげますよ、奥さん・・・・・」
大本はそう言いながら、君枝のしなやかな両腕を力強く掴む。そしてその手首を束ねて背中に回し、ネクタイで素早く縛り上げた。

「どうするつもりなの・・・・・・・・」
腕をきつく縛られ、快感に翻弄された表情のまま、君枝は後方を振り向き、薄暗闇の中、上司を見つめる。

「犯罪者はこうされるのが当然ですよ・・・・・・」
ネクタイを取り去り、白いワイシャツのボタンを1つ外した大本が、部下である人妻の美尻を撫でながらそう囁きかける。スーツ同様、そのシャツもまた、上質な生地を使用した高級なものであった。

大本は君枝の肢体を掴むと、自分の方に向かせて立たせた。背中で両手を縛られている君枝は、どうにも抵抗することができない。

立ったまま、大本と君枝はしばらく見つめあった。君枝の潤んだ瞳の奥には、わずかに抵抗の炎が感じられる。窓から入る光だけが支配するその暗い事務所には、淫靡なムードが漂っていた。

「駄目でしょう、奥さん、あんなことをしちゃ・・・・・・・」
大本は改めて君枝の行為を非難した。男の思惑通り、それは人妻の抵抗心を萎えさせてしまう効果を持ち合わせていた。立ったまま、君枝はわずかに唇を噛み、目の前の上司をきつく見つめる。

「この体をご主人に可愛がってもらってるんですか・・・・・」
大本はブラのホックを外し、それを完全に上方にずり上げた。形のいい君枝の美乳が男の目の前に露にされる。君枝がいやがるように両手を背中で縛られた肢体を揺り動かす。

構わず大本は、人妻の瞳を見据えたまま、その乳房をゆっくりと揉みあげ、そして乳首をつまんだ。

=====

両腕を男のネクタイで後ろ手に縛られたまま、人妻は男の目の前で立っていた。ブラのホックが外され、形のいい乳房が暗闇の中、くっきりとその輪郭を浮かび上がらせている。

視線から逃げることなく、男を見つめ返す人妻。勝気なその表情が、美乳の先端を男の指で刺激されることで、淫らにゆがんでしまう。

「あんっ・・・・・・・・」
君枝は大本の瞳を見据えたまま、小さな喘ぎ声をあげた。

「あんなに声出して・・・・、早くしたくてしょうがないでしょう・・・・・・」
指の行為で散々に嬌声をあげたことを人妻に思い出させながら、男は正面からじっくりと乳房を揉み始める。両手が背後で縛られているため、人妻の美乳はあまりに無防備であった。

ああんっ、駄目よ・・・・・・・・・
ネクタイで腕を縛られた後、湧き出る蜜の量が増したような気分を君枝は感じていた。それは鮎川にあの役員個室で陵辱されたときと同じであった。

あのときも、椅子に縛られたことで、人妻の快感は曲線を描いて一気に駆け上ってしまった。自分の中に、そんな性向が隠されていたことを改めて知り、君枝の鼓動は少しずつ速まっていく。

「まさか、感じてるんですか、奥さん・・・・・・」
硬くなった美乳の先端を指先でいじりながら、大本は長身の体をかがめ、唐突にそこを吸い上げてやる。

「そんな訳ないでしょ・・・・・・、あんっ、やめてっ・・・・・」
瞳を閉じ、君枝は体奥からの喘ぎ声を再び漏らし始める。

大本は音を立てながら、人妻の乳首をいやらしくしゃぶった。手で優しげに揉まれ、唇で吸われ、そして罰を付与されるかのようにそれを噛まれる。男の全ての行為に君枝は声を漏らし、その肢体から抵抗の力を奪われていく。

「どうです、奥さん・・・・・・・・」
「あんっ・・・・・・・・、ああっ、やめてっ・・・・・・・・・」
大本は立ったまま人妻の乳房を舐め続け、正面からタイトスカートの中に手を突っ込んだ。そして美脚の根元にまで素早く到達させ、改めてそこを指先で攻め始める。

「ああんっ・・・・・・・、駄目っ、そこは・・・・・・・」
「さっきよりもっと濡れてるじゃないですか、奥さん・・・・・・」
「あんっ・・・・・・・・・」
「縛られて興奮してるんでしょう、奥さん・・・・・・・」
「違いますっ・・・・・・・・・・・・、ああっ、いやんっ・・・・・・・・・」

人妻の性欲の証左のように、その美肉は熱く濡れている。大本はそこを重ねた指でぐいぐいと犯しながら、君枝の背中に手をまわし、その細い肢体を抱き寄せる。

「もっといじめてあげましょうか、奥さん・・・・・・・」
「いやっ・・・・・・・、あんっ、駄目っ・・・・・・」
君枝は立っていられない状態になり、男の行為に甘えるように、その体にもたれかかった。人妻に体を密着させ、大本は君枝の唇を再び吸い上げる。

「あんっ・・・・・・」
もう逃げることはなかった。人妻の舌は素直にそれを受け入れ、そして大本の舌を自ら求めるように、いやらしく絡みあってくる。恋人同士のような接吻を交わしながら、大本は人妻の口から更に我慢できないような声が漏れだすのを感じる。

そろそろ与えてやるとするか・・・・・・・・
大本は君枝の背後に手を回し、その手首を拘束していたネクタイをいったん解いてやった。腕に絡まっていたブラが床にはらりと落ち去り、君枝の裸体にはタイトスカートのみが残される。

両腕が解放された人妻を抱きしめ、男はその濡れた唇を改めて吸い上げた。長身の上司に抱かれたまま、君枝はその腕で大本の肩の辺りを掴む。そのままの体勢で、大本は人妻に静かに囁きかける。

「奥さん、これを最後の罰としましょうか・・・・・・・」
大本は君枝の右腕をとり、そしてそれを自らの股間へと誘導した。そして、スーツの上から強引に、その下に隠されたものに触れさせる。

「いやっ・・・・・・・」
君枝は思わず右腕を強く引き、それから逃げようとした。

「これは罰です・・・・・、罪を償うつもりなんでしょう、奥さん・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「これを悦ばせてください。それがあなたへの最後の罰です・・・・・」

一瞬だけ右手が触れたそれは、明らかに硬く変貌しているようだった。夫以外の男の淫棒。残された理性でいくら懸命にそれを拒絶しても、一度知ってしまったその感触は、決して消え去ることはなく、人妻の欲情を執拗に誘い始める。

=

「奥さん、触らずにはいられないでしょう、これを・・・・・・・」
抱き寄せた君枝の肢体に、大本はその硬いものをぐいぐいと押し付けてきた。

いやよ、そんなこと・・・・・・・・
そう感じながらも、君枝の手に残されたその感触は、時間とともに色濃く押し寄せてくる。男が欲しい、激しく貫かれたい、という隠された欲情が自分を支配しようとしているのを君枝は感じていた。

いけない・・・・・・、いけないわっ・・・・・・・・・・
淫らな妄想を懸命に振り払おうとする君枝に、「犯した罪」という大本の言葉が改めてのしかかって来る。性への渇望と自責の念に押し切られるように、君枝の口から抵抗の言葉が出ることはなかった。

「さあ、奥さん、罰は甘んじて受けないと・・・・・」
大本は再び人妻の右手をとり、それを自分の腹の辺りに誘導する。そして手を重ね合わせたまま、自らの脇腹の上でそれをゆっくりと往復させた。シャツの上からでも、上司が筋肉質で引き締まった肉体の持ち主であることが君枝にはわかった。

「そうです、そうやって撫でるだけですよ、奥さん・・・・・」
瞳を閉じたまま、君枝は自分がどこかに連れ去られるかのような気分に襲われていた。大本の声がどこからか聞こえ、それにあわせ、右手で男の脇腹周辺を撫で続けているのを感じる。

男の体に触れてしまったことが、君枝の理性を完全に消し去ってしまったようだ。それは大本の狙い通りでもあった。

「お上手ですよ・・・・・・・」
いつしか大本はその手を君枝の手から離していた。立ったまま抱き合う男の腹部を、人妻は男の手を借りることなく、ゆっくりと撫で続けている。

「さあ、奥さん、もう少し下です・・・・・・」
大本に誘導されるまま、君枝はその指先を下に向けた。そしてベルトをゆっくりと越え、男のそれが隠された箇所をスーツ越しに撫でる。

ああっ、駄目っ・・・・・・・
その硬さを改めて感じながらも、君枝は最後の躊躇を見せるかのように、その手を再び逃がしてしまう。

「奥さん、そこだ・・・・・・・」
大本が改めてそう口にし、君枝の右手を取った。そして既に8割がた頭をもたげている肉棒が隠された箇所に、それを運び、スーツの上からそれをしごきあげるような動きをした。

「いやっ・・・・・・・」
囁くような君枝のその声には、強い抵抗の意志は感じられない。

「これはあなたへの罰でもあり、ご褒美でもありますよ・・・・」
大本の手から、君枝はもう逃げようとしなかった。男の手に促されるがままに、人妻は控えめながらもその箇所で手のひらを上下させ始める。そしてしばらくの後、大本がその手をゆっくりと離した後も、君枝はその動きを続けた。

「お上手だ、奥さん・・・・・・・」
少しずつ、君枝の右手の動きに力が加わっていく。依然として瞳は閉じたまま、人妻は上司のものをスーツ越しに本格的に奉仕し始めた。

「奥さん、私はもう何も言いませんから・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「どうぞ、好きなように、それをよくしてやってください・・・・・・・」

大本のその言葉は、あたかもその人妻の閨房でのテクニックを見せてくれ、と要求しているようでもあった。性に淡白な夫しか知らずに過ごしてきた君枝は、特段、何の技巧も持ち合わせてはいない。

しかし、かえってそれが大本を興奮させた。あからさまに淫らな女は彼の好みではない。表面上は清楚で、そして知的さを漂わせる人妻が、牝の本能に押し切られるように、次第に男を欲しがり始めるその態度にこそ、彼は刺激され、そしてスーツ下のものをどこまでも硬くするのだった。

ああっ、硬いわ・・・・・・・・
罪を償っているだけ、と何度も自分に言い聞かせながら、君枝はいつしか自らの欲望に服従していた。男を満足させようとするその淫らな行為を通じ、その人妻は更にいやらしく濡れていく。

「いいんですよ、奥さん、直接触っても・・・・・・・・」
控えめながら、右手を動かし続ける人妻の顎をとり、大本はまた接吻を要求した。

「あんっ・・・・・・・」
小さな声をあげながら、君枝は男と舌を吸いあう。大本に激しく舌を絡められ、君枝はそれに刺激されたかのように、その本能を曝け出してしまう。

キスを交わしながら、その人妻は男のスーツのベルトに手をかけた。ゆっくりとそれを緩め、ズボンのボタンを外すと、君枝はしなやかな右手をその中に滑り込ませていく・・・・。

=

暗い室内、抱き合うように立つ男と女。口付けを交わしながら、男は女の柔らかな乳房を愛撫している。そして女の右手が、ボタンが外された男のズボンの隙間から、その中へそっと忍び込んでいく。

「奥さんのテクニック次第で、この罰は早く終わりますよ・・・・」
テクニックなどという単語を敢えて用い、大本は人妻の指先の行為を煽り立てた。それに動じることもなく、君枝の右手は指先を下方に向け、ゆっくりと降りていく。

大本の素肌を感じ、そして豊富に繁る男のものをかき分けながら、君枝は更に指を降ろしていき、そしてその根元へと到達させた。

ああっ、硬いわ・・・・・・・・
瞳を閉じたまま、依然として君枝は大本のキスを受け入れ、そして乳房を揉みしだかれている。押し寄せる快感の波に漂いながら、その人妻は上司の肉棒に直に触れた。

既に硬く、太いものへとそれは変貌している。手で触れただけで、その大きさを君枝は知らされた。夫のものとは違う。川上のものと同様に、それは圧倒的な存在感を人妻に伝えるものだった。

「さあ、奥さん、どうやるんですか、いつも・・・・・」
上司のその言葉に、君枝は返事をしなかった。キスをやめた二人は、再びじっと見つめあう。君枝は上司の視線から逃げることなく、きつい感情を瞳に湛えたまま、ゆっくりと右手を上下させ始めた。

「ああっ、奥さん・・・・・・、いいぞ・・・・・・・」
挑発的な人妻の視線、そしてその手つきに、大本はさすがに興奮を隠すことができない。

「これで・・・・・・・、これで満足なの?・・・・・・・・・」
男の肉棒を手のひらで握り、その太く長い棹を君枝は上下にしごいていく。挑戦するような言葉を口にする人妻に鋭い視線で見つめられ、大本はしばらく主導権を相手に譲ることにした。

「奥さん、なかなかうまいな、旦那にもこんなことしてるのか・・・・」
「しないわ、こんなこと・・・・・・・」
美乳を愛撫され続け、喘ぎ声を我慢するかのような口調で、君枝は大本にそう答える。

立ったまま、男の肉棒を手で奉仕する。そんなことは、事実、夫にしたこともなかった。その人妻はただ、本能に導かれるままに男のものを刺激し、そしてそんな行為から自らの興奮をも確実に得ていく。

「ああっ、いいぞ、奥さん・・・・・・・」
苦しげな表情で大本が深い息を吐き出す。それを見て、人妻は右手を更に激しく上下に動かす。棒の先端から少しずつ湧き出る液体に指を湿らせ、君枝は男が早く達してしまうことを願った。

このまま満足させれば、このゲームも終わるはずよ・・・・・・・
大本はキスも要求せず、そして乳房への愛撫もやめた。与えられる刺激が減り、消え去ったと思われた理性をかすかに取り戻した君枝は、一気に男を押し切ってしまおうと目論んだ。

「どうなの・・・・・・、ねえ・・・・、気持ちいいんでしょう・・・・・・」
そんな言葉を臆せず口にする自分が、君枝には別の人間のように思えてしまう。

しかし、そのときの自分には、そんな娼婦のような態度こそが求められていることを君枝は知っていた。淫らな自分を演出し、男を放出へと早く導き出す。君枝は自分自身をも濃厚に濡らし、息を乱しながら、右手で激しく男の淫棒を刺激した。

「ああっ、奥さん・・・・・・・」
「さあ・・・・・、早く・・・・・・・、いいのよ出しても・・・・・・・」
「いいのかい、奥さん・・・・・・・」
「いいわ・・・・・・、早く・・・・・・、早く出しなさいよ・・・・・・・」

メガネの奥で瞳を潤ませ、囁きかけてくる人妻を堪能しつつ、大本はまだ十分な余裕を感じている。限界が近いのを装い、人妻をこの遊戯に深入りさせようとした狙いは、どうやらうまくいったようだ。

「奥さん・・・・・、これじゃあなたへの罰は終わらないよ・・・・・」
限界を匂わせていたそれまでの言葉とは一転して、大本は君枝に更なる行為が必要であることをクールな口調で告げた。

「手で満足させられないのなら、別の方法でやらないと・・・・・」
「どういうこと・・・・・・・・・」
右手の動きを停止し、君枝は大本の目をじっと見つめる。

「それぐらいわかるだろう、奥さん・・・・・・・・・」
人妻の背中に腕をまわし、男はその肢体を力強く抱き寄せる。罰の執行者でもあるその男に見つめられ、君枝は自分が逃げようのない場所にまで入り込んでしまったことを悟る。

=

イキそうだなんて嘘だったんだわ・・・・・・・
逞しい肉棒を持つその上司の持続力が、まだわずかしか披露されていないことを知り、君枝は自分への罰の終着点を完全に見失ってしまった。男が何を要求しているのか、君枝には勿論わかっている。

逃げることはできない。ならば、何とかこの上司を早く満足させるだけだ。決意した人妻が無言のまま、上司の前にゆっくりとひざまずく。

「さあ、脱ぎなさいよ・・・・・・・・」
タイトスカートから覗く両膝を、揃えたまま床につけ、君枝は大本を見上げ、そう要求した。上半身裸の人妻を自分の前でそんな格好にさせたことに、大本は心地よい満足感を味わっている。

「奥さん、あなたが犯した罪に対する罰だよ、これは・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「自分で脱がさなきゃ駄目だ・・・・・・・」
「・・・・・・わかったわ・・・・・・・・」

それぐらいの覚悟はできていることを男に示すように君枝はそう答えると、上司のスーツに手をかけ、ゆっくりとそれを下方に下ろした。

脱がし終えると、人妻はトランクスに手をかけた。躊躇することなく、君枝はそれも完全に下にする。隠されていた男のものが姿を現す。暗闇の中、それは人妻の目にもしっかりと確認できた。

ああっ、凄い・・・・・・・・
トランクスを脱がすと、その下から弾け出すように、その硬いものは上方に力強くそそり立った。それを目にするだけで、君枝は激しく愛撫され、肢体を犯されているような気分にさせられる。

それに荒々しく貫かれる自分を妄想してしまう。抑えこもうとする自分の性欲が、男のそれをただ欲しがり、蕩ける蜜を溢れ出していることを、君枝は感じている。

「奥さん、変なこと考えてるんじゃないでしょうね・・・・・・・」
上から見下ろしながら、大本は君枝の本心を見透かすかのようにそう声をかけた。
「勘違いしないで・・・・、何も考えてなんかないわよ・・・・」

「さあ、どうやって満足させてくれますか、奥さん・・・・・・・」
君枝はそれに答えることなく、改めて男のものへ手を伸ばした。優しげにそれを撫でながら、ゆっくりと顔を近づけていく。

藤色のフレームが暗闇の中でも確認できるそのメガネをかけたまま、君枝は瞳を閉じ、そして男の先端にそっとキスをした。

「ああっ、奥さん・・・・・・・」
濡れた唇で君枝は何度もそれにキスを繰り返す。そして次第に舌を絡め、カリの周辺をいやらしく舐め回していく。

「いやらしい顔だ・・・・・・」
大本の言葉を無視するかのように、君枝は時間をかけてその先端をしゃぶり続けた。そして裏筋から根元まで舌先でくすぐるように戯れながら、やがて男の肉棒をゆっくりと呑みこんでいく。

「奥さん、いいぞ・・・・・・・・」
男のそれ自体が意志を含有して自分の口内を刺激してくるような、そんな気分に君枝は襲われる。それほどに男のものは硬く、そして生命力に溢れていた。

あんっ、凄く硬いっ・・・・・・・・
君枝の口から漏れだす、ちゅぱちゅぱといういやらしい音が、薄暗い室内に響き始める。ゆっくりと顔を往復させ、先端から中ほどまでを君枝は咥えていく。

人妻の口が奏でる淫靡な音の頻度が次第に高まり、君枝自らもかすかな声を漏らしながら、激しくその顔を前後に動かし始めた。

「奥さん、もっとエッチな顔でできるだろう・・・・」
罰の執行者の要請に応えるかのように、君枝は顔にかかる髪を掻きあげ、閉じていた瞳をわずかに開いた。男を見つめながらその硬いものに奉仕する行為は、君枝の興奮を加速させる。

ああんっ、いやらしい・・・・・・・・
自分自身の行為に激しく戸惑いながらも、君枝はそれをやめようとはしなかった。男の汁と唾液を淫らに混ぜ合わせ、君枝はどこまでもいやらしくそれをしゃぶり続ける。

全裸に黒いタイトスカートのみを身につけた人妻が、床にひざまずき、上司のものを淫らに奉仕している。しゃぶる女に見つめられ、大本の興奮もまた、確実に増していた。美しい人妻の視線に我慢できないように、大本は腕を伸ばし、その頭を強く掴む。

「さあ、奥さん、こんな風にやるんだ・・・・・・・」
大本は人妻の頭を乱暴に前後させ、自らの肉棒でその口内を犯し始めた。

あんっ、駄目っ、そんなの・・・・・・
一転して男に襲われるような気分になり、君枝はより激しい声を体奥から漏らし始める。

=====

「あんっ・・・・・・、はあんっ・・・・・・・・・・」
肉棒を咥えたまま大本に頭を掴まれ、それを激しく前後に往復させられる。喉奥から声を漏らし、君枝はそんな行為を強要される自分自身に激しく興奮していた。

それまで一貫して守勢を貫いてきた男は、一転して獣のような本性を見せ始めた。指先で散々に秘所を弄られたときの快感が、君枝の肢体に瞬く間に蘇る。

いやっ、こんないやらしいこと・・・・・・・
それは、確かに君枝の隠し持つ性向を刺激する行為であった。力強い男に、その肉棒を強引に口内に侵入させられる。いじめのような男の行動に、その人妻はただ快感のみを感じてしまう。

「どうだ、こうやっていじめられるのは・・・・・・・」
「ううっ・・・・・・・・、ああんっ・・・・・・・」
苦しげな声を漏らしつつ、君枝は男の肉棒を欲深くしゃぶり続ける。

あんっ、駄目っ・・・・・、いじめないで、こんな風に・・・・・
そう思いながらも、君枝は、体奥では全く別の欲情を抱いている。もっと激しく、汚して欲しい。その屈折した欲望に戸惑いながら、君枝にはもうそれを押し留めることなどできない。

君枝の表情に悦びの色が浮かんでいることを知り、大本はそろそろ頂点にまで昇らせようと考える。遂にこの人妻を自分のものにすることができると確信し、男は珍しく、はやるような気分を感じる。

その人妻が事務所に初めて出社した日、大本はそこに漂う濃厚な色気に魅せられた。美しく、抜群のスタイルを持つ人妻。しかし、大本が惹かれたのはそれだけではなかった。

男好きのするその知的な表情は、存分に啼かせてやりたい、と男に思わせる雰囲気を備えていた。色気というほかない、そんなムードを持ち合わせるその人妻に、大本の欲情は妖しく乱された。

大本を更に刺激したのは、君枝が東大卒という事実であった。彼自身、東大に2度挑戦し、結局その望みが叶うことはなかった。

以来、それをトラウマとして体奥のどこかに抱えながら、大本は某私立大学を経て、難関の司法試験を突破、自らの法律事務所を開くまでに上り詰めた。

そんな彼が、その人妻を羨望と嫉妬の混じった視線で当初から眺めていたとしても、無理のないことである。大本は、その人妻を抱く妄想をいつしか胸中に描くようになり、そして今、それが現実のものとなることを確信した。

「結局、満足はさせられなかったようですね、奥さん・・・・・」
大本はゆっくりと硬いものを人妻の口から抜き去り、床に座る君枝にそう伝えた。

「これじゃ、罰をクリアしたとはいえませんな・・・・・・」
そう言いながら、大本は君枝の肢体に手を差し伸べ、再びその人妻を自分の前に立たせる。暗闇の中でも、君枝の表情が上気したように火照っていることがわかった。

「さあ、今度は何をしてくれますか、奥さん・・・・・・」
人妻の体を反転させ、男は背後からその裸体を抱きしめる。美乳を揉みしだき、いやらしく耳元で囁けば、その人妻はメガネの奥の瞳を閉じ、顎をあげながら再び悶え始める。

「やめてっ・・・・・・・、あんっ・・・・・・・・」
「もう満足させるには最後の方法しかありませんよ・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「覚悟はできてますね、奥さん・・・・・・・・」

背後から再び男に肢体を愛撫され、君枝は冷静な思考を展開することができなかった。肉棒を口でいやらしく奉仕した感触が、未だ人妻の裸体に残されている。更なる快感を欲求しようとする自分を、君枝はもう抑えることができない。

「どうですか、奥さん・・・・・」
ぐっしょりと濡れた秘所に指を伸ばし、大本は人妻を追い詰める。
「あんっ・・・・・・・・、いやっ・・・・・・・・」

「こんなに濡れて欲しがってますよ・・・・・」
指先を何度も挿入され、そしてかき回される。潤った音とともに、君枝の色っぽい声が漏れだす。

「ああんっ・・・・・・・・・、ああっ、駄目っ・・・・・・・・・」
「そろそろ次の罰を受けたいでしょう、奥さん・・・・・・」
耳元で囁きながらきつく抱きしめてくる大本の腕に自らの腕を絡め、君枝はもう抵抗しようとはしない。

「好きに・・・・・・、好きにすればいいわ・・・・・・・」
何とかそう言葉を搾り出すのがやっとだった。君枝は体奥で燃え出した官能の炎を、男にどうにかしてほしいような気分になっていた。



夫の幼馴染である川上に抱かれ、君枝は初めて男のたくましさを知った。車内での痴漢、そして訪問先で出会った鮎川。双方に肢体を好きなように陵辱され、君枝はたっぷりと濡らされたが、しかし遂に挿入されることはなかった。

自慰でも擬似行為でもなく、現実に男の硬いものに貫かれたい。君枝は、自分でも戸惑うほどに、それを求めていた。

「いい覚悟だ、奥さん・・・・・・・・」
好きにして、と肯定の意味にも受け取れる言葉を口にした人妻の美尻を、男がそっと撫でる。そしていつしか床に脱ぎ去られていた君枝のパンプスを拾い上げ、それを再度履くように命じた。

「いやっ・・・・・・・・」
嫌がる人妻に、男は強引にそれを履かせる。黒く、飾り気のない、プレーンなパンプスであった。

「どんな格好で犯されたいですか、奥さん・・・・・・」
人妻のMの本性を見透かしたような言葉を投げかけ、大本は君枝の肢体を窓際のキャビネットの辺りに誘導する。そしてそこに人妻の両手を突かせ、先程指で散々にいじめたときのように、美尻を後方に淫らに突き出させた。

「お綺麗ですよ、奥さん・・・・・・」
タイトスカートをいやらしく捲り上げ、濡れた美肉を指先でくすぐりながら、男は人妻の足首を蹴るような仕草をし、その美脚を広げさせる。そして腰のくびれを力強く掴むと、限界にまで硬直したものを、その位置にあてがう。

あんっ、入っちゃう・・・・・・・・・
瞳を閉じたまま、君枝は男のものの存在をそこに感じ、逃げることなくただその瞬間を待った。

「入れますよ、奥さん・・・・・・・」
大本がゆっくりとその腰を押し出していく。濡れた壁を押しのけるように、その巨大なサイズのものは、先端からその姿を人妻の秘所の中へと沈めていく。

ああっ、駄目っ・・・・・・、あんっ、入ってくる・・・・・・・・・
唇を噛みながら、君枝は男に隙を見せないかのように、声をあげるのを堪えた。しかし、それはあまりに難しいことであった。男のものが先端から中ほど、そして奥にまで到達するのを感じ、君枝は声を漏らさずはいられない。

「ああっ・・・・・・・・・・」
「奥さん、もっと奥まで入れましょう・・・・・」
「ああんっ・・・・・・・・あんっ!・・・・」

ああっ、凄い・・・・・・・・・
男は根元までそれを挿入したまま、動こうとはしない。ただそれだけで、君枝はその肢体が宙に浮くかのような感覚に包まれる。

「さあ、これがあなたへの罰ですよ、奥さん・・・・・・・・」
大本はそう言いながら、ゆっくりと腰を前後に振り始めた。腰のくびれをがっちり掴んだまま、男はじっくりと、しかし力強くその肉棒を人妻の中へと突いていく。

「あんっ・・・・・・、ああんっ・・・・・・・・」
快感を与えられ、それに翻弄されるという罰。夫以外の男にそんなことをされ、悦んでしまうことは罪であることを知りながら、君枝はもうそれ以上耐えることはできなかった。

「どうですか、奥さん・・・・・・・・」
「あんっ・・・・・・・・、ああっ、駄目っ・・・・・・・・・」
「気持ちいいでしょう、こうされると・・・・・・・」

そう告げる大本が、その腰の動きを加速させる。ぱんっ、ぱんっ、と人妻の美尻に音を立てて腰を打ちつけ、君枝の裸体は与えられる快感に震えてしまう。

「あんっ・・・・・・・、ああんっ!・・・・・・・」
「どうだっ、奥さん・・・・・・・・」
「ああっ・・・・・・・、ああっ、駄目よっ・・・・・・・・・」

キャビネットの端を苦しげに握り締め、君枝はパンプスを履いた両脚のかかとを浮かせるような格好になっていた。時間をかけて大本に腰を突かれ続け、次第に君枝の美尻もそれに呼応するように後方に動き始める。

ハアハアと息を乱しながら腰をくねらせる人妻を目にし、男はその熟れたヒップを軽く叩くような仕草を見せる。

「あんっ・・・・・・、ああっ・・・・・・・」
「ご主人に怒られますね、こんなに声出してる姿を見られたら・・・・」
大本の言葉に、一瞬、夫である和夫のことが頭をよぎる。鮎川の部屋で抱いたような妄想、夫がこの風景を覗き、興奮している姿を、君枝はまた想ってしまう。

駄目っ・・・・・・・、あなたっ、見ないで・・・・・・・・
一気に追い詰められていくのを感じ、君枝は熱を帯び始めた肢体が、蕩けてしまうような感覚に襲われた。大本が左手を前に伸ばし、人妻の乳房を後方から激しく揉みあげる。

「奥さん、どんな気分だ・・・・・・・・・」
「ああっ、いいっ・・・・・・・・・、いいわっ・・・・・・・」
朦朧とする感覚に包まれ、君枝はつい素直な感情を男に告白してしまう。



遂にその快感を素直に口にした君枝の腰をがっちりと掴み、大本はその筋肉質の体を更に前後に振り続ける。

彼は依然として白いワイシャツを着ていた。タイトスカートを身につけている君枝は、シャツを着たままの上司に犯され、あたかも業務中にそんな行為をしているような錯覚に包まれる。

「いいんですよ、奥さん、もっとよくなって・・・・・・・」
大本はキャビネットを掴んでいた人妻の両腕を掴む。そしてそれを自らの方に強く引きながら、その反動を利用するかのように、腰を前に突き出した。

君枝の裸体が後方に反り返り、形のいい乳房を前に曝け出すような格好になる。男のピッチの速い腰の突き出しに合わせそれが官能的に揺れ、君枝の短い嬌声が部屋に響く。

「あんっ! あんっ! あんっ!・・・・・」
「感じてるのか、奥さん・・・・」
「ああんっ・・・・・、違うっ・・・・・・、違うわっ・・・・・・・・・」

男の荒々しい行為に、君枝は早足で官能のステップを駆け上がっていた。大本は人妻の細い両腕を束ねて右手だけで掴み、前方に伸ばした左手でそこで揺れる美乳を何度も揉みあげた。

ああっ、気持ちいい・・・・・・・・
遂に男に貫かれ、君枝は今、淫らな満足感に浸されていた。このまま自分をどこまでも汚して欲しい。優等生であっただけに、そんな屈折した欲情は限界にまで濃厚なものだった。

「奥さん、我慢しなくていいんだぜ・・・・・・」
いったん腰の動きを停止し、大本は君枝の両肩を掴み、上半身を背後から抱き寄せた。いやらしい曲線を人妻の肢体に描かせ、後方からそれを羽交い絞めにしたまま、男は再び腰を振り始める。

「あんっ・・・・・・、ああんっ・・・・・・・・」
「どうだ、入ってるか・・・・・、感じるだろう・・・・・・」
「あんっ、入ってる・・・・・・・・・、入ってるわ・・・・・・・・・・」

キャビネットと大本に挟み込まれるような格好の君枝。大本はその人妻の左脚を、膝の辺りから持ち上げるような行動に出た。

キャビネットを両手で掴み、右脚だけで立ちながら、君枝はより淫らに美脚を広げられてしまった。下に腰を落とし、そこから突き上げるように、大本は更に奥深くにまで肉棒を人妻に与えてやる。

「あんっ・・・・・・・、ああっ、凄いっ・・・・・・」
「奥さん・・・・・・、ほら、イっていいんだぜ・・・・・・・」
「ああっ、駄目っ・・・・・・・・・、ああっ、大本さん・・・・・・・・・」

昇り詰めてしまう予感に包まれながら、君枝は助けを請うかのように、上司の名前を口にする。強気な部下を装っていた君枝が、限界の直前にまで達していることを大本は確信した。

「さあ、奥さん・・・・・、我慢しないで・・・・・・」
左脚を折り曲げて抱え上げられ、より淫らに開かれた人妻の秘所を、大本は下方から何度も突き上げた。

君枝のスリムな裸体がその度に上方に持ち上げられ、パンプスの中のかかとが浮き上がる。メガネの奥に閉じられた瞳が快感を伝えるかのように淫らに歪み、君枝は耐え切れない風に口を開く。

「あんっ・・・・・・・、ああっ、もう駄目っ・・・・・・・・」
「どうしたいんだい、奥さん・・・・・」
「イクっ・・・・・・・・、もうイキそう・・・・・・・・・」
「さあ、我慢しないで、イってください、奥さん・・・・・・・」

更に荒々しく体を動かす男のたくましさ、そして情熱を感じ、君枝は淫らな官能を一気に加速させた。
「ああっ、イクっ・・・・・・・・・・、イきそう・・・・・・」
「いいんですか、奥さん、ご主人に怒られますよ・・・・・・・・・」

あなた、許して・・・・、私、こんなことされて、もう我慢できない・・・・
キャビネットにしがみついたまま、君枝は暗闇の中に放り込まれたような気分になった。何か白く飛び散るような光景を感じ、そして秘所から大量の熱い蜜が湧き出すのを感じる。

タイトスカートのみを身につけ、肢体を反らし顎を上げながら声をあげる君枝。夫の存在をどこかで意識しながらも、別の男のたくましいものに貫かれたまま、人妻は遂に絶頂へと連れ去られてしまう。

「どうだっ、奥さん・・・・・・」
「ああっ、駄目っ・・・・・・、もう、イッちゃう・・・・・・・」
「さあ、イって・・・・、奥さん・・・・・・・・」
「ああっ、大本さん・・・・・・、イクっ・・・・・、あんっ、イクっ!・・・・」

最後にそう叫んだ人妻の姿を確認し、男はようやく腰を突き出すことをやめた。熱い液体が肉棒を包み、そして激しく収縮した壁が何度もきつく締め付けてくるのを感じる。

たまらない女だ・・・・・・
人妻の膣の刺激を何とかやり過ごし、大本は自らの欲望を解き放つことを避けた。

こんなことで罰を終わらせるつもりはなかった。依然硬さを維持している濡れた肉棒をゆっくりと抜き去り、男は人妻の肢体を別の場所へと誘導していく・・・・。



離婚して以来、欲望の赴くままに女を抱いてきた弁護士にとっても、その夜の人妻は、彼が知る、どの女とも違っていた。

肉棒で背後から貫き、荒々しく腰を突きたてる度に、敏感に肢体を反応させ、そして耐え切れない様子で声を漏らす。人妻が見せるそんな仕草の全てが、43歳の男を興奮させ、更なる行為へと駆り立てる。

「気持ちよかったですか、奥さん・・・・・」
大本は自らのデスクの椅子に座っていた。その上に、再び両腕をネクタイで後ろ手に縛られた人妻が跨っている。依然として硬いままの男のものは、まだ挿入されてはいない。

タイトスカートだけを身につけ、人妻は上半身の素肌を露にしている。首筋から乳房にかけて汗が光るのが暗闇でも確認できる。メガネをかけたその女は、目を閉じたまま、息をかすかに乱しているようだ。

「奥さん、私はまだ満足してませんよ・・・・・」
上に座る君枝に、大本は唇を重ねた。覚醒するかのように、君枝の舌がそれを受け止め、ねっとりと絡んでくる。

「また入れて欲しいんじゃないですか・・・・・」
快感の波に飲み込まれ、君枝は自分がどこにいて、何をしようとしているのか、すぐに理解することができなかった。

野獣のような男の行為に一気に絶頂にまで達せられたせいか、肢体がどうしようもなく熱い。どこからか大本の声が聞こえてくる。繰り返されるその言葉に、君枝はしかし、すぐに答えることができない。

「ほら、奥さん、もっともっとイキたいんでしょう・・・・・」
両腕を後ろ手にされ、人妻の美乳は男の眼前に無防備に露にされている。大本は音を立ててその先端をしゃぶり、そして下から楽しむように揉み始める。

「あんっ・・・・・・・・・」
再び人妻の口から声が漏れ出した。

「奥さん、罰はまだまだ終わらないよ・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「入れてください、って言うんだよ・・・・・・・」
「いやよっ・・・・・・・・・・」

上司の名前を呼んで絶頂に昇り詰めた人妻の姿は、そこにはなかった。快感の流れに身を任せながらも、君枝は男への抵抗心を僅かに取り戻そうとしている。

だが、上方にそそり立つ男の肉棒を感じ、再びそれで貫かれることを想起し、君枝は肢体が震えるような快感に包まれていた。

「それじゃ、いつまでも罰が終わらないぞ、奥さん・・・・・・」
大本は人妻をいじめる言葉を並べながら、君枝の美乳の先端を指先でつまみ、そして濃厚な口付けを要求する。

「あんっ、やめてっ・・・・・・・」
瞳を閉じたまま、君枝はその舌を男に強く吸われた。弄られる乳首からしびれるような感覚が全身へと伝わり、再び息が乱れていく。頭までもが熱くなり、君枝はただ自分の義務を果たすことしか考えることができなかった。

罰に素直に服する。そのためには、男の言いなりにすることだ。模範生として、意味のないルールにも素直に従った幼少時代を思い出すように、君枝は自らの態度を決めた。

「ほら、欲しいんだろう、奥さん・・・・・・・」
指先で濡れた美肉を刺激され、君枝はもうそれを待つことができない。男に屈するところは見せようとはせず、しかし、どうしようもない自らの欲情を言葉にしてしまう。

「早く・・・・、早く入れなさいよ・・・・・・」
「入れてどうされたいんだ、奥さん・・・・・」

焦らす大本の顔を、君枝はメガネの奥の瞳を開き、耐え切れないような色を浮かべ、じっと見つめる。そして甘えるような口調ではなく、逆に挑発的なトーンで告白した。

「イカせたいんでしょう、また私を・・・・・・・」
「まだまだ強気なんだな、奥さん・・・・・・・・」

絶頂に昇り詰めながら、そんな態度を示す人妻に、男はより激しい征服欲を抱かずにはいられなかった。

君枝の脇の下に手を差し入れ、力強くその裸体を持ち上げる。そして上方に向いた長大なものをあてがいながら、ゆっくりと人妻の肢体をそこに沈めていく。

ああっ、また入ってくるわ・・・・・・
身動きができない裸体を男の上に少しずつ沈められていき、君枝は男のものに再び犯される自分を感じる。

「ああっ、駄目っ・・・・・・・・、ああんっ!・・・・・・・」
再び瞳を閉じた人妻が、顎をあげて声をあげた。捲り上げられたタイトスカートから覗く美脚をいやらしく広げられ、膝を窮屈そうに折り曲げている。黒いパンプスは履いたままだ。

椅子に座った大本は、両腕を縛ったその人妻の肢体が落ちないようにしっかりと抱きかかえ、自分のものを君枝の奥底にまで深々と到達させた。

=====

ああっ、駄目っ・・・・・・・・・・
バックから散々に貫かれた先刻よりも、男の上に跨った今のほうが濃厚にそれの存在を感じてしまう。快感で膣内が淫らに収縮してしまうせいか、肉棒のサイズがより増したかのように思える。

「腕が縛られてても、腰は振れるだろう、奥さん・・・・・・・」
男のその指示に素直に従うかのように、背中で両手を縛られた君枝は大本に跨ったまま、ゆっくりと美尻を前後に揺らし始めた。

その度に、男のものが子宮にまで届くような気分になり、君枝はどうしようもなくエッチな感情に包まれていく。

「あんっ・・・・・・・、ああんっ・・・・・・・・」
「もっといやらしくなるんだよ、奥さん・・・・・・」

大本が君枝の美尻に手を回し、それを前後に何度も揺らす。乳房を吸われ、男の上で完全に拘束された状態の人妻ができることは、快感をどこまでも追い求めることだけだった。

「ああっ・・・・・・・・、ああんっ・・・・・・・・・・」
「奥さん、どうだ、気持ちいいんだろう・・・・・・・・」
「あんっ、いいっ・・・・・・・・・、いいわっ・・・・・・・・・」

メガネの奥から大本をきつく見つめながら、君枝は淫らに腰を振り続け、そして快感を素直に告白する。

二人の乱れる息遣いと肌に浮き立つ汗が、誰もいない暗いオフィスの空気を熱くさせているようだ。窓ガラスの外から漏れ入る光に、椅子で交わる二人の姿がぼんやりと照らされ、カーペットを敷いた床の上に妖しい影が映し出される。

人妻の見事な上半身の曲線を描いた黒い影。それが前後に何度も揺れ、その度に女の嬌声がそこに覆いかぶさっていく。

「あんっ・・・・・・・・・、ああっ、いいっ・・・・・・・・」
「もっと素直になったらそのネクタイを解いてあげますよ・・・・・・」

君枝の腰のくびれを掴んだまま、大本はそんな風な提案をした。ある意味で、それは君枝を助けることになった。男の指示に従う部下の姿を装うことで、君枝は素直な感情を躊躇することなく口にすることを許されたのだ。

「もっと・・・・・・・、もっと激しくしてよ・・・・・・・」
男に命じるかのような口調で、君枝は男を求める体奥の叫びを解放した。

「ほらっ、どうだ、これは・・・・・・・」
人妻の美尻をきつく掴み、大本はそれを激しく前後に振らせる。そして椅子に座る自らの腰も、それに合わせて前方に何度も突き出した。

「あんっ!・・・・・・・、ああっ、凄いっ・・・・・・」
「こんな乱暴なのが好きなのか、奥さん・・・・・・・」
「ああっ、もっと・・・・・・・、もっとしていいのよ・・・・・・・」

両腕を拘束された自分が、男の上に乗せられ、そして激しく腰を振っている。タイトスカートを依然として身につけていることが、より猥褻な感情を自分に与えてくるようだ。

「自分で好きなように腰振りたいだろう・・・・・・・・」
両手を拘束されていては、男の上で自ら動くことは難しい。大本は君枝の背中に手をまわし、腕を縛るネクタイを再度解いてやった。

「奥さん、まずシャツを脱がしてくれよ・・・・・・・」
素肌からの汗で、男の白いワイシャツは少し濡れているようだ。

両手を解放された君枝は、腰の動きをとめた男のシャツのボタンに手をかけ、それをゆっくりと外していく。そんな人妻の顔を抱き寄せ、男はその唇を再び煽動するように吸い上げる。

「あんっ・・・・・・・」
「ほら、このまま続けるんだ、奥さん・・・・・」
唾液を交換しあうような濃厚なキスを交わしながら、君枝は手探りで男のワイシャツを脱がしていく。

ボタンを全て外し、男を欲しがる娼婦のような仕草で、それを一気に脱がし、その下のシャツも同様に奪い去る。

「どうだ、男の服を脱がす気分は・・・・・」
淫棒を挿入したまま、少しずつ興奮が高まってきているせいか、大本の言葉が次第に命令調のものへと転化していく。

「さあ、これで好きなように腰振れよ、奥さん・・・・・」
「いいわよ・・・・・・・・」

男の命令は予期していたとでも言うように、君枝は冷静さを装ったままそう答え、男の背中にゆっくりと両腕を回した・・・。



全裸となった上司の上半身は、既に感じていた通り、贅肉とは無縁な鍛えられたものだった。たくましい男の肉体にしがみつくような格好で、君枝は自分で腰を振り始めた。

「どうだ、奥さん・・・・、感じるだろう、俺のものを・・・・・・」
「ああんっ・・・・・・・、ああっ、入ってるわよ・・・・・・・・」

大本の顔を見つめながら、君枝はそう漏らした。両腕が自由なだけに、自分自身の意志でその人妻は快感を追及することができた。上司の背中に腕を回し、強く引き寄せながら、君枝は美尻を淫らに打ち付けていく。

「奥さん、腰をくねらせてみろ・・・・・・・」
大本の指示通り、君枝は男の肉棒を呑みこんだ下半身で、ゆっくりと弧を描き始める。

「あんっ・・・・・・・・、こうなの?・・・・・・・、ああんっ・・・・・・」
「そうだ、もっとエッチになれるだろう・・・・・・」
「ああんっ・・・・・、ああっ、気持ちいいっ・・・・・・・・・・」

オフィスの自分の椅子に座り、跨らせた部下の女性、しかも人妻に腰を好きなように振らせている。随分と素直に快感を口にし始めた君枝に対し、大本は依然としてその持続力を維持できる自信があった。

「奥さん、どうだ、俺のものは・・・・・・・・」
そんな陳腐なセリフは口にしたくはなかったが、その人妻をいじめるために、大本は敢えてそう言ってみる。

「あんっ・・・・、いいっ・・・・・・、いいわっ・・・・・・・・」
途切れ途切れにそう漏らしながら、君枝は肢体を後方にのけぞるような格好にし、両腕で男にしがみつき、更に高速で腰をスライドさせた。

「何が気持ちよくさせてるんだ、奥さんを・・・・・」
そう問いかけながら、大本は君枝の片手を掴み、交わりあう秘所の部分に導く。そして自らのものの根元を握らせ、そのサイズを改めて人妻に伝えてやる。

「さあ、これだよ・・・・、何が入ってるんだ、奥さんの中に・・・・・」
「あんっ・・・・・・・・、あんっ、これよ・・・・・・・」

淫棒の根元に指先を伸ばしてくる人妻の肢体を持ち上げ、男はそれをジャンプさせるように激しく下から突いた。快感に躍動しながら、君枝は更に官能の息吹を漂わせた嬌声をあげる。

「あんっ!・・・・・・・、ああんっ!・・・・・・・」
男のそれが、人妻の性欲をこれ以上なく満たしてくれる。濃厚な快感に酔わされるかのように、君枝は男の持ち物にただ圧倒され、大本の策略に陥り、その質問への答えを口にしてしまう。

「さあ、何が入ってるんだ、奥さん・・・・・・・」
「あんっ・・・・・・、お○んち○・・・・、大本さんのお○んち○よ・・・・」

東大卒の人妻にそんな淫らな言葉を口にさせ、大本はそのほころびを一気に拡大すべく、要求を重ねていく。

「もっと君枝をそれでいじめてって言うんだ、奥さん・・・・・」
いつしか君枝は片手をタイトスカートの下、秘所の辺りに伸ばし、もう片手は後方の大本の膝のあたりに置いていた。

背中に大本の腕をまわされ、それに肢体をもたれかけるような格好で、君枝は腰をゆっくりと、しかし深々と振り続けている。

「あんっ・・・・・、大本さん、もっと・・・・・・・・」
それでいじめて欲しい。二度目の絶頂に向かおうとしている君枝にとって、大本に指示されたその言葉は、完全にその欲情を見透かされたものだった。

「さあ、言うんだ、奥さん・・・・・・・」
「君枝を・・・・・・・、もっと君枝をいじめてよ・・・・・・・・・」
挑発的な匂いを漂わせながら、君枝は大本にそう懇願する。

「どれでいじめて欲しいんだ?・・・・・・・・・」
「お○んち○で・・・、お○んち○でいじめるのよ、君枝のことを・・・・」

男に操られるかのように、そんな言葉を口にする自分を、君枝はどこか別の場所から観察しているような気分だった。淫らな自分を目撃し、人妻の興奮は更に高まりを見せ、より熱い愛蜜を湧き出していく。

「さあ、いじめてやるよ、奥さん・・・・・・」
タイトスカートの下、人妻の太腿を抱え、大本はその肢体を乱暴に自分の体に引きつけた。

湿った音を立てながら、激しく二人の秘部が交わりあい、メガネをかけた人妻は、瞳を閉じたまま、美しい顎を天井に突き出す。

「ああんっ!・・・・・・・、ああっ、駄目っ・・・・・・・・」
夫に従順な人妻としての仮面を捨て去るかのように、君枝は両腕を男の首に回し、その裸体を何度も振った。日常の全てを忘れ去り、ただ獣のように自らの欲情だけを求める女がそこにいる。

それは君枝が長い間、そうなりたいと想い続けてきたものであった。



模範生であった幼少の頃から頑なに信じ、守り続けてきたもの。夫の幼馴染である川上に抱かれた夜、君枝はそれを捨て去る快感を覚えてしまった。

今、大本のたくましい上半身に跨り、君枝は再びそんな奔放な自分を追い求めている。それこそが、本当の自分の姿であることを証明するかのように。

誰もいないオフィスで、対外秘の書類を捜していた人妻。上司にその現場を見つかってから、いったいどれほどの時間が経っただろうか。

依然、照明が落とされた暗い室内で、ハアハアと声をあげながら、激しく体を求め合う男女。その二人の熱が、部屋の空気まで淫らなものに変えてしまったかのようである。

「旦那とどっちが気持ちいい、奥さん・・・・・・」
自分にしがみついて腰を振り続ける人妻の美乳をしゃぶりながら、大本は何度も肉棒を突き上げる。

「あんっ・・・・・・・、あんっ、聞いちゃいや、そんなこと・・・・・・」
「どうなんだ、奥さん、素直に言うんだよ・・・・・・」
大本はその言葉を言わせようと、執拗に人妻を攻めた。

我慢するように息をとめ、耐え切れずそれを吐き出すのと同時に、ああんっ、と色っぽい喘ぎ声を漏らす君枝。自分の上でその美尻をぐるぐると回し、男は人妻に存分に肉棒の味を堪能させてやる。

「ああっ、いいっ・・・・・・・」
「どっちだ、奥さん、旦那とどっちがいいんだ・・・・・・」
「あんっ・・・・・、主人より上手よ・・・・、大本さんのほうが・・・・・・・」

夫への罪の意識を抱えたまま、君枝はその言葉を口にした。大本に対する愛情など存在しない。しかし、その上司の激しく、情熱的な抱き方に、牝である君枝は「上手」という単語をつい口にしてしまう。

「一度これを知ると、もう他じゃ満足できなくなるぜ、奥さん・・・・・」
その言葉は、魔性のメッセージのように、君枝の体奥深くにまで届く。君枝自身、そう感じてしまうのをどこかで避けていた。はっきりと男が口にした言葉を、人妻は完全に受け入れてしまう。

「ほらっ、どんな気分だ、奥さん・・・・・・」
「ああんっ・・・・・・、ああっ、いいわっ・・・・・・」
「犯されてるのがそんな気持ちいいのか・・・・・・」
「あんっ・・・・・・、ああっ、駄目よっ・・・・・・・・・」

瞳を閉じたまま、もう我慢などしないと主張するかのように、その人妻は自ら腰をくねらせ続ける。その唇を大本が再び吸い上げたとき、突然誰もいない室内にその音が鳴り響いた。

大本の携帯であった。デスクの上に置かれたスーツの上着の中にあるようだ。上に乗る君枝に肉棒を貫いたまま、大本は椅子を少し回し、机の上に手を伸ばす。

携帯を探り当てると、画面表示を確認した後、すぐに通話ボタンを押した。君枝は自分の恥ずかしい声が漏れ出ないよう、腰の動きをやめ、大本の首のあたりに顔を埋める。

「鮎川さん、どうしました、こんな時間に・・・・・・・・」
鮎川・・・。大本のその言葉を聞き、君枝は肢体が敏感に反応するのを感じた。

「いや、ちょっと取り込み中なんですが・・・・、ああ、ご出張でしたね、今日から・・・・」
会話をすぐにはやめようとしない大本に、君枝は何か焦るような気分に襲われる。どうやら鮎川は出張先の関西のホテルから大本に電話をしてきたようだ。

その話しぶりから、特に至急の用件ではないことが伺われる。大本が漂わせた少しばかり気まずそうな雰囲気を察したのか、鮎川は電話を切ろうとしたようだ。

「ちょっと待ってください常務・・・、いや、そうじゃなくて・・・・・・」
しかし、大本は会話を終わらせようとはしなかった。男の視線は、上にいる人妻の横顔に注がれている。

「実はですね、今、私一人じゃないんですよ・・・・」
上司の意外な言葉に、肢体の淫らな動きを停止し沈黙を貫いている君枝の鼓動が、一気に高まっていく。

「常務もよくご存知の方ですよ・・・・・、今、代わりますから・・・・・・」
君枝が全く予想もしていなかった行動に、その欲深な弁護士は打って出た。

「さあ、奥さん、常務にご挨拶を・・・・・・」
淫らな意志をその奥に湛えた瞳で人妻を見つめたまま、大本は躊躇することなく携帯を差し出し、君枝の耳元でそう囁いた。



できないわ、そんなこと・・・・・・・・
大本の肌に埋めていた顔をあげ、君枝は黙ったまま、上司の顔を見つめた。その要請を撤回するつもりはないようだ。さあ、と小声で囁きながら、電話に出ることを君枝に強要してくる。

逃れようがない。君枝は逃げ道など最初から用意されていないことを知り、覚悟を決めたようにそっと携帯を受け取った。

「・・・・もしもし・・・・・・・」
「おや、奥さんでしたか・・・・・・・・」
電話の向こうから、あまり思い出したくない声が君枝の耳に届いた。

「大本さんとお二人で何をされてるんですか、奥さん・・・・・・」
「あの、それは・・・・・」

機転を利かすことができず、君枝の言葉が一瞬詰まったとき、大本はその人妻の柔らかなヒップを再び強く掴んだ。そしてそれをゆっくりと前後に動かし始める。

いやんっ、やめてっ・・・・・・・・
硬さを維持した男のものが、改めてずんっ、ずんっ、と下方から刺激してくる。しばらく鎮まっていた快感が、一気に覚醒し、従前にも増した強さで君枝に襲い掛かる。

「あんっ・・・・・・・・」
大本の体に美尻を打ちつけるように腰を振らされ、その肉棒を奥深くにまで感じた君枝の口から、ついそんな声が漏れてしまう。

小さな声であっても、静まり返った夜のオフィスでは、それはかき消されることもなかった。電話の向こうにいる鮎川は、その人妻の喘ぎ声をはっきりと聞き、そして大本の狙いを瞬時に理解する。

大本のやつ・・・・・・
出張先のホテル、セミダブルベッドに一人で体を横にした鮎川は、例のプロジェクトの現況を確認するため、大本の携帯に電話をした。

既に支社の連中との食事を終え、酒も十分に入っている。この後、再び外出し、今度は馴染みの女のいる店で飲み直す予定であった。

遂に手を出しやがったな、大本め・・・・・・・
強烈な嫉妬と怒りが混在した感情を抱きながら、鮎川はあの日の午後のことを思い出す。栄養ドリンクのボトルを使って、椅子に横にしたその人妻を散々に弄んだ、あの午後のことだ。

社長の急な呼び出しもあり、あのとき鮎川は自らの興奮を満たすことはできなかった。人妻の官能的な裸体を思い出しながら、鮎川は続きをここでやってやろうと考えた。それが大本の自分へのささやかな気遣いであることに、老獪な常務は既に気づいている。

「奥さん、何をされてるんですか、大本さんに・・・・・・」
「何も・・・・・・、何もしてません・・・・・・」

君枝の言葉を聞き、大本はその人妻の美尻を振らせるペースを少しずつあげていく。何度もその裸体を自らに引き寄せ、そして突き出された美乳の先端に舌を伸ばす。

「あんっ・・・・・・」
「いけないことをしてるんでしょう、大本さんと・・・・・・」
「違いますっ・・・・・、あんっ、駄目っ、大本さん・・・・・・・・」

人妻が腰を振る光景が、鮎川の脳裏にくっきりと描き出される。ベッドの上で、鮎川は思わずスーツのベルトを緩め、股間のものへと手を伸ばした。

「奥さん、そんなに気持ちいいんですか?・・・・・・」
「あんっ・・・・・、あんっ、違うんですっ、常務・・・・・・・・」

大本の与える快感で、君枝の肢体は急速に力を失っていく。ただそれに漂いながら、その人妻は夫以外の男の上で、次第に自分から腰をくねらせていく。

「奥さん、どんな格好なんですか、今・・・・・・・」
鮎川のその質問は何度も繰り返された。脅迫するように何度もそれを聞かされた君枝に、もう抵抗する意志は残っていないようだ。

背筋をぴんと伸ばし、その人妻はただ快感だけを追い求めて腰を前後に振っている。そして、鮎川の話術にはまっていくかのように、その危険な会話を始めてしまう。

「上に・・・・・・、大本さんの上に乗ってるわ・・・・・・」
人妻のこの告白に、鮎川は右手の動きを加速させながら、更にそのほころびを巧みについていく。

=====

「何を身に着けているんですか、奥さん・・・・・・・」
大本の上に跨るあの人妻の姿を濃厚に思い描きながら、鮎川は、ホテルの部屋で一人、自らのものをしごき続けている。

「スカートとパンプスだけ履いてるわ・・・・、あんっ、駄目っ・・・・」
電話越しに、君枝が喘ぎながらも素直に質問に答えてくる。いったん始めてしまったその会話を、どこで終えたらいいのか、もうその人妻には判断ができないのであろうと、鮎川は感じていた。

「大本さんのものがもう入ってるんでしょう、奥さん・・・・」
確信を持ちながらも、鮎川はどこかでそうであって欲しくないという気持ちを抱きつつ、君枝にそう訊いた。

「あんっ・・・・・・・、入ってる・・・・・・、入ってるわ・・・・・」
気のせいか、人妻の声色が挑発的なものに聞こえてしまう。まるで「あなたも入れたいんでしょう」とでも言っているかのようだ。大本を羨む感情を懸命に抑えながら、鮎川は携帯越しに質問を重ねていく。

「奥さん、どんな風に動いてるんですか・・・・・・・」
「腰を・・・・・・・、腰を振ってるわ・・・・・・・」

大本への憎しみのような感情を強めつつ、鮎川は何とか冷静さを手放すことはなかった。携帯を握ったまま、目を閉じ、ベッドの上で鮎川はその人妻と体を重ね合わせている自分を想起し始める。

「さあ、もっと腰使って・・・・・、奥さん、もっといやらしく・・・・・・」
「こんな風に・・・・・・、こうなの?・・・・・・・・、あんっ、いいっ・・・・・・」
携帯電話をきつく掴み、鮎川に指示されるままに君枝は、大本の上で腰をぐるぐると回した。

どうしようもなく濡れた美肉を肉棒が刺激する度に、ぐじゅぐじゅといやらしい音が響く。顎をあげた人妻が漏らし続ける声は、確実に電話の向こうにまで届いているようだ。

「そうだ、奥さん・・・・・・、さあ、もっと声を出して・・・・・」
「あんっ・・・・・・・・、ああんっ!・・・・・・・」
「いいのかい?・・・・、ご主人と違っていいんだろう、奥さん・・・・・・」
「ああっ、いいっ・・・・・・・・、あんっ、いいわっ・・・・・・・・・」

自分でも意外なほど、股間のものが一気に硬くなっていることに鮎川は気づいた。それを右手で何度もしごきながら、電話の向こうの美しい人妻を何度も突き上げる自分を思い描く。

「ああっ、いいぞ、奥さん・・・・・・・・」
「あんっ・・・・・・・、ああんっ、鮎川さん、駄目っ・・・・・・・」
メガネの奥の瞳を閉じ、君枝は肢体を淫らにくねらせていく。

電話での会話を続けるうちに、その男の妄想が君枝にも伝わってしまったかのようだ。いつしかその人妻は、目の前の上司にではなく、電話の相手に抱かれ、激しく犯されている自分を想起していた。

「奥さん、自分の手でおっぱいを愛撫してごらんなさい・・・・・・・」
鮎川に性の手ほどきを受けるかのように、君枝は目を閉じたまま、自らの腕を胸の膨らみへと導いた。そして柔らかな乳房を、ゆっくりと自分の手で揉みしだいていく。

「あんっ・・・・・・・、ああんっ・・・・・・・・・」
目を閉じたまま自分を刺激する人妻を見て、下にいる大本は黙ったまま、自分の手を人妻の手に重ねた。そして人妻の手の下に隠された美乳の膨らみを覆い、愛撫を加えてやる。

「あんっ・・・・・・、ああっ、いいっ・・・・・・」
上司に自慰行為を協力してもらっているような気分になり、君枝は堪らずに声をあげる。

「奥さん、ほら、入っているところを触ってごらん・・・・・・・」
鮎川は硬い淫棒をベッドの上で握り締めたまま、電話の向こうの人妻のそう声をかけた。

君枝は乳房に置いていた右手を下方へと伸ばし、タイトスカートの中に侵入させていく。そして潤った泉にずっぽりと入っている大本の太いものの根元辺りを、しっかりと掴む。

「あんっ・・・・・、ああんっ、いやっ・・・・・・・・・」
「どうだ、硬いだろう・・・・・・・・」
ベッドの上で鮎川は自分のものを激しくしごきながら、それが人妻の手による行為であることを想像する。

「あんっ・・・・・・・・・・、硬いっ・・・・・・・、硬いわっ・・・・・・・」
胸元に一層の汗を光らせたまま、君枝はその根元を握り締め、更に腰の振りを加速した。その淫らな行為は、人妻を再びエクスタシーへと導くものだった。

「ああっ・・・・・、もう駄目っ・・・・・・、またイッちゃいそう・・・・・・」
電話から聞こえてくるその色っぽい声に、鮎川もまた、その興奮を一気に解放してしまうことを決意する。



椅子に座る大本の上で、何度も息を途切らせる君枝。その度に、美しい表情を淫らにゆがめ、あんっ、あんっ、と声を漏らしてしまう。

美脚をいやらしく開き、自分を貫く大本のそれの根元に触れながら、君枝はもう一方の手で携帯電話を握り締めていた。

「奥さん、いいんですよ、気をやってしまって・・・・・・」
電話越しの鮎川のその言葉に甘えるかのように、君枝は快感の奥底に一気に滑り落ちていくような気分にさせられる。

「あんっ・・・・・、ああっ、鮎川さん・・・・・・・」
「奥さん、もっと腰振って・・・・・・・・」
「あんっ!・・・・あんっ!・・・・・あんっ!・・・・・・」

人妻の声を堪能しながら、鮎川は激しく自分のものを刺激した。ベッドの上で一人横たわり、そんな行為に耽ることなど、いつ以来のことであろうか。しかし今、あの人妻が悶える姿を電話越しに捉え、彼は同時に達してしまうことを思い描いている。

「ああっ、どうだ、奥さん・・・・・・」
「ああっ・・・・・・、駄目っ・・・・・・、もう駄目よっ・・・・・・」

上司のものに確かに貫かれながら、君枝はあの常務に抱かれている自分を想像していた。老いた男とは思えないほどに、鮎川のものはたくましく、そして硬かった。何度も下方からそれで突き上げられ、君枝は裸体をたまらず小さく浮かせてしまう。

「奥さん、一緒にイキましょう・・・・・・」
鮎川は自分のものを握る右手に更に力を込めた。

目を閉じたまま、電話の向こうから届く人妻の喘ぎ声を、僅かでも漏らすまいと、じっと聞き続ける。そして騎乗位でその人妻を犯すことを思い描き、激しく右手を動かしていく。

「あんっ・・・・・、鮎川さん、駄目っ・・・・・・・・」
携帯を握ったまま官能の渦に巻き込まれる人妻の姿を堪能しながら、大本は腰を何度も突き上げてやった。

取引先の常務にとっては、何よりの差し入れとなるはずだ。思った通りの展開になったことにほくそ笑み、大本は感じやすいその人妻の美乳を再びしゃぶってやる。

「あんっ・・・・・、ああっ、イキそう・・・・・・・・」
美尻を何度も大本の上でスライドさせながら、君枝は電話に向かって嬌声をあげる。

「奥さん・・・・・・・、ほらっ、どうだっ・・・・・・・」
「あんっ・・・・・・・、ああっ、イっちゃいそう・・・・・・・」

人妻が昇り詰めようとしていることを察知し、鮎川もまた、後戻りできない地点にまで足を踏み入れた。唸り声をあげながら、右手を何度も往復させ、人妻の膣内にそれを放出することを夢想する。

「ああっ、奥さん、出すぞ・・・・・・」
「いいわっ・・・・・・・、出してっ・・・・、早く出して、鮎川さん・・・・・」
「奥さんっ・・・・・・」
「ああっ、凄いっ・・・・・・・・」

君枝は右手を大本の首に絡め、スリムな裸体を何度も前に振った。男の汗を感じ、君枝は再び、絶頂に到達する。

「あんっ!・・・・・・・・、ああっ、イキそう・・・・・・・」
「奥さん、ああっ、出すぞ・・・・・・・・」
「ああんっ・・・・・・・・、ああっ、イクっ・・・・・・・イクっ!・・・・・・」

電話の向こうで人妻がそう叫ぶのが聞こえた。同時に、鮎川はベッドの上で、激しくそれを放出する。経験豊富である自分が、そんな風に一人でイってしまったという事実に、鮎川はしばらくは馴染めそうにもなかった。

また、イッタのか、奥さん・・・・・・
大本はそう思いながら、さすがに自らの限界も近いことを感じている。肌には汗がべっとりと浮き出し、交わり続ける下半身は汗と人妻の蜜で、いやらしく濡れている。

ぐったりした君枝の裸体を持ち上げ、大本は肉棒をゆっくりと抜き去った。人妻を椅子から降ろし、床に腹ばいにさせるようにその裸体を投げ出す。

そして、先程まで君枝の腕を縛っていたネクタイを手にし、更にもう一本のネクタイをデスクの引き出しから取り出した。

そろそろ、私もいかせてもらうよ、奥さん・・・・・・
君枝の裸体からタイトスカートをようやく剥ぎ取り、大本はその美尻を後方に突き出させた。

パンプスだけを履いた全裸の人妻が、顔を床に埋めるようにうつ伏せになり、美脚を折り曲げ、下半身を男に露にしている。

大本はその眺めに満足しながら、2本のネクタイを持った手に力を込めた・・・・・。



息苦しさを感じながら、君枝は見知らぬ空間を漂っていた。裸体はじっとりと汗ばんでいる。濡れた素肌を事務所の床に密着させ、君枝は自分がうつ伏せの状態にいることに気づく。

「ううんっ・・・・・・・・・、ううっ・・・・・・・・・」
その苦しげな声は自分のものだ。聞き慣れないそれに戸惑いながら、君枝は少しずつ意識を取り戻していく。

大本の事務所だ。娘の幼稚園周辺の開発計画の一端に思いがけず触れた自分が、関連書類を密かに捜していたとき、大本に捉えられ、そして服を脱がされたことが遠い記憶のように蘇る。

罰と称した上司の遊戯は、君枝を何度も絶頂へと導くものだった。立ったままバックから大本に激しく貫かれ、そしてまた、電話越しに交わした鮎川との会話によって、自分がエクスタシーに達したことを、君枝は思い出す。

「ううっ・・・・・・・、ああんっ・・・・・・・・」
尽きることを知らぬかのように、新たな快感が自分に襲い掛かってきているようだ。いつしか、自ら美尻を何度も突き出し、そしていやらしくくねらせている。

ああっ、気持ちいいっ・・・・・・・・
その快感は、しかし、それまでのどれよりも強く、圧倒的なものだった。君枝は後方から大本に犯されていることに気づき、床に両手を突こうとする。しかし、体を動かすことができない。

また縛られてる・・・・・・・
両腕が再び背中で縛られているようだ。そして更に、君枝を困惑させる罠を、その上司は仕掛けていた。

いやっ、こんなの・・・・・・・・
その心の叫びを、君枝は口にすることができなかった。声を発することができないのだ。悶える人妻の口には、大本が用意したと思われるもう一本のネクタイが、猿ぐつわのように、きつく縛られていた。

「どうだ、奥さん、気がついたか・・・・・・・」
乱暴な口調で背後から上司がそう声をかけてきた。君枝の美尻をがっちりと掴み、激しくその腰を突き出してくる。

「ううっ・・・・・・・・、ううんっ・・・・・・・・」
くぐもった君枝の声が、喉奥から漏れだす。

「最後はこうやっていじめて欲しかったんだろう、奥さん・・・・・・」
完全にその人妻を屈服させたかのような満足感に浸りながら、大本は自らの快感を限界まで貪り続けるつもりのようだ。

「どうだ、手も口も縛られて犯される気分は・・・・・・・」
「ううっ・・・・・・・・・、はうんっ・・・・・・・・・・」
「ものすごく濡れてるぜ、奥さん・・・・・・・」

両肩を床に密着させたまま、君枝のヒップは後方に掲げられている。男はそれを速いピッチの腰つきで、何度も刺激し、硬直した肉棒を往復させる。

あんっ、こんな風にいじめないで・・・・・・・・・
タイトスカートは剥ぎ取られ、生まれたままの肉体にパンプスとメガネだけを身につけている。まるでレイプされているかのようなその罰に、君枝は濃厚な快感を与えられていた。

目茶目茶にして欲しい、という人妻の密かな願望を、上司は的確に嗅ぎ付け、存分に満足させてくれる。その逞しい肉体、驚くほどの持続力、どこまでも硬いその持ち物、そんな全てに君枝は圧倒され、そして蕩けるほどに美肉を濡らした。

「ほらっ、奥さん・・・・、体を起こすんだ・・・・・・・」
縛られた君枝の両腕を強く引っ張り、大本は更に腰を深々と前に突き出した。両膝だけを床につけ、上半身を宙に浮かせるような格好にさせられながら、君枝は激しく犯された。

ああっ、いいっ・・・・・・・・
子宮に届くほどに、男のものがずんっ、ずんっ、と貫いてくるのがわかる。女としての本能なのか、君枝はたまらなくそれが欲しくなり、そしてまたも快感のスロープを駆け上がっていく。

「気持ちいいんだろう、奥さん・・・・・・・」
「ううっ・・・・・・・、ううんっ・・・・・・・・」
口を縛られた人妻は、くぐもった喘ぎ声を苦しそうに漏らし続ける。

それは、君枝を妖しく刺激するシチュエーションだった。まるで他人にその声を聞かれないためのように、猿ぐつわをされたままで犯される自分の姿に、君枝は背徳感を改めて思い出し、そしてそれを快感へと繋げてしまう。

あんっ、駄目っ・・・・・・、またあんな風になっちゃう・・・・・・・・
二度も絶頂に昇りつめたことを思い出しながら、君枝は自分がまたそこに導かれようとしていることを感じた。



大本は両腕で人妻の上半身を抱き寄せ、その美乳を後方から何度も揉みしだいた。そのままの格好で貪欲に腰を突き出し続け、君枝を一気に追い込んでいく。

あんっ・・・・・・、駄目よっ・・・・・・・
口を縛られた君枝が、もう我慢できないとでもいうように、更に苦しげな息を漏らす。体奥から発せられるその唸るような悶え声に、大本は遂に自分自身をも解放することを決意した。

「奥さん・・・・・、イカせてもらいますよ、私も・・・・・・・・」
君枝の両肩をきつく掴み、大本は汗を飛散させながら、これ以上ないほどの勢いで腰を振り始めた。

あんっ・・・・・・、ああんっ、凄い・・・・・・・・・
「いいんですよ、奥さんもイってしまっても・・・・・・・・・」

野獣のような声をあげながら、大本が最後のスパートにかかる。裸体を激しく揺らされ、苦しげに首を振る君枝。パンプスだけを履いた全裸の人妻は、あまりにも淫らで、色っぽいものだった。

「ああっ、奥さん・・・・・・・」
「ううっ・・・・・・・・、ううんっ・・・・・・・・・・」
くぐもったその喘ぎ声が、男を、そして女をも、興奮させた。非日常の官能の世界に酔いながら、二人は同時に頂点へのスロープを駆け上がっていく。

「ほらっ、どうだっ、奥さん!・・・・・・・」
大本の腰と君枝の美尻が何度もぶつかり、いやらしい音を立てる。声をあげることができないまま、君枝は体奥で何度も叫び続けた。

あんっ・・・・・・・、イクっ・・・・・・・、イッちゃう・・・・・・・・
秘所が蕩けるほどに熱い。肢体が震えるような感覚に包まれる。膣が痙攣するのを感じ、頭が急速にぼんやりとしていく。

早く・・・・・・・、早く欲しいの、大本さん・・・・・・・・
「ああっ、出すぞ、奥さん・・・・・・・・・」
出して・・・・・・・、早く出してっ・・・・・・・・・・

「ああっ、奥さん!・・・・・・・・」
「ううっ・・・・・・・、はうんっ!・・・・・・・・・・・」

ああっ、イクっ・・・・・・・・・、またイッちゃう!・・・・・・・
犯される牝鹿のように言葉にならない声を漏らしながら、君枝は心の中で叫んだ。視界が白くなるのを感じ、肢体の感覚を失ったまま、床に前のめりに倒れこむ。

大本は素早くそれを引き抜いた。そして、うつ伏せで動かなくなった人妻のヒップのあたりを目がけ、濃厚な液体を勢いよく解き放った。自分のもので白く汚れた人妻の裸体を眺める男の背中に、大量の汗が噴出しているのが、暗闇でもはっきりとわかる・・・。

******

「そっか、残ってくれって言われたの・・・・・・」
由加里から電話があったのは、法律事務所での勤務が終わって数日経った頃だ。

年末の慌しさを忘れてしまうような青空に包まれた閑静な住宅街、幼稚園が冬休みとなった一人娘と居間で塗り絵をしながら、君枝はその学生時代の友人と会話を交わした。

「かなり強く言われたんだけど・・・。でも、無理だっていうの、娘もいるんだし・・・・」
「君枝、かなり気に入られたんじゃない?」

「そうかもしれないけど・・・。でも無理なものは無理なのよね・・・・・・」
友人のきっぱりとした口調に、その仕事を紹介した由加里は少しばかり心配になる。

「ねえ、君枝、大丈夫だった? 何か無理な仕事させられたとか・・・」
「ううん、平気よ。ちゃんと給料ももらったし、楽しませてもらったわ・・・」
敢えてそんな言葉を口にすることで、君枝はあの夜の記憶を強引にでも断ち切ろうとした。

「そう・・・・、ならいいんだけど・・・・。で、どうなの、年が明けてもPTAは忙しそうなの?」
由加里のその質問に、しばらく間を置いた後、君枝は自らに言い聞かせるように答えた。

「そうね・・・・・、いろいろと大変になりそうよ・・・・・・」
来年春着工という、あの極秘資料の文字を、君枝ははっきりと思い出す。自分でも理由はわからないが、君枝はあの幼稚園周辺の開発計画に腐臭のようなものが漂っていることを感じていた。

言いなりになっちゃ駄目よ・・・・・・
自分でできる範囲で、君枝は鮎川が勤務するゼネコン企業に最後まで抵抗するつもりであった・・・。

******

数ヵ月後に動き出すそのプロジェクト。それに巻き込まれるのは君枝だけではない。珠代、裕子、そして姫こと、亜矢子。同じPTA役員である美しい人妻達は皆、その騒動の中に身を投げ入れ、そしてそれぞれのクライマックスを迎えていくことになる・・・。
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